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全国高校野球選手権宮城大会 石巻工業 永沼主将 「昨年の先輩と一緒に」

 「第103回全国高校野球選手権大会」(8月9日開幕・甲子園球場)の出場をかけた宮城大会が8日、開幕した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止し、2年ぶりの開催。本来7日に開会式を行う予定だったが、雨天順延した。楽天生命パーク宮城で開かれた開会式では、石巻勢の8校を含む71校66チームが堂々と入場行進。石巻工業の永沼賢人主将が選手宣誓し、高校球児の〝熱い夏〟が始まった。

2年ぶり〝熱い夏〟開幕

 大会はトーナメント方式で争われ、優勝校が甲子園に進める。石巻勢は石巻、石巻好文館、石巻西、石巻工業、石巻商業、宮城水産、石巻北、日本ウェルネス宮城の8校がそれぞれ単独チームで挑む。

 今年は感染対策を講じて1回戦から決勝まで有観客試合だが、出場全チームが集う開会式のみ、選手と事前申請した保護者のみ観覧可能とした。

note用入場行進 (2)

堂々と入場行進をする宮城水産の選手たち(楽天生命パーク宮城)

 式では各チームがプラカードと校旗を掲げて入場行進。ひまつ防止のため掛け声は上げず、足音だけが響く異例の光景だったが、それでも選手たちは背筋を伸ばし、堂々とグラウンドを回った。

 選手宣誓は石巻工の永沼主将が担った。東日本大震災から10年を迎えた中での大会であり、宣誓文は部員、監督と考えたという。大役を務めた永沼主将は「昨年甲子園を目指すことができなかった先輩方への思いと、野球ができることへの感謝を込めた。コロナや震災など多くの苦難はあるが、元気なプレーで地域に元気を届けたい」と話していた。

note用入場行進 (3)

石巻西高校

 式では高校野球の発展に長年貢献した阿部輝昭さん(61)に育成功労賞が贈られた。阿部さんは、石巻工や石巻、宮城水産などで監督を務め、球児の育成に尽力した。

 トーナメントは1-2回戦34試合が8-11日に行われる。開会式後に楽天生命パーク宮城から仙台市民球場に会場を移した開幕戦では、石巻好文館と仙台向山が対戦した。試合結果は9日紙面に掲載する。【山口紘史】

 その他の石巻勢の試合日程は次の通り。雨天順延。
▽9日=宮水-富谷(午前8時半、鹿島台中央野球場)
▽10日=石巻北-古川学園(同8時半、石巻市民球場)、石巻工-仙台(同10時半、鹿島台中央野球場)
▽11日=ウェルネス-東北学院榴ヶ岡(午前8時半、石巻市民球場)、石巻商-大河原商・柴田農林連合(正午、仙台市民球場)、石巻-宮城広瀬(午後2時半、石巻市民球場)石巻西-仙台南(同2時半、平成の森しおかぜ球場)


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選手宣誓(全文掲載)

選手宣誓 (2)

選手宣誓の大役は石巻工業の永沼主将が務めた

宣誓 東日本大震災から10年、あの日、私たちは多くのものを失いました。未だに心の整理がつかず、苦しい思いをされている方が、たくさんいます。

そして、この1年、日本や世界中に多くの困難があり、我々高校球児も野球ができない期間がありました。奪われた時間は元に戻すことはできません。人は誰でも、答えのない悲しみを受け入れることは、苦しくて辛いことです。

しかし、この二つの出来事は、私たちにたくさんのことを教えてくれました。当たり前だと思っていた日常は、誰かの努力や協力で成り立っているということです。

昨年は甲子園を目指せる大会ではありませんでしたが、今年は、全ての学校に夢の舞台「甲子園」に立つチャンスがあります。昨年の先輩方の思いと一緒に、そして、苦しかったこの1年を共に過ごした仲間と一緒に、憧れの甲子園を目指します。

私たちは、野球が大好きです。今、甲子園を目指して野球ができることに感謝し、最後まで諦めずにプレーすることを誓います。

令和3年7月8日
選手代表 宮城県石巻工業高等学校
野球部主将 永沼賢人


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