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雑記コラム

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物理探査に関係が薄い雑多なコラムをまとめました。
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2021年12月の記事一覧

カウントダウン

 2022年のカウントダウンが始まっています。『物理探査学』を知って頂くことを目標にこのブログを始めましたが、気が付けば『物理探査学』以外のことを多く書いてきたような気がします。  難しい専門用語を解説した記事は、研究や仕事で関係ある人にしか興味が無いと思っていましたが、そうでもないようでした。ビュー数を少しだけ調べてみると、意外と”お堅い”記事が善戦しています。これも一重に、読者の皆様の好奇心のお陰だと感謝しています。  来年も硬軟織り交ぜた記事を書く予定です。ご興味が

継続は力なり

 私は飽きっぽい性格なので、子供の頃は習い事などが三日坊主で続いたためしがありません。一番最短でやめたのは書道で、開始から2回目でやめてしまいました。  しかし、このブログは性に合っているのか、何とか継続できていて、前回が記念すべき300回目の記事となりました。この記事は301回目の記事に当たります。  毎回、書くための「題材探し」に困窮しますが、何とか話題をひねり出しています。そのため、「この記事は読まれないだろうなぁ」と思われる記事も書くのですが、そんな記事が意外と読

自慢の一冊#2 『地球科学における諸問題』

 一定の年齢層以上の人たちには、タイトル図の顔に見覚えばあるかもしれません。この人は竹内均先生で、日本の地球物理学者および科学啓蒙家でした。現在も人気の科学雑誌、『Newton』の初代編集長でもありました。独特の黄色いフチのメガネがトレードマークで、裏声のような独特な口調も特徴的で、タモリさんには「歩くヨーデル」と評されれいました。竹内先生は東大の教授でしたが、偉ぶらず、時にユーモアを交えながらの落ち着いた話しぶりから、NHKの科学番組にもよく出ていました。  Wiki情報

スロースターター

 一旦仕事を始めると、仕上げるのは早いのですが、エンジンがかかるまでに時間がかかります。いわゆるスロースターターというやつです。前々から少しづつ、コツコツやればいいじゃないと言われますが、それがなかなか出来ないのです。  人間には、積分型人間と微分型人間がいます。積分型人間は、コツコツと地道に成果を積み上げるタイプです。日本人にはこのタイプが多いような気がします。その反対に、微分型人間は刹那主義で、その瞬間瞬間を大事にします。”瞬間瞬間を大事にする”といえば聞こえはいいので

杉能舎の大吟醸

 九州大学の伊都キャンパスのすぐ近くに、浜地酒造という造り酒屋があります。屋号は、杉能舎です。この造り酒屋を知ったのは、今から20年以上前の、九州大学がまだ箱崎にいる時でした。  その当時、この付近の地下水の状態を調べるため、福岡市西区の元岡・桑原地区の地下水探査をしていました。誰が教えてくれたのかは忘れましたが、調査地の近くに日本酒の造り酒屋があって、当時は珍しいクラフトビール(地ビール)を作っていることを知りました。その当時は珍しいという話題性が先行していましたが、味も

自慢の一冊#1 『前方後円墳集成5 九州編』

 私の研究の中では、地下資源の探査に関する研究がメインですが、個人的な興味で遺跡探査の研究も行なっています。最近は、地中レーダを使うことが多いのですが、以前は電気探査(比抵抗法)、磁気探査、電磁探査も利用していました。  遺跡探査の研究をしていると、地方自治体から遺跡探査の受託研究/共同研究を依頼されることがあります。九州大学の伊都キャンパスの一部が入っている糸島市からは、合併前の前原市の時代から、何度も遺跡探査を実施しています。ちなみに、タイトル図は伊都キャンパスから少し

”ゴマすり”も、たまには役に立つ

 「胡麻をする」行為は、自分よりも位の上の人に合わせて相手を持ち上げたり、お世辞を言ったりおべっかを使ったりして、どうにかよい印象を与えて自分が気に入られようと立ち振る舞うことです。胡麻は、スルのも、スラレルのも嫌いです。  日本語では、お世辞などを言う時の手の仕草が、胡麻をする仕草に似ていることから、このように呼ばれていましが、欧米ではゴマすりのことを”リンゴを磨く(apple polishing)”と表現します。また、胡麻をする人のことはapple polisherと言

