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石巻日日新聞

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石巻市・東松島市・女川町の話題を掲載している夕刊紙「石巻日日新聞」のnote版マガジンです。とっておきの地域情報と過去記事などのアーカイブ。無料と有料記事があります。ぜひぜひフォ… もっと読む
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2021年2月の記事一覧

壁新聞が教えてくれた地域とのつながり

石巻日日新聞は大正元年(1912年)、石巻市中央2丁目付近の小さな建物で創刊した新聞社です。 当時は全国的な不況風が吹き荒れ、石巻もまた、苦しい経済事情の中で、一般庶民の暮らしは食うのがやっとという厳しい時代。石巻の衰退は日清日露戦争をはさみ、明治40年を頂点に前後30年間にも及び、大正に入っても庶民の生活苦は変らず石巻はどん底状態でした。 大正元年10月28日、仙北軽便鉄道が開通。石巻~小牛田間に初めて小型ながら列車が走りました。私たちの新聞社が創刊したのはそんな時代でし

日本1周挑戦 石巻を通過 牡鹿観光で一宿一飯の恩義 40カ国自給自足旅の夫妻

 自給自足で40カ国以上を旅する山田達さん(24)、山崎暁奈さん(32)夫妻が先日、自転車で日本を1周する旅で石巻市を訪れた。国道を南下していた2人は、偶然通りかかった不動産建設会社(株)牡鹿観光=石巻市門脇=に「寒さをしのぐ場所を貸してもらえないか」と懇願。阿部忠昭社長(76)は運営するビジネスホテルの一室を提供し、2人はこの恩に報いるためまき割りを行った。山田さんは「人とのふれあいが旅の醍醐味。この恩は忘れない」と感謝した。【山口紘史】  夫妻はいずれも首都圏出身。山田

学校に850人 避難所運営に奔走 東松島市赤井・渡辺勝さん(77)

 避難所となった赤井小学校で自治組織を立ち上げ、800人を超す避難者を支えた。「トラブルもなく避難所を閉鎖し、4月に学校が始業式を迎えられたときはほっとした」と振り返る。忘れもしない10年前の記憶を鮮明に語り始めた。  あの日、自宅のビニールハウスで農作業中に被災。立つこともできず、ゆがんだハウスの戸を力いっぱい引いて外に出た。当時は東松島市自主防災組織連絡協議会の会長を務めており、地域防災の向上に人一倍力を入れていた。  まずは行政区内の役員を集め、情報を収集した。2級

見つめる古里の今と未来 石巻市須江・阿部拓郎さん(33)

 石巻市月浦の阿部拓郎さん(33)は震災当時、東京都国分寺市で生活していた。古里の惨状がテレビなどで報じられるたびに何もできない無力さを感じた。津波で実家は流失したが、家族と連絡も取れて無事を確認。その年の秋に帰郷し、現在は地域のコミュニティーづくりに奔走する。  阿部さんは仙台の大学を卒業後、上京。「半島部はとにかく不便だった。近くにコンビニはないし、友人の家に行くにも親に送迎してもらわなければならなかった」と話す。こうした生活を続けてきた反動からか、利便性の高い都市部に

「共に戦い、共に未来へ」 勝沼氏が事務所開き 再生・共生・可能性が柱

 任期満了に伴う石巻市長選(4月18日告示・25日投開票)に立候補を予定する元衆議院議員、医師の勝沼栄明氏(46)は23日、同市大街道東に後援会事務所を構えた。勝沼氏は「石巻のために身をささげ、力を全てぶつけたい」と決意した。【外処健一】  勝沼氏は平成24年の衆院選比例北海道で初当選。26年には国替えで宮城5区から立候補し、小選挙区で敗れるも比例東北で復活。29年は及ばなかった。市長選では市議有志、市民団体から出馬要請があり、無所属での立候補を決めた。 事務所開きの神事

目からウロコの川柳集 お魚の魅力 リズムに乗せて 著者は水産技術センター所長

 「ムキムキの 海の男が カキを剥き」「ババガレイ 煮付けなめたら だめだっちゃ」。魚介類の特徴や魅力を17文字に詠み込んだ川柳集「宮城発!お魚川柳」がおもしろい。作者の木立時雨(こだちしぐれ)こと千田康司さん(59)=石巻市在住=は、県水産技術総合センター所長で日本さかな検定1級を有する、魚介類を知り尽くした人だ。今年の全国豊かな海づくり大会主会場となる石巻で、川柳を通して海の生き物たちに関心が高まることを期待している。【平井美智子】  「地元の魚をこよなく愛する水産人」

石巻圏摂食嚥下研究会「食べる輪」presents 食べる喜び いつまでも ④

いつまでも元気で食べ続けるために  皆さん、「誤嚥性肺炎」という言葉を聞いたことがありますか?誤嚥性肺炎とは、飲み込んだ食物が誤って気管内に入ることで引き起こされる肺炎です。  厚生労働省が発表した人口動態統計月報年計(令和元年)によると、日本人の死因の第5位は肺炎、第6位は誤嚥性肺炎であり、誤嚥性肺炎を年齢階級別に見ると8割は70歳以上の方が占めています。そのことから私たちに身近な病気であるともいえます。  誤嚥性肺炎の原因となるのが、「摂食嚥下障害」です。ここからは、

