見出し画像

死ぬとどうなるの

昨年出会った1番印象深い絵本
「かないくん。」

谷川俊太郎さんが一夜で綴り、漫画家の松本大洋さんが2年かけて描いたという絵本。

死ぬとどうなるの。

クラスメイトの「死」にふれた少年の心情とその後を美しく繊細に描ききった絵本でした。

私自身も、一番はじめは小学校1年生の時、近所の教会の日曜学校に一緒に通っていた女の子が亡くなり。生まれつき病気を患っていたようでしたが、当時は何も知らなかったので、同じ歳の子の突然の死は1番衝撃で。

その教会で葬儀が行われ、子供心に「何故神様は救ってくれなかったのだろう?」と疑問に思いました。

少し時をはさんで、高校一年生の時、元中の双子の男の子の1人が病気で亡くなり。葬儀だと言うのに久しぶりに同級生に会えて盛り上がってしまい反省した記憶もこの絵本に通じるものがあり。

高校三年生の時、グループで遊んでいた女の子が交通事故で脳死し。子供を失ったご両親の姿や親友たちの悲しみの大きさに触れ、「脳ってなんだろう?救えないのだろうか。」とその後の進路に影響しました。

そのように身内とは別に、同じ歳の人たちの死に触れ、いつの頃からか「自分もいつ死ぬかわからない。明日かもしれない。ならばいつ終わりの時を迎えても後悔のないように今日を生きねば。」という考えが生まれ、今の私を形成しています。

自分の作る曲にも、「死に向かう生」や「死者への悔恨や鎮魂」をテーマにしているのは、そういう経緯もあります。

かないくんと出会ったのも、ちょうど登戸の殺傷事件が起こった直後で。これからを奪われた被害者の無念と、子を失う親の気持ちを慮り、苦しく受け止めきれなかった時期に出会った絵本でもありました。

その時に浮かんだ曲がこちらで。

しばらく距離を置いておいたのですが、また再び向き合ってみようと思います。


死ぬとどうなるの。

問いつつも答えのないものですが。

生の傍らにそっと寄り添うもの。

私はそう思って生きています。



この記事が参加している募集

#推薦図書

42,575件

サポートいただけたら、もちろん嬉しいですが、曲や文章の感想をいただけるのも、またサポートになります🙏✨