フーコーの振り子

 フーコーの振り子は、地球の自転現象を演示する実験装置です。自転運動する物体上で、長い弦をもつ周期の長い振り子を長時間振動させると、次第に振動面が変化することが観察できます。フーコーの振り子は、フランスのレオン・フーコーが考案し、1851年にパリのパンテオンで公開実験を行ないました。  私が初めてフーコーの振り子を見たのは長崎でした。大学生の頃、長崎大の友人の下宿に遊びに行った際に、その振り子のある場所に案内してもらいました。その場所は、フーコーの振り子とは関係なさそうな長

デジタル化の代償~ペーパーレスの逆襲

 物持ちが良すぎて、部屋中に紙の資料が積み上げられていました。机の上も研究資料・論文のコピー・印刷したプログラム等、紙だらけです。これ以上紙の資料が増えると、部屋が資料で埋め尽くされえそうでした。そこで、思い切って資料のデジタル化を実施し、紙の資料を廃棄することに決めました。これは、いわゆる終活の一部でもあります。  基本的には、片っ端からScanSnapで資料をスキャンしていきます。資料の中には個人情報が含まれるものもあるので、これらは除いて、ひたすらスキャンしました。中

どうしてそんな研究をするの?

 プリンストン大学上席研究員の真鍋叔郎さんがノーベル物理学賞を受賞しました。現在真鍋さんはアメリカ国籍を取得していますが、90才での受賞は日本人最高齢です。ノーベルの選考委員会は、真鍋さんの受賞理由について「現代の気候の研究の基礎となった」としています。真鍋さんが考えた気候モデルは、地表面が太陽から受け取るエネルギーから、宇宙に逃げていくエネルギーを差し引いた「放射収支」と、空気や水蒸気が互いにどう影響し合うかを、世界で初めて解明したとされています。  また、地球科学系の研

博多『祝いめでた』のルーツ

 大学入学のために福岡に来て以来、1年間のアメリカ生活を除けば、福岡生活がずっと続いています。気付けば、田舎で過ごした18年の倍以上を福岡で過ごしてきました。今日は初めての、地元密着な内容です。  福岡に住んでいると、「福岡市民のお祭り好き」なことがよくわかります。全国的に知られている春の博多ドンタクや夏の博多山笠以外にも、秋には筥崎宮で放生会があります。一般的には放生会は”ほうじょうえ”と読みますが、筥崎宮の放生会は”ほうじょうや”と読みます。さらに、冬には筥崎宮の行事で

私の本棚

 このタイトル画像は、私の部屋(職場)の一方の壁側にある本棚の写真です。これは私の蔵書のほんの一部で、反対側の書類棚にも蔵書である専門書が置かれています。書類棚は奥行きがあるので、前後の二段にして本を並べています。また、自宅にも百冊近く専門書を置いています。数千冊はあると思いますが、専門書の正確な数は私にもよくわかりません。  最近は研究費で購入した本もありますが、これらの本のほとんどは自費で集めたものです。専門書は高価なものが多く、3000円台は当り前です。私が上梓した『

火山噴火や地震が気になります

 日本ではトカラ列島付近で地震が続いていますし、インドネシアのジャワ島では火山が噴火しました。最近、地球の地下活動から目が離せません。  インドネシアのジャワ島東部で12月4日、標高約3600mのスメル山が噴火しました。数十人規模の死亡者が出ており、今後の噴火活動の推移が気になるところです。  インドネシアでは、これまでにも何度も大きな火山噴火が起きています。人類が経験した中で最も巨大な火山爆発も、インドネシアで起きました。それがトバ火山の噴火です。今から7万3000年ほ

たばこ臭い!

 最近は、公共施設での喫煙が全面的に禁止されています。私は非喫煙者なので、喫煙者には申し訳ありませんが、とても有難いです。大学も、少し前まで屋外の限られたスペースや喫煙室のみの喫煙が認められていましたが、いまではキャンパス内は全面禁煙です。  しかし、このルールを守らない不届きものが多いようです。とくに工学部のエリアは他のエリアに比べて、隠れて吸っている人が多いという統計が出ていました。統計というのは、吸い殻の数で、工学エリアが断トツでした。タバコのポイ捨ての場所としては、