石巻圏摂食嚥下研究会「食べる輪」presents 食べる喜び いつまでも ⑤

食べる輪Q&A  このコーナーでは、読者の皆さんからお寄せいただいた質問について、「食べる輪」の会員さんに返答をいただきました。  今までは摂食嚥下障害や誤嚥性肺炎について症状や原因を踏まえて、ケアや対処・訓練方法などを紹介してきました。今回は薬の内服についてQ&Aを交えてご紹介いたします。 Q1.薬の上手な飲ませ方について教えてください A.経口投与の場合 錠剤の場合は、服薬ゼリーの中に埋めて飲んでいただくと良いでしょう。食後よりも食事中に内服すれば、咽頭や食道で止ま

絵本で描く親友の震災体験 友情の証を製本化 語り部グループ・高橋さんと武山さん

 「震災を知らない子どもたちに、見てもらえたら」。東日本大震災で両親と祖父を亡くし、自宅があった東松島市で語り部活動を行うアルバイト高橋さつきさん(20)の体験を、親友の大学生武山ひかるさん(20)が描いた絵本「ひとりじゃない」が完成間近だ。インターネット上で資金を募るクラウドファンディングで製作費を捻出し、3月上旬の完成後、東松島市の学校や図書館などに寄贈する予定だ。【本庄雅之】  絵本は高橋さんとともに大曲地区で被災し、ずっと寄り添ってきた武山さんが、得意の絵で表現した

門脇中学校 74年の歴史に幕 4月から石巻中に統合 校庭に記念碑 閉校式で感謝

 石巻市立門脇中学校の閉校式が20日、同校体育館であり、最後の門中生112人が校舎に別れを告げた。少子化に加え、東日本大震災の影響で平成27年に門脇小学校が閉校。生徒数の減少で部活動が困難になるなど、保護者からの要望もあって市教育委員会が学区を再編、隣接の石巻中学校への統合が決まった。昭和22年4月に創立した伝統校は、惜しまれながらも来月末に74年の歴史に幕を下ろす。【本庄雅之】  コロナ禍で出席者は市や学校関係者、全校生徒のほか、保護者は各家庭1人に限定。式辞で亀山紘市長

地元進学・就職UP 居住意向DOWN 石巻市・高校生意識調査 コロナ禍で先見通せず

 石巻市が市内の高校3年生に実施した本年度の意識調査で、地元を含めた県内での進学先、就職先を希望する生徒の割合が例年に比べて増えていることが分かった。新型コロナウイルスの感染リスクが高い首都圏を避けた可能性があるが、地元に住みたい人の割合は減っており、必ずしも地元志向が強まったとは言い切れない結果となった。【熊谷利勝】  平成27年度から定期的に行っている調査で、本年度の対象は市内にある石巻、石巻好文館、石巻工業、石巻商業、石巻北、宮城水産、市立桜坂の7高校の3年生1279

16年ぶり新人同士の争い 阿部氏、勝沼氏が表明 石巻市長選まで2カ月

 任期満了に伴う石巻市長選(4月25日投開票)は、18日で告示まで2カ月となった。これまで立候補を表明しているのは市議の阿部和芳氏(60)と元衆院議員で医師の勝沼栄明氏(46)。ほかに市包括ケアセンター所長・市立病院在宅医療センター長で医師の長純一氏(54)が出馬に意欲を見せ、県議会副議長の齋藤正美氏(66)は市民有志から要請を受けて立候補を検討中。現職の亀山紘氏(78)は3期目の任期満了で退任を決めており、合併時の平成17年以来、16年ぶりに新人同士の争いになりそうだ。【熊

啓発ステッカーでワースト返上 石巻署 4団体をモデル委嘱 信号ない横断歩道の一時停止

 横断歩道での歩行者優先意識を高めるため、石巻署は12日、管内で活動する交通安全関係4団体を「交通安全マナーアップモデル」に委嘱した。各団体代表に同署オリジナルの「止まるっちゃステッカー」を配布。車に貼り、歩行者保護の意識を植え付ける「走る広告塔」を担ってもらう。【横井康彦】  日本自動車連盟(JAF)が昨年行った「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査」で、宮城はワーストの5・7%。これを受け、県警は毎月10日を「十○(とまる)」運動の日とし

郷土食材と料理にスポット 石巻専修大 「たべるつくる石巻 秋冬版」 魚介、葉菜など30レシピ

 石巻専修大学が一般社団法人日本家政学会と連携して進めるプロジェクト(PJ)の一環で、郷土料理や豊富な地元食材の調理方法などを紹介する「たべるつくる石巻 秋冬版」が発刊された。平成30年に作られた春夏版に続く第2弾。イラストや写真を使った見やすいレシピと、ナマコやホッキ貝の下処理法、チヂミホウレンソウの甘さを検証した実験結果など「知っていそうで実はあまり知られていない」内容を詰め込んだ。市内一部書店などで税別1千円で販売している。【山口紘史】  石巻専修大学復興共生PJと日