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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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#漁業

お待たせ!秋の味覚到着 サンマ53トン女川に水揚げ 店頭販売や産地直送へ

 今年初のサンマの水揚げが27日、女川魚市場で行われた。昨年とほぼ同時期であり、海況変化でサンマ船入港は以前より1カ月近く遅くなっている。石巻市に船籍を置く「第3鹿島丸」(199トン)が北海道沖で漁獲した約53トンを水揚げ。待ちに待ったサンマに市場は活気付いた。  漁船は午前6時に入港し、船倉に網を入れてサンマをすくい上げ、コンテナに移し替えて市場に並べた。鹿島丸は北海道の東沖約1,000キロの公海上で24―25日に漁獲。魚体は100グラム前後とやや小ぶりだが、脂の乗りは良

「金華さば」シーズン到来 石巻魚市場 水揚げ好調 6日は1121トン

 石巻魚市場(佐々木茂樹社長)ではマサバが好調となり、6日も1121㌧が水揚げされた。同市場は2日に地域ブランド「金華さば」のシーズン到来を宣言。12月の宣言は過去最も遅いが、巻き網船での水揚げは順調に推移。まだまだ小型が中心で金華さばの基準を満たすのはわずかだが、脂の乗りは良くこれからの好漁に期待を込めていた。  金華さばは、金華山を中心とする近海(青森県沖―茨城県沖)で漁獲され、石巻港に水揚げされるサバに付加されるブランド名。500グラム以上の魚体で脂の乗りが15%以上

殻を外せばふっくらと 県漁協・生カキ出荷 石巻湾支所 初日1.2トン

 石巻地方はカキの水揚げシーズンに突入した。県漁協石巻湾支所の万石浦鮮かき工場=石巻市渡波=では11日からカキむき作業が始まり、漁業者らは慣れた手つきで殻を開け、ふっくらとした白い身を外し次々と出荷した。  宮城県は広島県に次ぐ国内有数のカキの産地で、震災前は約4千トンを出荷していた。震災後は平成26年に出荷を再開し、毎年1700トン前後を出荷している。県の出荷解禁の指針は9月29日だったが、海水温が高く「卵抜け」が進まず、時期を遅らせ11日としていた。  同工場では、9

輝く銀色サンマ初水揚げ 女川魚市場に33㌧ あすも2隻 好調期待

 女川魚市場で28日早朝、今年初めてとなるサンマの水揚げが行われた。昨年と同時期だが、例年と比べれば1カ月遅い入港。長崎県雲仙市所属の「第3太喜丸」(199トン)が約33トンを水揚げ。あすも気仙沼市と、北海道虻田郡所属の2隻が入港し、計約100トンの水揚げを予定している。  この日は午前5時半から始まり、漁船から網でサンマをすくい上げて市場のコンテナに移し替え、次々と場内に運んだ。太喜丸は北海道の東沖約1千キロの公海上で操業し、23―25日に漁獲した。魚体は100グラム前後

若手漁業者を熱烈応援 演歌歌手鳥羽一郎さん 師弟サミットに特別出演

 漁師としての経験を持ち、海に生きる男たちを題材に歌い続けている演歌歌手の鳥羽一郎さんが6日、石巻市かわまち交流センター=同市中央=で若手漁師と交流した。一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ)が主催する「担い手・親方漁師 師弟サミット」に合流し、水産業の担い手に熱いエールを送った。新曲「北海の花」のミュージックビデオでは、FJの若手漁師が特別出演している。サミット後はミニライブもあり、鳥羽さんが力強い歌声を市民に届けた。 ■新曲映像 石巻が舞台 FJはトリトンプロジ

11年ぶりイワガキ収穫 宮水3年 栽培漁業実習 初物「濃厚でおいしい」

 宮城水産高校(瀧田雅樹校長・生徒305人)の3年生3人が24日、石巻市前網浜の栽培漁業実習場で11年ぶりにイワガキを水揚げした。東日本大震災後、種ガキの入手が困難だったこともあり、何とか養殖にこぎつけた3年物を収穫。大きく育った身を口にし、「濃厚でおいしい」と満面の笑みを浮かべた。  収穫に参加したのは海洋総合科生物環境類型カキ班の阿部優斗さん、高橋銀さん、山下礼悠人さん。前網浜岸壁から2キロほど沖合の養殖場で、県漁協前網浜支部の漁師のサポートを受け、約300キロを水揚げ

海洋異変 資源転換期か 水産この1年 全国行事で魚食普及発信

 今年の水揚げは2年連続で春漁の主役であるコウナゴの漁獲が皆無となり、秋はサンマが振るわず過去最低を更新。コロナ禍で飲食店の消費減も響き、魚価も下がった。一方でイワシやサバは好調となったが、海水温の上昇で暖水性のタチウオなど「新顔」が目を引き、取れる魚は明らかに変化してきた。石巻市では全国豊かな海づくり大会、全国鯨フォーラムがそれぞれ開かれ、全国に魚食文化を発信するなど注目を集める1年となった。  コウナゴ漁は4月7日に解禁されたが、石巻魚市場への水揚げはなく、同26日には

