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根掘り葉掘り野菜で芸術 石巻市旭町 住民創意工夫の仕掛物

 石巻市の旭町通りで23日、コロナ禍を経て4年ぶりの「野菜仕掛物祭り」が開かれた。果菜、根菜から葉物まで野菜の色や形を生かしてさまざまな物や話題の出来事を模した作品が民家の庭先などに並べられ、訪れた人の目を楽しませた。

 町内会の旭町恒心会(日野雅晴会長)主催。町内の市道約200メートルを車両通行止めにし、班ごとに制作した5作品を展示。各班代表者や報道関係者が審査し、金、銀、銅の各賞を授与した。

川開きの花火を表現した金賞作品に見入る人たち

 金賞は石巻川開き祭りをテーマにした第5班の「次の100年へ」。今年の第100回を祝うケーキをタマネギで作り、カボチャやパプリカ、トウモロコシで水中スターマインや大輪の花火を表した。実際の打ち上げ会場で録音された音も流し、雰囲気を高めた。

 仙台から市内に引っ越して1年ほどの女性(32)は、偶然通り掛かって仕掛物を見物。「川開きの花火は見られなかったが、そのきれいさが作品から伝わった。野菜で作るコンセプトが面白い」と話していた。どれも芸術性が高く、将棋の藤井聡太さんの八冠を願う作品や居酒屋を再現した作品も注目を集めた。

 毎年の「延命地蔵尊祭典」に合わせ、大正時代に始まった恒例行事。元は農家が収穫に感謝する祭りで、親睦を深める機会として続いている。町内は現在、集合住宅を除き92世帯あり、少子高齢化などで震災前から3割減少。日野会長は「祭りを通して交流し、若い世代にバトンタッチしていけたら」と望んだ。【熊谷利勝】


金賞「次の100年へ…」(第5班)
100回を迎えた石巻川開き祭りの水中スターマインや大輪の花火を模した


銀賞「居酒屋」(第4班)
一杯ひっかけたくなる懐かしい雰囲気を表現


銀賞「飛躍の年に!」(第6班)
かわいらしい地蔵や卯年にちなんだウサギを並べた


銅賞「夢をGet!」(第2班)
将棋の藤井聡太さんの八冠達成を願った作品。縁起物の「左馬」も


銅賞「蓮」(第3班)
そのままに見えるが、カボチャの葉やタマネギで再現





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