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実力証明と自分の本分

1. なぜ就活を始めたのか

 現在、大学院2年生。3月まで、『絶対に就活をしない』と決めていた。
僕の身の回りにいた就活生や受験生が、自分の大切にしてきたことや実現したい未来に向かって主体的に選択できていたかと言われたら、そうではない人も多かったような気がしていて、優秀な人たちでも有名企業に入っても、『自分が何をしたいのかわからない』と言ってたりする。

 現在の社会で作られた人の能力を測る枠組み(偏差値とか)やこれまでの正解がある大きな流れのなかで、それに乗って『順調』に進んでいる人だけが充実した人生を歩んでいるのだろうか。
 むしろ、勉強や得意なことがなくても、自分のことを大切に思えていて、自分の実現したい未来を明確に持っている人って幸せなんじゃないだろうか。

 そんな思いもあって、将来に対する漠然とした不安を抱えていたり、個人としての実現したい未来を持ちたいと願っている人たちの力になりたいと思って、地元で『対話×内省』の場づくりをしようと思っていた。

 ただ、それで食べていけるとは思えなかったし、その選択をすることに対する大きすぎるリスクを感じていた。

 就活を始めたのは、4月に入ってから。なんだかんだ周りの影響もあったと思うが、自分のできることで社会に貢献したいと思い始めたことが大きい。

 『ノブレスオブリージュ』(才能があるのは社会があるから。才能がある人は社会に貢献しなければならない)という言葉をくれた友達もいたし、『なぜ大企業を受けないの?就活をしないの?』と言ってくれた方もいた。

 結論、その答えが
『企業に入ると、自分のやりたいことが埋もれてしまう。
自分らしさが失われてしまうのが怖い。』
 であったことに気づけたことが、就活に踏み込んだ要因だったと思う。


2. 理想と現実

 社会に対する課題感や志、ビジョンを持ち、それに向かって小さくても実現している人材は、絶対貴重だと思って、意気揚々と東京に乗り込んでいった。

 『御社が求める人材はどのような人材ですか?』
 『御社で活躍できる人材は?』

 外から求められる人に合わせにいく人たちを説明会で見てきて、正直、これは勝てると思った。

 エージェントから紹介していただいた企業の中から、挑戦できたら後悔しないと思った数社を選んで、選考に進み、どの企業も順調に進んでいた。

 しかし、役員面接や最終面談に近くなるにつれて、うまくいかないことが多くなってきて、

 『そんな言葉づかいや話の仕方じゃ、ビジネスでは通用しないよ。』
 『本当にここで働きたいの?』『何を求めているの?』

 と言われることが増えた。正直、落ち込んだし、自分は社会価値がないのかとまで思った。確かに、このままだとビジネスでは通用しないのだろうな。

 結局、自分には、才能や能力があると証明したくて就活をしているのかもしれないと思った。それを楽しんでいただけだったのかもと。
 『本当にここで働きたいのか』と言われても、欲しいのは『内定』という箔/評価 の要素も強かったので、そこまでの強い思いはなかったのだと思う。

 その中で、相手に合わせに行くことにとらわれて、自分の意志を見失っていたとも思う。

 いつもの3倍速の速さで話し、声のトーンは1オクターブ上げて、
言葉遣いはビジネスマンの基本に忠実になる。

 確かに、基本として非常に重要なことだし、相手への敬意を払うことにもつながると思える。が、自分のありのままを受け入れ、認めるということは出来なくなっていた。


3. 反省/改善 は必要なのか

 FB (Feed Back)をもらって、改善に向けて努力する。
『できないことをできるようにする』

 できないことは自分の良さでもあり、それがあるからこそ、
そこができる人が輝ける。
『できないことは仕方ないのだから、できることをする』

 当たり前にPDC(F)Aサイクルを回し、自分を高める(=成長)の文化と、
個人的なできる/できないの『内的多様性』を見て、有機的なつながりの中で全体として成果を出す文化、どっちも正しいと思うし、今、そのはざまにいる。

 どっちが正しいのかという議論は別の人に任せて、自分としてはどっちが自然で、合っているかという目線で考えると、後者のような気がする。

 成長の文化って、自分を条件つきでしか認められない気がする。
内的多様性の文化って、自分を無条件に受け入れられる気がする。
できない自分をいなくするのか、できない自分もいていいとするのか。

 ……。

 現在地は、そんなところ。
なるようにしかならないし、正直、自分でも一か月先のことはわからない。
 だからこそ、今を切りとっておこうと思う。

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