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初の東北大会で金賞 石巻好文館吹奏楽部 少規模で挑んだ大舞台

 石巻好文館高校(加賀谷亮校長)の吹奏楽部が山形県であった第66回全日本吹奏楽コンクール東北大会(8月26日)に初出場し、金賞を受賞した。初心者、助っ人を含む49人で挑んだ大舞台。この大会を最後に引退した前部長の南舘美優さん(3年)は「本番を終え、舞台から降りて部員の顔を見たら涙が込み上げてきた。金賞は信じられない心境だったが、とてもうれしい」と喜びをかみしめた。

 東北6県で全24校が同大会に出場。課題曲と自由曲の2曲で上位入賞を争った。金賞は全24校中8校に授与され、その中の上位3校が全国大会へと進出。同校は惜しくも全国に届かなかったが、奏でる音の美しさで多くの審査員から高評価を得た。

気持ちを一つに演奏し金賞をつかんだ

 同部は数年前まで80人以上の大所帯だったが、コロナ禍で部員が激減。演奏する際の息の吐き出しなどで感染拡大が懸念されたことも部員減少の要因の一つという。

 今年は部員47人に経験者2人を加えて大会に挑んだ。約10年間同部を指導する橋戸孝司さん(68)は「大会の駒を進めるごとに生徒の顔つきが引き締まっていった。初心者の多い少人数のバンドでも気持ちを一つにすればここまでできると提示できた」と話していた。

基礎を重視した練習を重ね、審査員の多くから「きれいな音だ」と評価を受けた

 現在、市内で吹奏楽に専念したい中学生の多くは卒業後、私立高校や仙台圏の公立の強豪校に進学する傾向がある。橋戸コーチは「強豪校に進学しても必ずしも上の大会へ進出できるとは限らない。石巻にいてもチャンスがあることを知ってほしい」と強く望む。

 南舘さんは「大会終了後に先輩をはじめ多くの人から祝いの言葉を頂いた。後輩たちには好文館の伝統を引き継ぎつつ、吹奏楽で石巻を盛り上げてほしい」と期待。新しく部長に就任した千葉杏奈さん(2年)は「少人数でも良い音を出すバンドになりつつある。東北大会まで連れてきてくれた先輩方には一生の思い出を作らせてもらった。思いを引き継ぎ、来年は新入生を多く迎えたい」と思いを込めた。【泉野帆薫】





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