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選択のパラドックスについての研究レポート報告,その2

決断を下すのは難しい作業である。

 物理的なものの言い方をすると、選択肢が多いと言うことは、
それだけ「決断後のパターン」が多いと言うことになります。
その事実が、どのような影響を与えるのか、
一度「バイアス」を外して考えてみましょう

選択肢が多いことにより無力感を抱く

早速このプロセスを、
シュワルツ氏の話の内容に沿いながら
解読していくことにします。

選択肢が多いことの一つ目のデメリットは
「選択肢が多いことにより無力感を抱くこと」です。

あまりにも選択肢が多くなると、
人は選択するのが難しくなってしまいます。
総問対象の答え語群選び!


選択するのが難しくなると、決定するのが億劫になので、
「また明日決めよう。」「そのまた明日。」「一週間後に」と、
どんどん決定する日を先延ばしにし、
ついには決定せずにチャンスを
逃してしまうことが増えてしまうのです。

「機会費用」という妖怪

二つ目のデメリットは「機会費用」という観点です

これは、「仮に選択したとしても、
他の選択肢を選んだ場合と比較してしまい、
高い満足感を得られないこと」をいいます。

 とにかく私たちの周りには
たくさんの選択肢で溢れていますから、
なんとか思い切って決断しても
もし他の選択肢を選んでいたら」と想像してしまいます。

すると想像なのであたかも
その選ばなかった選択肢を選んでいた方が
良かったような気がしてきます。

この機会費用が私たちが選んだ選択肢の満足度から常に引かれるので、
せっかく決断してもあまり満足できないという結果を生んでしまうのです。

隣の芝生は青く見える

例を挙げると、
レストランに行って、豊富なメニューの中からやっと選び出し、
お目当ての料理を食べることができたのに、
妙に他の人が食べている料理が気になる・・・。
あっちを選んでおけば良かった。

人の食べているものは、自分のより美味しそうに思えちゃう
こんな経験は、結構な頻度でしていると思います

実際は最高の選択を選んでいたとしても、
この機会費用によって
100%満足することはできない仕組みに陥ってしまうのです

そして、選択肢の多さが、さらに期待を高めてしまいます。

例えば、ジーンズを購入するためにお店に行けば、
たくさんの種類のジーンズがあります。

そのたくさんの種類のジーンズの中から、
自分にピッタリのジーンズを見つけ出せたとします。

けれど私たちの心の中では、
「もっと素晴らしいジーンズがあるはずだ」と、
さらなる理想のジーンズ象を浮かべてしまい、
実はそれがベストなジーンズにもかかわらず、
「もっと良いジーンズがどこかにはあるはず」
と思い込んでしまっているので、
完全に喜ぶことができないという具合です。

選択肢の多さによって、他のジーンズが良く見えてしまったり、
さらなる理想のジーンズを想像してしまうので、
絶対満足はできないのです。

最近の研究によると、
この豊かな選択肢の豊富さゆえに、
自らの選択の是非に悩むものが多く、
慢性的な不満足感が、「うつ」を多く発症させている
そういう報告があるようです。

あたしはこの状況、
「天人五衰」のたとえを思い浮かべてしまいました。

「如意輪」ゆえの苦悩です

まさに、如意輪観音の出番なのかも知れません。

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