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平面に奥行きという要素を与える(構図の話5=遠近法について)

遠近を表現する

さて、前回触れました透視法ですが、
このやり方は画面に「奥行き」を生み出すために使われる技法です。

写真に限らず平面に表現する絵画は、
すべからく、いかにこの物理的に二次元的な空間に、
いかにして三次元、あるいは四次元を表出するかなんです。 

ぶっちゃけた究極を言うと、
そもそも人間の脳や視覚は「瞞される」という特性を持っていますから、
どうやってその状況を導き出すかなんです。
それが写真表現の面白さなんですよ。(^▽^)

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① 一点透視法(「消失点」が一つ)

 手っ取り早く「数学的」にこの状況を作り出したのが
「透視法」という表現です。

これは理論的に言えば「ユークリッド幾何学」であるのかも知れません。
つまり、平行は常に平行でありあり続けるのであれば、
視界に存在するすべての平行な直線は、
距離に比例してこの消失点へと近づいていき、やがて消える。
という理論です。

すなわち、平行を仮定すれば距離が離れれば離れるほど
その幅は小さくなり、やがて消失=0になるという状況を、
二次元に表現するという物です。

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② 二点透視法(消失点が平行および垂直に二つ)

ここには
「 同じ大きさの物でも、視点から遠いほど小さく描く」
「ある角度からの視線では物はひずんで見える」


という二つの原則を当てはめることができます。
まぁ、レンズの工学的性質から言えば、
もっとも得意技になるのかも知れません。

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③ 三点透視法(消失点が三つ)

 こういう数学的な方法を採らなくとも、
「遠くは小さく」あるいは「遠くはぼやける」
という原則をあててみるわけです。

これは物理的な視覚と、そこに「空気」が介在するよ
という原理をあててみるとよくわかると思います。

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④ 空気を介在させる

このように、数学的「構図」に頼ることなく、
物理的な遠近を、「濃淡」で表現するとことで
奥行きのある構図になります。

次回からは何回かに分けて、この基礎を使っての「構図作りプチテク」を御紹介致しましょう。


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