【縮約】「デザイン思考」のIDEO日本撤退に見る マーケ支援事業の難しさ
今回はこちらの記事を縮約してみました。
関連する過去の記事(縮約)はこちらです。
「デザイン思考」は属人的な企画プロセスの再現性を高めたが、先駆者IDEOの日本撤退はマーケ支援事業化の難しさ。
日本のマーケ支援市場は電通が圧倒的、博報堂が続く。マーケ支援会社が仕事を受けるには強い独自価値がないと難しい。「価格競争」や「ご用聞き」以外で差別化するアプローチは3つ。
(1)「唯一無二なタレントが担う信頼性」
属人的になりやすいのが欠点。事業規模がスケールしない。
(2)「考え方~アプローチの独自性」
再現性が担保されスケールしやすくなる。デザイン思考も。
(3)「データ分析や施策運用などの独自ツール」
SaaSなどのツール開発会社。属人性が低く規模拡大しやすい。
独自性は、共感と納得のハードルが高いのが難点。共感が広がると成果は加速度的に向上。レバレッジが効くため独自の概念を提唱したいが難易度が高い。見事にやったのがIDEOのデザイン思考。
ではなぜIDEOは日本撤退を余儀なくされたのか。
日本の大手企業の経営者から「デザイン思考を強化したい」と聞いたことがない。実験的に行われても、経営側が高い関与で予算を投入することは少ない。その要因を推察すると
・日本企業の経営陣は「デザイン」への感度が低い
・現場が取り入れる印象を与え、自分ごと化しにくかった
・ビジネス成果への貢献度を可視化、計測しにくかった
結果的に予算の大型化や継続しにくいテーマに見えた。
スタートアップの経営陣はデザイン思考をアジャイルな事業運営に組み込んでいる。
統合すると、デザイン思考に需要はあるものの大企業は実験止まり。関心の高いスタートアップは自前で行っているため、外注されにくい市場だった。
「デザイン思考」は重要ながら顧客開拓が難しいソリューションだ。
(750文字)
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