サンマ漁 過去最低の可能性 海水温の上昇など影響 女川魚市場 昨年比の3割

近年低調が続くサンマ漁は、今年も水揚げが振るわず、過去最低になる可能性が出てきた。「サンマの町」として知られる女川魚市場でも9月27日の初水揚げから低調が続き、11月29日までの水揚げ量は約1170トンと、昨年比で約3割まで落ち込んだ。三陸沖で魚群がほとんど見えず、現在は遠方の公海上に漁場が形成されている。日本沿岸に近づく気配もなく、漁獲サイズも小ぶりとなっているため、今期の漁は年末を待たず終わる見通しだ。  女川魚市場は昨年5千トン以上のサンマ水揚げを記録した。しかし全国

石巻魚市場 「金華さば」シーズン到来 どんと1100トン水揚げ

 石巻魚市場(佐々木茂樹社長)で15日、地域独自のブランド「金華さば」のシーズン到来が宣言された。16日には、巻き網船16隻が計約1100トンのマサバを水揚げし、好調なスタートを切った。  金華さばは、金華山を中心とする漁場(青森県-茨城県沖)で漁獲され、石巻港に水揚げされるマサバに付加されるブランド名。魚体が大きく漁獲量が増え、一定の基準に達するとシーズン到来が宣言される。ブランド立ち上げから20年ほどが過ぎ、全国的にも認知されるようになった。  宣言初日の15日は4隻

身入りふっくら冬の味覚 生食用カキ出荷 むき身作業始まる

 石巻地方で11日、生食用カキの水揚げ、出荷作業が始まった。県漁協石巻湾支所の万石浦鮮かき工場=石巻市渡波=でもカキむき作業がスタートし、漁業者が殻から素早くむき身を取り出した。  宮城県は、広島県に次ぐ全国2位のカキの一大産地。東日本大震災前は約4000トンを出荷し、被災後の復旧を経た平成26年以降は約1700トンで推移している。今年は海水温の変化などで例年よりも生育が遅れ、石巻地方では出荷解禁の指針となる9月29日より2週間ほど遅らせ、身入りが良くなるのを待った。  

震災乗り越え漁業を未来へ 全国豊かな海づくり大会

 水産業の振興を理念とする「全国豊かな海づくり大会~食材王国みやぎ~」が3日、石巻市を主会場に開かれた。大会は昭和56年から各都道府県持ち回りで開かれており、宮城県が会場となるのは初めて。本来、昨秋に開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で一年延期になっていた。大会テーマは「よみがえる豊かな海を輝く未来へ」。式典行事では海づくりメッセージや大会決議があり、天皇皇后両陛下もオンラインで参加された。  マルホンまきあーとテラスで開かれた式典行事には、国、県、市と水産関係者ら

「地域の養殖業と陸上養殖」 ⑤提言 技術と経験の融合を

 潮流や水温の変化など海は、いまだに解明されていないことも多い。現在課題となっているのは地球温暖化に起因すると言われる水温の上昇だろう。これまで生産できた養殖物が近い将来、温度の上昇で適さない環境になることが懸念される。ノリは、仙台湾など北の方では影響は見られていないが、それより南方の養殖漁場である東京湾や有明海などでは、生産量の減少が見られている。その対策として、温度変化に強いノリ品種の開発が進んでいるという。  技術革新によって問題解決の手法が確立されていくことは多いが

「地域の養殖業と陸上養殖」 ④展望 地上を生かす取り組み

 石巻地方の水産業にとって大きなシェアを占める養殖業。海面養殖は常に海の変化にさらされ、年によって出来、不出来が大きく左右される。それは自然を相手にする以上は必然であり、避けることはできない。  その中で、陸上に水槽を作り水産物を育てる「陸上養殖」が昔からあり、技術を更新しながら研究が続く。全国的に見ると日本海側での事例が多く、安定した水産物の供給が可能になるという。  石巻市渡波の県水産技術総合センターでは、県内初となる「閉鎖循環式」の陸上養殖研究施設の整備を決め、令和

「地域の養殖業と陸上養殖」 ③対応 奮闘する漁業就業者

 若い世代が水産業に挑戦する取り組みにより、漁業協同組合では世代交代だけではなく、他地域から移住した若者が組合員になるケースも見られている。石巻市から委託を受けた一般社団法人フィッシャーマンジャパンが行う「水産業担い手センター事業」により、沿岸部に全国から若者が集まり、漁業者の門をたたく。その数は約40人。中には正組合員となり区画漁業権を取得する例もある。  石巻市雄勝町小島でも、大阪府出身の三浦大輝さん(27)が雄勝湾支所の正組合員となり、新たな一歩を踏み出した。三浦さん