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秋オープンへ空き家改修 キネマティカに新施設 多目的な「ブンカボックス」整備

 映画上映や演劇舞台などさまざまな娯楽を提供する複合エンタメ施設「シアターキネマティカ」=石巻市中央=が、新たな施設「石巻ブンカボックス(仮)」を、この秋オープンさせる。創作活動や料理教室、作品発表の場など多目的に活用できる場であり、キネマティカ南側の旧飲食店を使い、着々と改修工事が進む。キネマティカと併せ、これまでよりも幅広い芸術文化の発信につなげていく考えだ。

 シアターキネマティカは石巻の文化復興を目的とし、同市中央にあった空き店舗を改修。石巻劇場芸術協会の阿部拓郎さん(35)と矢口龍太さん(40)が手掛け、インターネット上で資金を募るクラウンドファンディングなどを活用したほか、作業には多くの市民がボランティアとして参加した。

「ブンカボックス」の完成予想図

 昨年8月の完成後は演劇上演や発表会、名作映画の上映会などで使われ、芸術文化に触れつつ、交流を広げる拠点となっている。新施設の「ブンカボックス」は、築60年ほどの飲食店だった2階建ての建物を改修し、広さは約40平方メートル。多目的に使える空間に仕上げていく。

石巻劇場芸術協会と市民ボランティアで作業が進行中

 作業は今月半ばから始まり、デザイン会社のノマキデザイン=同市中央=が協力。老朽化したシャッターの撤去から始めたが、建物は震災の津波で浸水したため、腐食も進んでおり、修復箇所は多いという。

 キネマティカの改修と同じく、市民ボランティアと楽しみながら自分たちで作業を進めていく予定で、矢口さんは「秋のオープンを目指して作業を進めているが、人手不足は否めない。改修に参加してくれる人が増えれば、とてもありがたい」と話す。阿部さんも「幅広い人たちが活用し、地域の新しい文化芸術を育む場所になれば。キネマティカとともに、中心市街地に文化芸術の灯をともしつづけたい」と展望していた。

 改修費は約500万円で、同芸術協会は資金を集めるため協賛金も募っている。問合せは同芸術協会(0225-98-4765)。【渡邊裕紀】





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