一気読みした2冊
2021年は小説を読まなくなった。
いや「読めなかった」がしっくりくる。
好きな作家さんの本でも、
物語の世界に入れないのだ。
これは作家さんや本のせいではなく、
ひとえに僕のコンディションの問題。
脳内でリアリティを補う力が、
とんと枯渇していたのだ。
そんな脳内砂漠の状態でも読めたのが、
以下に紹介する2冊。
まずは1冊目。
#52ヘルツのクジラたち
#町田そのこ
読むきっかけは
「本屋大賞本だから」
ではない。
著者・町田そのこさんの
インタビュー記事を読んだからだ。
私が高校時代に愛読していた
氷室冴子さんを、
町田さんも愛読し、
「救われた」と書いてあった。
親近感が湧き、購入。
2日で読了。
翌日、寝込むまではいかないが、
ずっと引きづられた。
“児童虐待”をテーマにした本。
それは確かにそうだが、
それだけだと思って手にとると、
火傷を負うことになる。
親が“親でなくなる”ということ。
自分と重なりダメージ大だった。
救いは、
“親以上に寄り添ってくれる存在”だ。
人に勧めるのに少しためらう。
でも、
「いつか出会ってほしい」
と思わせてくれる。
そんな本かな。
次に2冊目。
#そしてバトンは渡された
#瀬尾まいこ
この本、ずっと避けてました。
だって…。
読んだら体調悪くなるのが目に見えてたから。
あ、作品をディスってるわけではないです。
あらすじの
「血の繋がらない親の間をリレーされ」
に、どう考えても感情移入しまくりだ。
でも、買っちまっただ。
こうなったら読むしかない。
現在p45。
まだ大丈夫。
そして大きな波のないままに読了。
結論から言うと、
「そこまで身構えなくて良かった」だ。
バトンを繋いだ人たちは皆、
奇跡的どころか、
奇跡そのもののような善き人ばかりで、
そういう意味ではリアリティは皆無だった。
なのに読めた。
何故だ?
きっとそれは、
この物語を通して差し出したバトンを、
ちゃんと受けとったからだ。
受けとったからには走らないとね。
どこへ向けて?
生徒のことを“よく見ている”向井先生。
目指させていただきます。
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