見出し画像

石巻 ・ソーシオ農園が開発 北限のオリーブほうじ茶 美容、健康で特産化へ

 石巻市井内の農業法人(株)ソーシオ農園(阿部栄三郎社長)は、女川町御前浜で自社栽培している「北限のオリーブ」を使った「オリーブほうじ茶」を開発した。手摘みした葉を特殊加工した後、甘茶をブレンドして乾燥、焙煎させて粉茶にした。美容、健康効果の高いポリフェノールをたっぷり含んでいるのが特長だ。同社や道の駅上品の郷で販売しており、石巻市、女川町のふるさと納税の返礼品としても準備を進めている。

 ソーシオは、震災で被災した女川町内の民有地を賃借してオリーブを栽培しており、5千平方メートルで約800本を育てる。まだ2年目だが、昨年は50キロの葉を収穫。最初に手掛けたオリーブ茶の経験を踏まえ、飲みやすさを追求した「ほうじ茶」の開発に乗り出した。

 オリーブの葉は小さいながらも硬く、阿部社長は加工技術を含めて石巻産業創造(株)=石巻市開成=に相談。岩手県盛岡市に本店を持つ東北銀行石巻支店の協力も得て、大船渡市の製造販売業(株)バンザイ・ファクトリーが紹介された。

「体に優しい茶です」と語る阿部社長

 同ファクトリーは同じく硬いツバキの葉を使った茶を製造しており、オリーブの葉も加工、焙煎する技術を展開。ここから先はソーシオが自社内で粉茶にし、ティーバッグに詰める作業を施して製品化した。

 焙煎で熱を加えたオリーブの葉は抗酸化成分のポリフェノール含有量が増え、分析依頼した日本食品分析センター=東京都=の検査データからも明らかになった。ブレンドした甘茶は日本固有の植物であり、砂糖の200倍の甘さながらノンカロリー、ノンカフェインで体に優しい。

 オリーブの葉の苦みと甘茶の甘さが程よく交わり、まろやかな味が誕生。また、オリーブの葉は料理の引き立て役にもなり、工夫次第で余すところなく使える。阿部社長(71)は「葉を使っていろいろな食材とコラボし、石巻の特産品にしたい」と展望した。

 オリーブほうじ茶はティーバッグ5個入りで1袋税込み750円。上品の郷や同社などで取り扱っており、インターネット販売も展開している。また、石巻市と女川町のふるさと納税返礼品として出品に向けた準備も進めているという。【外処健一】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。