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回答の速さ・正しさ・深さ

株式会社パタンナー アドベントカレンダー 2021 7日目の記事です。

今回は採用活動するときにお世話になったエージェントさんのお話を振り返る。エンジニアと対話するときに考えるべき3つのことについて。

回答の速さ

質問したらすぐに回答してくれると、コミュニケーションが上手くいっているように感じる。テンポがいい会話はチームワークが良くなっている実感がある。

気をつけるべきは、回答の速さ=頭のよさと思わないことだ。実際、社会人になってみると、この誤解によってコミュニケーションに苦しんでいたり、評価されないでいる大人が結構いるようにおもう。

回答が速い人は、速さで会話の主導権を握れるから。

回答の正しさ

回答の速いだけのメンバーを集めても、良いチームにならないから人間はおもしろい。会話は盛り上がるけれども、方向性が定まっていないからだ。

必要なのは回答の正しさだ。正しい回答をするためには、自分の頭で相手が話したことをしっかり咀嚼しながら理解する必要がある。そのためには時間が必要だ。回答の速さとはトレードオフの関係にある。

回答が正しい人は、チームの方向性や課題の解決策に対する方針を決めてくれる一撃の一言を繰り出してくれる。回答が速いだけの人は、手戻りが発生するような発言をすることもある。特に、プロダクトオーナーが回答が速いだけだった場合、チームメンバーはプロダクトオーナーの朝令暮改に苦しむ。改めた内容が正しければ良いのだが…

回答の深さ

回答が正しいだけだとチームが固くなる。正しさだけで世の中は動いていないから。平和なチームには、正しさよりも思いやりや柔軟性が大切だ。

回答の深い人がいる。相手が発言した内容の正しさを評価しない。なぜ、そのような発言したのか?を考えて回答する。

回答が正しいだけの人は、「それは間違っています。」と答える。受け取った相手は「いつも厳しい、認めてくれない。」とショックをうける。回答が深い人は、自分の心とあたまで、相手がどこまで知識があって、どういう事情があるから発言したのか?それに対して、自分はどのように回答したら相手がポジティブに受け取ってくれるのか?伝わるのか?を考える。

おわりに

職種を越えて1つのチームになって、大きなことに挑戦するときに、これらの3つの要素のバランスを考えて会話することが大切だ。

特に納期が迫っている状況だと、回答が速いだけの人が評価されやすい。最も主導権を握りやすい要素だから。そういうときは、焦って回答しないようにする。相手の回答スピードに合わせて焦って回答すると正しさを失う。

きちんと自分の頭で考える。その発言に正しさがあるか?実は思いつきで発言している内容ではないか?を考えながら発言を咀嚼すると、会話に主導権を持てる。

でも、正しさをメンバーに追求しないことだ。自分の正しさを追求することは自己承認が目的になった瞬間にチームが壊れる。メンバーが傷ついたらなその正しさは悪になる。正しい方向性は成果を産むけれど、正しい回答は良いチームワークを産まない。正しさってジャックナイフみたいな側面があるから。

最近もっとも大切にしているのは、自分の発言の深さだ。相手の持っている知識、相手が感じている気持ちを想像する。知識のない人に専門用語で話さない。知識のある人には専門用語で簡潔に話す。正しさを追及するとプレッシャーを感じそうなメンタル状態のメンバーに正しいだけの回答はしない。

深さは、自分が発言する内容を真反対のほうから考えてみたりすると再現しやすかった。会話って思いやりの積み重ねだ。そう考えられるようになって、政治を理解できるようになってきた。政治は正しさとこれまでの背景を両立した大多数の幸福を実現することなのかもしれない。これをできるだけ速く導き出す。

自分が質問したことにすぐ回答してくれない人がいても起業家は焦ってはいけない。起業家であるわたしのことを思いやって、正しく回答しようと考えてくれたり、思いやった深い回答を考えてくれているかも知れないから。

#アドベントカレンダー2021


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