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安心地域へ求む協力者 脳性まひのエンジニア 多目的トイレのマップサイト制作

 一般社団法人イトナブ石巻のITエンジニアとして福祉に関わるコンテンツを手掛ける菅原洋介さん(40)は、同市内の多目的トイレ情報をまとめたマップのウェブサイト制作を進めている。菅原さんは出生時に脳性まひとなり、手足と言語に障害が残る。マップ制作に向け、市内多目的トイレの写真撮影などで協力してくれる人を募りながら、誰もが安心して暮らせるまちの実現を目指している。【近江  瞬】

 菅原さんは大崎市出身で七ヶ浜町在住。言語と硬直型の身体の障害があり、これまで就労支援施設も利用してきたが、自分の手でアプリケーションを作りたいという思いを抱き、平成30年から同法人で働く。1本のペンでキーボードを打つことから〝ペン〟の愛称で親しまれている。

 市内の多目的トイレ情報は、30年に石巻市社会福祉協議会が東北工業大学古山研究室の協力を受けて「石巻バリアフリートイレマップ」を作成。これを見た菅原さんは、より使いやすさを追求してウェブサイト版の制作を思いついた。

イトナブ菅原さんが石巻バリアフリートイレマップサイト作りに奔走 (30)

冊子のウェブ版制作に取り組む菅原さん

 冊子では場所は分かるが、ページ数に限りがあり、発行後は新しい情報を更新することができない上、冊子自体を所持していなければ情報が得られない課題もある。菅原さんはサイト化により、スマートフォンなどで外出先でも容易に確認できるようにしていく考えだ。

 また、車いすの多くは受注生産で、それぞれに車幅が異なるため、トイレや周辺設備の狭さによっては利用できないものもあるという。そうした課題も写真を載せることで解消の糸口としていく。

 ただし菅原さんだけでは行動範囲が限られるため、サイト制作を手伝う協力者を募っている。特に多目的トイレの写真撮影と、その他、サイトのデザインの協力を求めている。

 多目的トイレの情報に対し、菅原さんは「障害者だけでなく、小さい子どもがいる親子やオストメイトの方など多くの人に関わる問題」と強調。「どんな人でも安心して暮らせる石巻になれば障害がある人も外に出てみようと思え、それが自信にもつながる」と話す。

 サイトの公開時期は東京パラリンピックが予定されている来夏が目安。市内全域ではなく、中心部など一部から進めていくことも想定し、「時間をかけながら情報を更新できるのもウェブサイトの良さ。この取り組みが石巻から全国に広がれば」と願っている。

 写真撮影の協力などは同法人(0225-90-4282)、または菅原さんのメールアドレス(yows1031@gmail.com)まで。


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