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火山噴火や地震が気になります

 日本ではトカラ列島付近で地震が続いていますし、インドネシアのジャワ島では火山が噴火しました。最近、地球の地下活動から目が離せません。

 インドネシアのジャワ島東部で12月4日、標高約3600mのスメル山が噴火しました。数十人規模の死亡者が出ており、今後の噴火活動の推移が気になるところです。

 インドネシアでは、これまでにも何度も大きな火山噴火が起きています。人類が経験した中で最も巨大な火山爆発も、インドネシアで起きました。それがトバ火山の噴火です。今から7万3000年ほど前、超巨大火山のトバ火山が噴火し、インドからインドネシアにかけての上空に、2800立方km以上もの火山灰が噴出しました。トバ火山は現在、インドネシアのスマトラ島北西部バリサン山脈にあるインドネシア最大のカルデラ湖・トバ湖として残っています。

 このトバ火山の噴火で、人類は絶滅寸前まで追い詰められました。はっきりした数字はわかりませんが、人類は数千人規模まで減少したようです。現在の人類のゲノムに類似性が高いのは、この時に影響だとも言われています。このような巨大噴火が起こることは稀ですが、ひとたび起きると、世界規模の気候変動(寒冷化)が起こり、地球全体が長期的な影響を受けます。二酸化炭素による温暖化どころの影響では済みません。

 不安を煽るわけではありませんが、今から200年ほど前の1815年にも、インドネシアの火山・タンボラ山が大噴火を起こしています。インドネシアは日本と同じく、山や山脈が生まれる造山運動が盛んな環太平洋造山帯に位置し、129座の火山が認定されている火山大国です。タンボラ山のあるスンバワ島は、リゾート地として知られるバリ島の近くにあります。

 このタンボラ山で起こった大噴火は、文字として記録が残る歴史上で最大規模のものでした。記録によれば、1715km先まで爆発音が聞こえ、半径1000kmの範囲に火山灰が降り注ぎ、タンボラ山の半径500kmの地点では、3日間もの間、暗闇が続いたといわれています。

 このような大噴火も、地球の長い歴史から見れば、わずかな瞬間のわずかな変化なのかもしれません。地球科学の一部を齧った研究者の端くれとしては、今後の地球に注目です。

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