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科学と非科学の狭間で

一見すると科学的に見えるものでも、科学ではないものが世の中には溢れています。科学的なものが全て正しいと考えるのは極端ですが、非科学的なものを信じることは正しくありません。

魔法や超能力は、ファンタジーの世界では常識ですが、実生活ではあり得ません。これまでにも”超能力”の存在がブームとなったことが何度もありますが、超能力はその都度検証されては否定されています。つまり、超能力や魔法は、世間では”科学的でない=非科学”と考えられているのです。世の中の物理法則が全て解明されているわけではないので、科学と非科学には曖昧な部分があります。

「魔法のような都合の良いものはないだろうなぁ」と多くの人は思っていますが、「超能力ならワンチャンあるかも・・・」と自分の希望が心理的なバイアスとなって信じてしまう場合があるのかもしれません。”エンタメの範囲での超能力”まで否定するつもりはありませんが、”真の超能力”は存在しません。

科学の本質は、『原因と結果の因果関係』と『再現性』です。科学的な現象には、物理的または化学的な原因があって、その原因によって結果が生じます。またその結果は、誰がやっても同じでなければなりません。同じ実験をAさんが成功したのに、Bさんが失敗したのでは、科学的な結果とは言えないのです。

少し前に世間を賑わせた”世紀の大発見”『STAP細胞』は、実際には存在しないものでした。これは、複数の人の再現実験で、再現が困難なことが確かめられた結果でした。同様な”世紀の大発見”に『常温核融合』があります。核融合を地上で再現・持続させるには、超高温・高密度などの厳しい条件を同時に達成する必要があります。しかし、常温核融合は通常の温度で核融合が起こせるという衝撃的な発見でした。しかしこの発見も、再現性が無く、偽物だったことがわかりました。

しかし、科学と非科学の間に明瞭な境界線があるわけではありません。そのため、”科学を装った非科学”がまかり通るのです。また、基礎的な科学知識の欠如によって、科学的なものを非科学と決めつける場合もあります。これは、いわゆる”風評被害”の原因です。

難しい数式や公式を覚える必要はありませんが、大人なら物理や化学の基礎知識は知っておく必要があります。似非えせ科学に騙されないようにするために。

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