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3月11日の記憶 後世に 大川竹あかり 「献灯式」へ1月末から準備

 震災遺構の大川小で今年3月、竹灯籠をともす追悼行事「大川竹あかり」を開いた児童遺族でつくる実行委員会(佐藤和隆、佐藤敏郎共同代表)は、一般社団法人大川竹あかりを設立した。震災伝承活動として地域住民や支援者を交え、追悼行事を継続していく。来年1月に竹を切り出し、市民参加の竹あかり製作のワークショップを経て発災日の3月11日に「献灯式」を開く。

 震災の発生から11年を迎えた今年3月、津波で児童、教職員計84人が犠牲となった旧大川小で追悼行事「大川竹あかり」があり、命の尊さを伝えた。同時に命を守る防災、減災の思いも込められ、制作には全国から延べ500人が参加した。

来年も竹あかりワークショップを開き、多くの参加を呼び掛ける(写真は今年の様子)

 企画した実行委は任意団体だったが、10月13日の国際防災の日に合わせ、法人化。大川竹あかりは「子どもの命を真ん中においた判断と行動」を伝えていくことを目的とし、今後は継続的な活動を展開していく。

 佐藤和隆代表は「法人化することで意図が明確になり、活動しやすい。震災の記憶の風化を止めることは難しいが、竹あかりが未来への啓発につながってくれれば」と思いを込めた。地域住民の中にも竹あかりの開催がきっかけになり、震災後に初めて大川小を訪れる人も少なくない。市外から訪れる支援者も多く、さまざまな交流を生んでいる。

「次の世代に震災の記憶を引き継ぎたい」と思いを込める佐藤和隆代表

 来年1月29日には地域で竹の切り出しを行い、以後、毎週日曜日に㈱良葉東部=同市針岡=でワークショップ(午前10時-午後3時、参加無料)を開く。

 佐藤代表は「ここから毎年回数を重ねていき、誰もが気軽に集える場にしたい。震災の教訓を伝える竹あかりを次の世代に引き継いで長く続く行事になれば」と話していた。

 ワークショップなどの問合せは佐藤和隆代表(090-8920-6779)まで。
【渡邊裕紀】





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