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「スキル」は「テクニック」ではない

はじめに

「スキル」という本を読みました。(TOPの写真がその表紙です)

この本では、さまざまな「スキル=○○力」が紹介されていますが、それと合わせて、序文にて

スキルとはテクニックではなく「考え方」

と書かれています。(アマゾンでは、目次と序文が無料で読めるのでそちらをご参照ください)

改めて考えてみると「スキル」とは何でしょうか? たとえば、先に挙げたような「テクニック」のように、スキルに似た意味を持つ単語がいくつかあります。そこで今回はこれらの意味の違いについて考えていきます。


「技術」を表す英語表現

たとえば、このnoteでは「デジタルスキル」を取り上げてきました。あえて日本語訳すると「デジタルの技術」というような意味合いになるのでしょうが、この「技術」を表す英語単語はいくつか存在します。

以下のサイトを参考に解説していきます。

日本語の「技術」に関連する英単語であるtechnique, technology, skillおよび artには大まかに下記のような違いがあります。
(1) technique
何らかの仕事を行うために開発された個々の特殊な方法や手順のこと(複数形:techniques)。
(2) technology
実用目的に使用される科学や装置に関連する一般的あるいは総合的な知識や方法のこと。
基本的に単数形で使用されますが,個々の方法や手順の集まり(a collection of techniques)としては複数形で使用されます。
(3) skill
何らかの仕事を行うために訓練によって身に付けた人間の能力,技能のこと(複数形:skills)。
(4) art
芸術や自然科学に対する人文科学,または人文科学における個々の技能のこと
( 芸術:art,人文科学:arts,技能:a skill)。

https://worldts.com/english-writing/eigo-ronbun13/

ここにあるように、「スキル」「テクニック」のほかにも「アーツ(アートの複数形)」という語はよく聞きます。(リベラルアーツとか、マーシャルアーツとかの「アーツ」) これらの違いを詳細にみていきましょう。

スキル (skill)

1 扱いにくい問題領域に解決策を生み出す能力
(ability to produce solutions in some problem domain)
・the skill of a well-trained boxer よく訓練されたボクサーのわざ
2 訓練によって身につけた能力
(an ability that has been acquired by training)

https://ejje.weblio.jp/content/skill

この訳だけを見ても、いわゆる「技術」「わざ」という印象を受けるだけなので、他の語も見てみます。

テクニック (technique)

1 実践と精通に由来する実行の基本の熟練している性質
(skillfulness in the command of fundamentals deriving from practice and familiarity)
2 特定の仕事に応用する、実践的な方法または技巧
(a practical method or art applied to some particular task)

https://ejje.weblio.jp/content/technique

テクニックは、スキルと比較すると「何かを解決する際に必要となる、具体的な手法・方法・技巧」という印象を受けます。

アーツ (arts)

3 勉学や練習、観察によって身につけた高度な能力
(a superior skill that you can learn by study and practice and observation)
the art of conversation 会話術

https://ejje.weblio.jp/content/art

アーツは「高度な能力」ではあるものの、それが具体的に何かの解決に即効性があるかどうかはうたっていません。その意味でテクニックとは明確に異なる印象を受けます。また、

art は芸術や自然科学に対する人文科学,または個々の技能のことを表します。個々の技能としては特に特殊な知識を要し,1つの技術とみなされるものを意味する場合に使用されます。artは「技術」の他に,技能,方法,術などとも訳されます。

https://worldts.com/english-writing/eigo-ronbun13/

ともあるように、人文科学・芸術にてよく使われる性質がありそうです。

おわりに

今回は、「スキルとテクニックは違う」というところから、様々な英語表現について調べてみました。

具体的な手法を身に着けるためには訓練や高度な能力が必要となりますし、また英語表現を見ると、

technique や art の説明文の中に "skill" が用いられている

点からも、これらはある意味不可分かもしれません。

とはいえ、テクニックやアートが「個々の手順」や「技術」について書かれているのに対し、スキルは「扱いにくい問題領域に解決策を生み出す能力」とされていて、すなわち

誰かの課題を解決できる力こそが「スキル」

であると言えそうです。

要は、スキルかどうかというのは

課題が何で、その解決に何が必要なのか?

を問うことに繋がるのではないでしょうか。その課題解決に、たとえば特定のデジタル技術が必要であるなら、デジタルを扱う「テクニック」が必要になるのでしょう。

今後も課題解決に必要なスキルは常に磨き続けていきたいと考えています。

(おわり)

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