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「川開き祭り」 ③対応 節目盛り上げ 来年は試行

 新型コロナの影響で2年続けて主要行事が見送られた石巻川開き祭り。この間も歴史は刻まれ、来年99回、その翌年は100回となる。先行き不透明な状況だが、祭実行委員会会長の青木八州石巻商工会議所会頭は、来年を節目前の〝プレ大会〟的な祭りに位置付け。どう盛り上げていくのか話を聞いた。

 「今年も祭典しかできないのは残念」と青木会頭。「祭りがあれば飲み食いし、特別な日だから少しいいものを食べるかという発想にもなるが、そうした経済効果も素通りした」と悔やむ。来年に向けては「状況を見て判断しないといけない」と慎重に構える。

 とはいえ、100回の節目はやってくる。「大正5年から先人が築き上げてきたので集大成にしたい。全国から行ってみたいと思われるような祭りにし、プレの来年はそれに向けてトライアル(試行)ができれば」と意欲を語る。

次代への軌跡3 青木八州会長 (7)

100回への思いを語る青木会頭

 一例に挙げたのは街なかに整備された旧北上川沿い堤防空間の活用。「企画調整会議など手順を踏む必要があるが、うまく使って今までと違ったやり方ができないかと思う」と構想を描いた。花火大会では近年、一部を有料観覧席にした。

 ただ、その花火大会の会場をどうするかは引き続きの課題だ。現在の中瀬は周辺への影響が心配され、大きな花火は打ち上げられない。震災前と同じ上流側なら警備もしやすく大規模な花火ができるが、街なかへの経済効果は薄まる。

 「安全を最優先にすれば場所は限られてくる。経済効果の課題が解決できれば、どちらでもかまわない」と青木会頭。「とにかく数を上げるなど何か日本一になるもので人を呼べたら」と話した。

 令和元年の川開きの事業予算は4500万円ほどで、花火関係が1600万円。収入のうち市の負担金が700万円で、残りは企業協賛金が主だ。震災直後は義援金があったが、規模が戻るにつれて経費が増し、特に警備の費用が大きくなっているという。

 企業協賛金を伸ばしていくのは無理があり、市に震災前と同額の負担を求める以外にも、趣向を凝らした有料観覧席の企画やネット販売の検討、市民募金・個人協賛の強化、経費削減などで財源を確保していくつもりだ。費用対効果を見極め、行事を見直す必要もあるのかもしれない。【熊谷利勝】


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