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高校生キレキレのダンス 石巻、石巻西の男女4人 全国コン決勝大会出場

 石巻高と石巻西高の男女4人で作るストリートダンスチーム「Nex―US(ネクサス)」が、東京都内であった全国規模のコンテスト「イン・ザ・モーメント」の決勝大会に出場した。優勝は逃したが、ヒップホップを中心とした切れの良いステップと緻密に練られた演技構成で観客を魅了した。

夢の「創部」へ第一歩

 メンバーは早坂比呂さん(石巻高2年)、西羽矢斗さん(同)、勝又心帆さん(石巻西3年)、阿部優さん(同2年)。いずれも小中学校時代に仙台市のダンススクールに通っていた経験者だが、チームを組んだのは今年になってから。「高校でもダンスがしたい」という早坂さんの熱い気持ちが口火となった。

 切れの良い技とステップが特長のストリートダンスは「10代が入りたい人気部活ランキング」で常に上位に入るが、石巻地方ではダンスを部活にしている学校は皆無。「顧問教員の配置」「成果披露の場が少ない」などが主な要因という。

 早坂さんは水泳部に所属したが、「ダンスがしたい」との思いは捨てられず、同じ気持ちを抱く西さんと共にコンテスト出場を志した。

石巻高の男子2人と石巻西高の女子2人で構成する「ネクサス」

 コンテストは課題曲(予選1分半、決勝3分内)に振付し、独創性や躍動感、技術力を競う。2人は演技構成の幅を広げるため、西さんの知人でダンス経験者の勝又さんと阿部さんを誘い、今年1月に学校の垣根を超えたダンスチーム「ネクサス」を結成した。

 「最終目標は石巻高にダンス部、もしくは愛好会を作ること。でも要望だけでは始まらない。行動と実績を作りたかった」と早坂さん。経歴も得意なダンスジャンルもそれぞれ違う4人は、動きをそろえやすく、ダイナミックに魅せられるヒップホップを中心に振付と演技構成を考案。全体練習ができたのは数えるほどだが、短期集中で一つの作品を作り上げた。

 予選は、動画投稿サイトのユーチューブを使った動画審査で、視聴回数の多さや視聴者の「イイね」数で競うもの。ネクサスは出場23チーム中最多の2千回超の再生回数を稼ぎ、決勝大会出場を果たした。観客を入れて行う決勝は3月25日に都内であり、全国から15チームが出場。優勝以外は横一線となり、ネクサスは頂点に届かなかったが、結成2カ月とは思えないチームワークで会場を盛り上げた。

 勝又さんは「阿部さん以外は、ほとんど初めましてのメンバーだったが楽しんでできた」、阿部さんは「決勝に押し上げてくれた視聴者の皆さんに感謝したい」と満足気。女子2人はそれぞれ西高の文化系の部活動に所属しているため、ダンスは「ネクサスでやれれば今は十分」と話す。

 一方、石巻高の男子2人は「ダンス部か、愛好会を作りたい」と気持ちは揺らがない。チームの橋渡し役を務めた西さんは「すごい踊り手が石巻にはたくさんいるが、高校生が活躍できるチームや場はほとんどない。部活はそんな人の受け皿となり得る」、早坂さんは「ネクサスは継続し、より地域に溶け込んでいきたい。それが学校の部活単位でできれば理想。学校に認めてもらえるまでひたむきに努力したい」と生徒が活躍できるフィールドの広がりに期待した。【山口紘史】


予選会に出展したストリートダンスチーム「Nex―US」の映像作品




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