読書記録*マジカルグランマ(柚木麻子さん)
今年1冊目は柚木麻子さんの「マジカルグランマ」
柚木麻子さんの本を読むのは、「ランチのアッコちゃん」、「本屋さんのダイアナ」に続き3冊目です。
どちらも勧めてもらった本で、中でも「本屋さんのダイアナ」は大好きな小説で再読しています。
今回読んだ「マジカルグランマ」はよく行く図書館で見つけ、メルヘンな表紙に惹かれて手に取りました。
とってもメルヘンな物語なような気がして…読み始めたわけですが、それは間違いでした。
恥ずかしながら私は『マジカル』の意味をよく知りませんでした。
私の引き出しにはマジカルバナナの『マジカル』でしかなく、ラスカルみたいな可愛い響き♪
程度に思っていたのですが、『マジカル』というワード…この物語において、とても重要で(題名になってるくらいなので当たり前)深い意味がありました。
私の中では『なるほど!』の嵐でした。そして、幾度となくハッとさせられました。
マジカルは英語でmagical、majic(マジック)の形容詞で日本語での意味は、魔術的・不思議な・魅惑的というものです。
この物語のなかに「マジカルグランマ」意外にも「マジカル〇〇」という言葉が複数出てきて、それは理想であったり、好都合なもの、いわゆるステレオタイプな人として表現されています。
「こうあるべきだ」という思いと、そうなれない自分はおかしいのではないかという葛藤だったり…
他社から褒められたい、評価されたいという承認欲求。それは満たされることはあるのだろうかと考えさせられたり…
自分にとっての幸せとは何か、自分にできることは何かについて考えるきっかけを与えてくれます。
数年前に読んだ「嫌われる勇気」「自分の小さな箱から脱出する方法」を再読したくなりました。今読んだら、当時とは違う捉え方ができるような気もします。
また、「マジカルグランマ」がメルヘンではないという理由として(以下、ややネタバレが含まれますのでご注意ください)
孤独死、高齢者の貧困、LGBT、ワンオペ、うつ、認知症など日本の社会情勢や課題についての内容が含まれており、ただの物語ではないと感じる部分にあります。
波乱万丈だったり、ハラハラさせられる内容でありながらも最後はやっぱり、ほっこりさせてくれるのが柚木麻子さんの小説だなぁと感じました。
あと、ディズニーランドに行きたくなります。こんな気持ちになるのは初めてかも知れない…三半規管が弱いのでテーマパークは苦手ですが、今なら違った楽しみ方ができる気がします(笑)
あと主人公の発想力、行動力、向上心に圧倒されつつも、おもしろいくらいにパワフルで元気をもらえます。
読んで良かったです。今年1冊目がこの本で良かったです。
嫌われることや失敗することを恐れずに、やりたいことをやってみよう、伝えたいことを言葉にしてみようという勇気をもらえた一冊でした。
うまくいかなくてもそこから学ぶことは、きっと大きい。
人は真実か嘘かをことさら知ろうとするけど
それは長い時の中 何度も入れ替わる
(瞬く星の下で ♪ポルノグラフィティ)
この大好きなフレーズが脳内再生されました。ポルノさんのこともいずれ書きたいと思います。内容はともあれ、どんな話題よりも書ける気がします(笑)
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