見出し画像

イズイ、メンコイ、ンメーは王様 石巻弁の郷土史講演 法音寺住職 谷川さん

 東松島市郷土史友の会(佐々木忠男会長)が主催する本年度第2回郷土史講演会が27日、同市コミュニティセンターで開かれ、住民約20人が参加した。石巻市文化財保護委員で法音寺=石巻市渡波=の谷川正明住職が「石巻弁歴史と共に」と題して講演。「言葉には歴史があり、時代と共に変わり続けていく」と語り、方言に誇りを持つ大切さも伝えた。

 石巻弁研究の第一人者である谷川さんは平成20年11月から今年10月まで石巻日日新聞に「知っ得石巻弁」を連載。計300回を数え、文中で取り上げた言葉は計460語。紙面でも話題性の高い人気企画となり、現在、製本作業も進められている。

石巻弁の歴史をひもといた谷川さん

 石巻弁の歴史に触れた谷川さんは「古くは奈良・平安時代に語源を持つ言葉もあり、アキズ(秋つ虫=とんぼ)、タルヒ(垂る氷=つらら)などはそれぞれ万葉集や源氏物語にも見られ、古くから使われていることが分かる」と説明した。

 また同じ石巻の中でも地域によって特徴があることを指摘。「沿岸部は海や漁業に関する方言が多く、口調は早く荒い。対して農村部は植物や農業に関する言葉が多く、口調は遅くゆったり。都市部は丁寧な言葉や商業に関する言葉が多い」と解説した。

 今後も残したい石巻弁では「イズイ、メンコイ、ンメーは石巻弁の王様で、標準語では言い換え不可能。オショスイ(恥ずかしい)、マデ(丁寧)は日本人の美意識や恥じらいの精神が宿る言葉だ」と話した。【山口紘史】





最後まで記事をお読みいただき、ありがとうございました。皆様から頂くサポートは、さらなる有益なコンテンツの作成に役立たせていきます。引き続き、石巻日日新聞社のコンテンツをお楽しみください。