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お待たせ!秋の味覚到着 サンマ53トン女川に水揚げ 店頭販売や産地直送へ

 今年初のサンマの水揚げが27日、女川魚市場で行われた。昨年とほぼ同時期であり、海況変化でサンマ船入港は以前より1カ月近く遅くなっている。石巻市に船籍を置く「第3鹿島丸」(199トン)が北海道沖で漁獲した約53トンを水揚げ。待ちに待ったサンマに市場は活気付いた。

 漁船は午前6時に入港し、船倉に網を入れてサンマをすくい上げ、コンテナに移し替えて市場に並べた。鹿島丸は北海道の東沖約1,000キロの公海上で24―25日に漁獲。魚体は100グラム前後とやや小ぶりだが、脂の乗りは良いという。女川町は全国有数のサンマ水揚げ量を誇るだけに、初入荷を喜んだ。

脂の乗ったサンマが水揚げされた(午前6時ごろ女川魚市場)

 水産庁などが事前に発表した今年のサンマ長期海況予報では、昨年同様の低水準とされているが、同船の吉田龍太船長は「8月半ばから漁が始まり、当初はまとまった漁獲がなかったが、9月上旬に上向いてきた。魚体も比較的大きく、昨年とは違って目視で群れを確認できる」と肌感覚で期待を込めた。

 同市場の丹野秀之専務も「昨年よりも海況がよさそうで、このまま水揚げが続き、サンマの町女川に活気をもたらしたい」と話していた。初競りはご祝儀相場となり、1キロ当たり680―390円と比較的高値で取り引きされた。

 生鮮サンマを取り扱うワイケイ水産(株)=同町鷲神浜=は、直送サービスの受付を始めており、この日は25トンを競り落とした。シーズンが終了する11月末まで注文を受け付けるという。(株)三政商店=石巻市魚町=も、いしのまき元気いちばでの店頭販売や加工用原料で取り扱う。昼には店頭にサンマが並び、地域住民が地元に揚がった旬の味を買い求めた。

 同市場には、28日に71トン、29日には63トンと立て続けにサンマの水揚げが続く見込み。今季の水揚げ目標は1万トンとしている。【渡邊裕紀】





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