医師の長純一氏が死去 震災後の地域医療に尽力 56歳 1週間前がん公表
元石巻市包括ケアセンター長で、被災地医療に尽くした医師の長純一(ちょうじゅんいち)氏が28日午後3時38分、すい臓がんのため石巻市内で亡くなった。56歳。葬儀は無宗教で、一般弔問は30日が午後6時―7時半、7月1日は午前10時―正午で、いずれも石巻大街道斎場清月記=同市大街道北=。喪主は妻の明子さん。【本庄雅之、山口紘史】
長氏は、今月21日に動画投稿サイト「ユーチューブ」を通じて生配信し、療養中の市内の自宅から末期がんを公表。「早ければ数週間」とも語った。長氏を支える「未来へ、いのちをつなぐ石巻の会」(山崎信哉会長)によると、27日に容態が悪化したという。
東京都出身の長氏は長野県の佐久総合病院でへき地医療などに携わり、震災後、同県医療団長として石巻市を訪れ、平成24年4月から市立病院開成仮診療所長を務めた。その後も在宅医療センター長や市包括ケアセンター長、雄勝診療所長として被災者に寄り添った。
昨年2月に市立病院を退職し、4月の石巻市長選、同10月の県知事選に立候補するも落選。今年1月から、あゆみ野クリニック=同市あゆみ野=の院長を務めていた。
長氏は亡くなる直前、フェイスブックに投稿。今月14日にこれまで事実婚だった明子さんと結婚したことを報告した。3歳の長女もいる。
山崎会長は「常に人々の暮らしの質の向上を考え、利益は考えずに行動した人。私の手を握り、『ありがとう』と伝えられた。それが長さんとの最期の会話。ありがとうは私の方なのに、長さんは最期まで周囲に感謝を語っていた」と話していた。
いいなと思ったら応援しよう!
最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。