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昨日の友は今日も友

ーINDEXー
🔹はじめに
🔹クラブを飛び越えた絆
🔹清々しい光景
🔹昨日の友は今日も友

🔹はじめに

 私の noteをご覧になっている皆さん、こんにちは、お元気ですか。前作がかなりシビアな内容でボリームもありましたので、今回からしばらくの間、ショートコラムを出して行きたいと思います。元ネタは、今年一月より富山新聞さんで掲載させていただいている「万里一空」という私のコラムになります。当該コラムは字数が800字前後と少々短めなため、ここでは少し加筆をしながらもう少し深掘りしたものにしていきます。

富山新聞さんで掲載している定期コラム

 その前に、本題にも関係してきますので、私が代表を務めているカターレ富山のトップチーム戦績についてご紹介しておきます。リーグ戦は38試合中10試合を終えて首位と同勝点の2位につけています。この時期は順位というよりトップグループにいることが大事ですので、まずまずの序盤戦と言えるでしょう。

🔹クラブを飛び越えた絆

 さて本日は、私たちのいるサッカー界で、試合の勝敗とは別に、私を含めたプロ契約の選手やスタッフたちのクラブを飛び超えた清(すが)々(すが)しい絆について触れたいと思います。 どのクラブチームもオフには移籍や放出、加入がありますので、同じメンバーで戦えるのは例外なくたった一年だけです。引退や戦力外といったつらい別れもあれば、仲間のステップアップ移籍を笑顔で送り出すこともあります。仲間との別れと出会いの数は終身雇用を前提とした一般社会人組織の比ではありません。選手やスタッフは、そのことをよくよく理解した上で、シーズンを通じて固い絆を築いていきます。それは互いを想い合う気持ちの強さにつながっていきます。

🔹清々しい光景

 かく言う私もこの業界に来て20年の間に200人以上の戦士たちとの別れを経験しながら今日に至っています。一年だけでも厳しい競争と戦いを共にした仲間は、どこに行っても仲間に変わりはありません。そうした人の流れが頻繁にあるこの業界では、対戦相手を「敵」と呼ぶことはありません。心の深いところでつながっているからです。

松本山雅FC滝裕太選手(右)と旧交を温める。清水エスパルス時代の戦友同士(富山県総合運動陸上競技場での松本戦後にて)
 

 試合前、互いに再会を喜ぶ選手。選手入場前の待機列でかつて同僚だった相手チームの選手とかわす笑顔のハイタッチ。試合後に以前所属した対戦相手のゴール裏サポーターへ挨拶(あいさつ)に向かう選手、そしてそんな選手たちに送られる惜しみない拍手とエール…。こうした清々しい光景を目の当たりにするだけでも心が温かくなり、スタジアムに赴く価値は十分あるとしみじみ思います。

🔹昨日の友は今日も友

古巣・相模原との試合後、元同僚GK川島康暉選手と旧交を温めるカターレ富山柴崎貴広選手(右)(神奈川県の相模原ギオンスタジアム)

 私たちのいる世界に「昨日の敵は今日の友」はありません。一年勝負の厳しい戦いをし続けている者同士、いつまでたっても「昨日の友は今日も友」です。

 試合の前後で見ることのできるこうした光景も、試合同様に「お金を払うに値する」素晴らしいひとときになるでしょう。皆さん、ぜひスタジアムでご覧ください。

FC町田ゼルビア高橋大悟選手(左)、ヴィアベンテン滋賀村田和哉選手(中央)、引退した西部洋平氏(右)。私を含めかつて清水エスパルスで同じ釜の飯を食った戦友

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