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郷土食材と料理にスポット 石巻専修大 「たべるつくる石巻 秋冬版」 魚介、葉菜など30レシピ

 石巻専修大学が一般社団法人日本家政学会と連携して進めるプロジェクト(PJ)の一環で、郷土料理や豊富な地元食材の調理方法などを紹介する「たべるつくる石巻 秋冬版」が発刊された。平成30年に作られた春夏版に続く第2弾。イラストや写真を使った見やすいレシピと、ナマコやホッキ貝の下処理法、チヂミホウレンソウの甘さを検証した実験結果など「知っていそうで実はあまり知られていない」内容を詰め込んだ。市内一部書店などで税別1千円で販売している。【山口紘史】

 石巻専修大学復興共生PJと日本家政学会東日本大震災生活研究PJは、震災後から共同で復興していく地域の生活課題の調査研究を展開。この過程で郷土料理の調理機会や伝承の場が減っていることが分かった。

 そこで両PJは、石巻の食材の豊富さを紹介するとともに、身近な郷土料理を伝える本を手掛け、「たべるつくる石巻 春夏版」を発刊。旬の食材を用いた40以上のレシピを紹介し、好評を得た。

「たべるつくる石巻秋冬版」発刊 坂田教授や割烹滝川が共同制作

春夏版の続編となる秋冬版に携わった坂田教授

 秋冬版は石巻の海産物を使った料理レシピを約30例載せ、秋の味覚の代表格サンマは佃煮やつみれ汁、刺身で紹介。イカやナマコはさばき方や下処理方法も図解で示した。カツオ、タラなどの郷土料理にも触れ、正月に欠かせない雑煮の作り方も載せた。チヂミホウレンソウと普通のホウレンソウの糖度の違いを比べた実験結果、石巻近隣5港での主要魚種水揚量比較などデータも盛り込んだ。

 制作には石巻専修大の坂田隆教授らが携わり、レシピは石巻市中央の料理店「滝川」の阿部司料理長が調理した上で載せ、美術家の増田拓史さんが編集した。坂田教授は「石巻の豊かな食文化を知ることができる一冊。若い世代にもぜひ手に取ってほしい。他地域に住む人たちに贈る土産物としても喜ばれると思う」と話した。

 A5判92ページ。石巻地方では、ヤマト屋書店TSUTAYA中里店、同あけぼの店、未来屋書店石巻(イオンモール石巻店内)、滝川で販売している。問合せは石巻専修大の坂田教授(0225-22-7713 内線3112)まで。


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