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環境学びふるさとに愛着 親子SDGsツアー 北上川とエネルギーの旅

水や電気 生活資源に焦点

 親子で楽しみながら持続可能な社会を考えるバスツアー「北上川とエネルギーの旅2023秋」が9月30日、石巻市かわまち交流センターを発着点に開かれた。石巻地方の親子約20人が参加。旧北上川の堤防一体空間を巡り、川の歴史やかわまちづくりの取り組みなどを学んだ。女川原子力PRセンターと発電所=女川町塚浜=も見学し、エネルギーの活用を親子で考える機会とした。【渡邊裕紀】

 ツアーは石巻日日新聞社と㈱ノースジャパンツアーズ=石巻市蛇田=が共同企画し、東北電力㈱宮城支店が協賛、国土交通省北上川下流河川事務所が後援。「北上川」「エネルギー」をテーマに、家族で持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みに思いを巡らせた。

 ツアーは講座から始まり、河川事務所の小嶋光博技術副所長が旧北上川を解説。「国内有数の河川で、川の長さ(249㌔)は東北で1番。河口にある石巻は、コメを江戸に運ぶ基地として繁栄の基礎を築いた」と歴史をひもといた。無堤地区の中心市街地は震災の津波で甚大な被害を受けており、現在は景観に配慮した堤防が整備された。


堤防一体空間を歩き歴史や安全性を学んだ

 河川と街を融合させた「かわまちづくり」を学んだ参加者は堤防沿いを散策。地域説明会や小学校でのワークショップなど市民の声を整備に反映させたことを知った。堤防に隣接する施設に直接入れる工夫、地元の井内石を使ったベンチ、大島神社の石積みにある変わった形の石など川を身近に感じ、交流を生み出すデザインにも理解を深めた。

 女川原子力PRセンターでは、暮らしを支えるエネルギーを考えた。手回し発電機を使い、実際に電気が家庭に届くまでの手順を体験したほか、来年5月ごろの再稼働を計画する女川原発2号機の安全対策工事を見学。海抜29㍍、延長800㍍に防潮堤、災害時に用いるガスタービン発電設備を車窓から見た。

手回し発電機を使って電気を起こした

 最後は㈱高政万石の里=女川町浦宿浜=を訪れ、ガラス越しに製造ラインを見学し、手焼きの笹かまぼこ作りも体験。ツアー中に学んだSDGsを復習しながら、焼き立てを頬張った。

 参加した土佐一楓さん(赤井南小5年)は「川村孫兵衛のおかげで、今の石巻があることを改めて感じた。フードロスをなくすために残さず食べる」と話し、鈴木心渚さん(中里小2年)は「北上川を散策するのは初めてで、堤防の役割を学べた。きれいな川を守るため、プラスチックはちゃんとリサイクルに回したい」と話していた。



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