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写真家 緒方秀美 私小説 Demiストーリー#1

こんにちは。急に暑くなりましたね、こんな世の中ですが楽しんでいきましょうね!!
今日から私の私小説として私の小さい頃からの出来事を書いていく事にします。題は「Demiちゃんが行く」にしようかな??
第一章です。

私が生まれたのは熊本県 山鹿市という片田舎、父は建築会社を経営、母は蝶洋装店というオーダーメイドの洋服屋を経営する家に12月24日クリスマス イブの日に生まれた、デミという名前の左利きの女の子。二歳違いの弟ノブもいる。
大きな目をして色白でサラララとした黒髪のデミはいつも大人達の人気者。
デミのお父さんはみんなから社長と呼ばれてた、いつも設計図とにらめっこしてる無口な男、お母さんのお店一階は蝶洋装店2階は縫子さん達の作業場と3階は住まいの鉄筋コンクリートの家をお父さんの設計で建ている、天井には天窓がありそこからも光が入り家具も全てお父さんのデザインで作りって、室内にいても自然を感じるとてもオシャレな空間の家を建てた。お父さんの夢は土壁の平屋建ての家を設計して、リタイヤしたらそこに住みたいと言っていた。そんなお父さんの仕事に影響されたデミは将来住みたい家の設計図を天窓たくさんって家の中に木が生えている家の設計図を描いてた。
デミのお母さんは背が高くすらーっと高く、いつも綺麗な洋服を着こなす。そんなお母さんの姿に憧れて子供なのにセクシーなデザインのタイトスカートやスーツ、エレガントなレースのワンピースを自分で服をデザインして仕立てもらってた。
ある夏の日お母さんがツバの広いエレガントな帽子とワンピースで素敵だなと思っているとデミには子供用の小さい帽子を買ってくれようとする、子供用の帽子なんてどうしても嫌だと、お母さんと同じ帽子を買ってとダダをこねてツバの広い方を買ってもらった。子供のデミがそれをかぶるとキノコみたいになってた、それでも貴婦人になった気分で街中を歩いて近所のおばちゃん達に笑われてた事もある。
お母さんの洋装店には街中の女人達が集まる、お母さんはお客さんがどんな服が欲しいか、どんな時に着る服なのか、要望を聞いてデザイン画を描く、お客さんがそのデザイン画を見てワクワクしてくると、今度は生地選び、デザインと生地がマッチしたら、身体を採寸してお店の二階の作業場にいるパタンナーに指示をだし生地の裁断、その生地を綺麗にアイロンかけて仮縫い糸で縫い合わせ2~3日で仮縫いが出来上がる、仮縫いのフィッティングの時にお客様の体系に合わせて、もうちょっとここのダーツを深くしましょうか、もう少し着丈が短い方がお客様にはお似合いですね、待ち針をさしながらとアレンジしていく、その作業でお客さんのスタイルがさらによく見えてくる。
フィッティングする部屋の壁は前、横、後の三方向が全面が鏡になっていて、その部屋に入ると前から横から後ろからの自分の姿が一度に見える、前から見る自分しか知らなかった人には自分の全てが一度の見える不思議な部屋で仮縫いフィッティングはお母さんがお客さんを綺麗にする魔法の部屋みたいだった。仮縫いのフィッティングが終わると今度は縫子さん達が本縫い、服へのボタン選びのセンスも服を素敵に見せる大事なポインドだった。そうして1週間くらいで服が出来上がる。
みんながお母さんの作った服を着ると、みんなとても嬉しそう、さえない顔でお店に着た人もお母さんが仕立てた服を着るとニコニコして嬉しそうな表情に変わり、キラキラと輝きだしてた。お母さんは女性を素敵に輝かせる魔法使いみたいだった。
街中の女性が何かのお祝い事、友達の結婚式、旅行、子供の入学式、には必ずお母さんのお店、蝶洋装店に洋服作りに来てた。
綺麗なホステスさん達もお仕事できるエレガントはロングドレスを作りにきてた。
デミはお客さんが出来上がった服を着てニコニコする姿が大好きで、お帰りの際にいつも「ありがとうございました」とおじぎしてた。
小さい時はお母さんのお店の店員のお姉ちゃん達がお化粧してくれたり、お母さんデザインの洋服作ってくれたり、お父さんが建てくれた住まいはとてもオシャレで生活はして楽しかったけど、どうしてもひとつ田舎に生まれた事が嫌でしかたなかった。
テレビで観る世界と熊本での日常の言葉使いが違いうんだろう?語尾に「ばってん」がつくのはどうして?テレビで見る風景と日常の風景が違って、なんだかテレビの中の方がもっと綺麗な世界みたいで、早く大人になってこの田舎から抜け出してテレビの世界に行ってみたい、コマーシャルで外国が出てくると凄くドキドキした。

そんなデミに一代転機が訪れたのは小学校3年生の時、担任の瀬口先生が「君たちは20世紀に生まれて今は日本やアメリカなど隔たりがある様に感じてるけど、
21世紀になったらテクノロジーも進歩して外国にも短時間で行ける、日本人、アメリカ人というより地球人という意識で生きる時代が来るのだ!!その時に君達は一番働き盛りの30代、凄い時代に生まれたんだよ!!!」
その瀬口先生の言葉がデミには脳天一撃で『うぁ~~~凄い、私は地球人として世界中をかけめぐる。

自分を表現してみんなを喜ばせる仕事をするの、英語はコミュニケーションの手段で覚えよう。そして何か自分だけしかできない仕事をする、直ぐにもアメリカ行きたい。

『そうだ!地球は丸いのだから穴を掘ったらアメリカにたどり着く!!』

そう思ったデミは放課後秘かに校庭裏の空き地に穴を掘りはじめたのです。

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