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仕事観:プロかゼネラリストか?

プロかゼネラリストかどちらか論

プロかゼネラリストか…答えのない問いではありますが、キャリア形成は、結局はどう自分の時間を投資していくか?だと思います。

【プロ】
プロと言えば、私がぱっと頭に浮かぶのは、、、
・スポーツ選手
・外資コンサル

【ゼネラリスト】
一方でゼネラリストというと、、、
・日系企業
・大手企業のマネージャー

「プロ」の定義にもよりますが、プロというのはやはり本当に限りある一部の人というイメージがあります。野球でいえば甲子園出自体すごいことですが、そのうち「プロ」野球選手として食べていけるのはごく一部だと思います。

型式:I型、T型、π型、m型、H型

「プロ」をその道で食べていける人と定義すると、相当「プロ」になれる人というのは限られてくると思います。

そこで、プロかゼネラリストか?という白or黒でなくその間をもう少し設けてみたいと思います。

O型人間の定義
一時期、T型人材になろうと言われたことがあったと思います。ここでTの2つの棒、縦と横ですが、
縦:「自分の核となる深い専門知識」
横:「コラボして専門外の技能を広げる」

I型人間は、横0となるので、いわゆるプロもしくは一芸に秀でる人となります。

ここで、T型から派生して、π型は2つの専門性、m型は3つとなります

H型は、Hub(ハブ)です。特に専門性があるわけではないですが、場所を抑える感じです。例えば、Amazon自体は、絵本を描けるわけでも、ビジネス書を書けるわけでもないですが強力です。商社や商人もこれに近いと考えられます。「仕組み」を作り流通を促せるというのが近いのでしょうか?

大きな企業でゼネラリストや中間管理職という方は地位という立場を利用し、こういった情報の流通のハブ機能を果たしていると考えてよいと思います。

結局、一人ひとりあたりに与えられた時間は1日24時間なので、どこに(縦・横)どちらにどれだけ時間を使うかで、プロ寄り、ゼネラリスト寄りが決まってくると思います。

まとめると、5段階ぐらいにできそうです。
<プロ> I型~T型~π型~m型~H型<ゼネラリスト>

世の中の変化と細分化された小さな「プロ」

もう1つ別の視点で考えなければいけないのが、世の中の変化です。
なぜ、20世紀の終わり頃になってきて、突然T型なるものが話題になったのでしょうか?

先ほどの縦・横で横の重要性が強調されるようになったのでしょうか?
縦:「自分の核となる深い専門知識」
横:「コラボして専門外の技能を広げる」

20世紀を産業革命以降の大量生産の完成形だとします。ここで重要な構造は資本家(工場を建てられる人)に富が集まる構造です。

町のパン屋さんがどんどんなくなりパン工場(作る)~大手スーパー(売る)のように分業が進んでいったのが20世紀だったと思います。

この時、多くの労働者に求められるのは、例えば細分化された1つの機能を担うこと。例えば、ケーキを作る工場ラインで、イチゴをひたすら乗せること。これなら非常に短時間で、上手にイチゴを乗せるという技能が身に付きます。労働者が1つのことだけをやってくれれば、資本家側にとっても都合がいいわけです。(効率よく生産できて、全体を構築できる資本とノウハウがない限り、自分の立場は脅かされない)

この効率化・大量生産というのはすごい力で、例えば自動車。自動車は人間の運動能力の拡張と捉えると、例えば軽自動車やコンパクトカー(トヨタのヴィッツやアクアなど)は時速100km/hで移動できます。100年前にこの能力を持っている人間はほぼゼロだったと思います(高速道路がそもそもないので)。ではこれがいくらで手に入るかというと、中古車なら100万円で十分です。時速100km/hで走行できるコンパクトカーはだいたい1,000kgなので、1000円/kg、つまり多くの測り売りの食品よりも安い1円/gなんです。スーパーで売っているお肉や野菜で1円/gの商品を探してみてください。

”工業化による大量生産は、非常に細分化された大量の小さなプロを生み出し、ものすごい効率化を実現したと言えます。”

ところが、最近になって、そういう限られた範囲のI型人間の集まりでうまくいかなくなったために、T型人間といわれるようになってきているはずです。1つの理由は、横のスキルがないとそれぞれが自分のことだけを考えて効率化するため、全体最適の観点がかけて、変化が大きい時代には、その変化についていくことが難しくなったため、また、ITC(情報技術)の進展で今まで以上にスキルの習得が簡単になったためだと考えられます(短い時間でスキルを身に着けてもらえるなら多能工の方が資本家側からは都合がいい)

世の中の変化も見据えた時間の使い方

縦と横は、
縦:「自分の核となる深い専門知識」
横:「コラボして専門外の技能を広げる」

【縦】スキル・技術力の習得
プロスキルの習得に必要な時間は1万時間と言われています。T型人間に求められる縦軸はこのレベルとします。これでプロ選手が100人/国内だとすると、100万人に1人くらいのレア度を目指す感じです。

では、m型の場合はスキルが3つですから、1つのスキルとして3,000時間程度使えることになります。それぞれのスキルが100人に1人で、それをうまく掛け算できると1/100x1/100x1/100=1/100万人でやはりI型と同じ感じになります。ちなみに、英検1級レベルの英語力を全くのゼロから習得するのに必要な時間は3000時間程度です。

【横】ネットワーク・結合力の習得
自分が持っていないスキルを組み合わせるには、他人の力を借りる必要があります。今までは、細分化したプロを集めるのは資本力でした。しかし、21世紀は、これが大きく個人の信用に変わろうとしていると予測されます。つまり結合力がある人というのは、3,000時間をかけて習得したスキルを持っている人に、「ちょっと一緒にやってみない?」と声をかけ、面白そうだね!!やろうやろう!と言ってもらえるかどうか。「この人と一緒にやると面白いことができそうだ」という組み合わせをビジョンにする力、巻き込む力が大切になり、そのためには、組み合わせの構想力、信頼、多様性に対する受容度が大切になってきます。(※組み合わせを最大化するには、遠いものつまり異なる文化を持つ人をうまくつなげることが大切)

プロorゼネラリストに向けたステップアップ

プロかゼネラリストか、、、

長くなってしまいましたが、上記のように整理していくと、個人のキャリア形成には、大きく2つの道が見えてきます。

1つは、I型(縦)から登っていく
しかし、やってみて途中で(3000時間くらいの時点で)これは違うと思えば一旦その山を登るのは一休みして、次の山に登って、T型にシフトしていく

もう一つは、H型(横)から入るという方向性で、人と人が集まる場所で仲間が楽しくあつまり仕事ができる場を提供することから始めていく。こちらは文化の異なる人たちをうまくまとめる力が重要になってきます。

そういった中で、20世紀は組織がそもそも縦割りで、ある意味で地位があがっていかないとゼネラリスト的なスキルを発揮するのが難しかったのが、知識が広く広がり入手しやすくなる中で、21世紀はweb型組織になりつつあり
Web型組織を意識したnode(点-スキル)とline(線-つなぐ)がすべての人に求められるようになってきているのだと思います。

Photo by Hunters Race on Unsplash

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