ケモノの3Dモデリングをやる時に役に立ったこと
響音カゲです。
現在3Dプリントしたヘッドシェルを販売しています。
ここまで最速で上達するときに、劇的に効果が感じられたものについて紹介します。
個人的な評価にはなりますが、着ぐるみのヘッドモデリングや3Dのモデリング作業(リギング等は含めない)という観点での総合的な「おすすめ度」と、時間やお金といった費用対効果について評価した「コスパ」を掲載します。
片桐裕司彫刻セミナー
おすすめ度: ★★★★★(5)
コスパ: ★★★★★(5)
3日間で33,000円です。
基礎的なモデリング力の向上に。最初に彫刻セミナーに行くかどうかで相当頭部への立体の理解力に差が出るように感じます。
自分の持ち込んだ資料をもとに、3日間で人体や動物の頭部を必要な筋肉・骨格とともに実際に作って学びます。また、成長するための考え方やメンタルの構え方についても勉強できるので、長期的に上達する場合にとても役に立ちます。
おそらくこの中では一番効果がありました。
Sakaki Kaoru - 3Dプリント用デフォルメキャラの作り方 榊馨 - Episode 1 (In Japanese)
おすすめ度: ★★★★☆(4)
コスパ: ★★★☆☆(3)
3Dプリント用のデフォルメキャラの作り方です。Moveブラシの使い方などの部分が非常に参考になります。
Fox boy - Blender character sculpting timelapse
おすすめ度: ★★★☆☆(3)
コスパ: ★★★☆☆(3)
ケモノのモデリングです。Blenderによるスカルプティングの基礎を学ぶことができます。
スカルプターのための美術解剖学
おすすめ度: ★★★★☆(4)
コスパ: ★★★★★(5)
定番の本です。人体の立体構造の本の中では一番入手しやすいと思います。
基本的にケモノは人間の人体構造と非常に似通っているので、この本がとても参考になるかと思います。
基礎パーツをモデリングするときに、資料に迷ったらまず開いています。
獣人の描き方
おすすめ度: ★★★☆☆(3)
コスパ: ★★☆☆☆(2)
獣人の描き方について。下絵を描いたりするときに役立ちます。アタリ線が描かれた線画などはモデリングするときの立体構造の参考にもなります。
ただ、それほど幅広い絵柄が載っているわけではないので、VRChatや中国で流行っているようなタイプの顔のキャラクターはほぼいないです。
獣人・擬人化 人外デザインのコツ
おすすめ度: ★★★★☆(4)
コスパ: ★★☆☆☆(2)
人外デザインをするときに参考になる感情や動物らしさを人間とマージする方法を紹介しています。ケモノも結局は人間の特徴を持った動物ですから、デザインするときのアイディアとしては同じです。
キャラクターデザインをするときのアイディアの出し方などは非常に参考になるかと思います。
Little kitty guy 3D speed modelling
おすすめ度: ★★★★☆(4)
コスパ: ★★★★★(5)
Gus Guntherson さんのスピードモデリング動画。ケモノモデルをめっちゃ効率よく作ってて勉強になります。
ローポリモデリングですが、ハイポリにしていくときも考え方は一緒です。
あとちびキャラが多くてかわいい。
使用ソフトについて
事前に伝えておきますが、私はスカルプトとメッシュモデリング半々派なので両方紹介しておきます。
スカルプトモデリングをする場合は、絶対に筆圧の利くペンタブレットか液晶タブレットを用意しておくこと。マウスだと強弱が付けられないのでかなり作業効率が悪くなります。
ZBrush
おすすめ度: ★★★★★(5)
コスパ: ★★★★☆(4)
昔使ってました。今は学生版ライセンスが切れて使えません。
キャラクタースカルプトモデリングに関してはこのソフトの右に出るものはないと思います。
お金とPCがあるなら買って間違いないソフトです。
とにかくブラシとリメッシュが優秀で、そして山のような頂点を使っていても動作が軽い。
もし買うなら、ブラシの編集ができるCoreじゃない方のZBrushのほうがおすすめです。
とりあえず触ってみたいならZBrush Core Miniが無料で使えます。
Nomad Sculpt
おすすめ度: ★★★★★(5)
コスパ: ★★★★★(5)
iPadで使えるスカルプトソフトです。出先でもモデリングができるのが強い。Apple Pencil対応なので必ず買いましょう。
ソフトは1200円ちょっとで買えたと思います。
私のスカルプト主戦力のソフトです。売ってるのヘッドシェルは全部これでスカルプトをしています。
3DCoat
おすすめ度: ★★★★☆(4)
コスパ: ★★★☆☆(3)
→セール中: ★★★★★(5)
リトポロジーやスカルプトができる3Dソフトです。スカルプト機能はZBrushよりちょっと重め。スカルプトにもボクセルモードとサーフェスモードの2種類があって、うまく使い分ける必要があります。
3DCoatの本領はどちらかというとリトポロジーで、めちゃめちゃ強力な自動リトポや使いやすい手動リトポ機能が強力です。
スカルプトしたモデルはそのままだと頂点数が多すぎてリトポロジーをやる必要があるのですが、3DCoatは自動リトポがめちゃめちゃ強力なので便利です。
目などの穴を抜くときも、ボクセルモードにしてブーリアンで抜くとキレイに切り抜けます。スカルプトモデリングだとどうしてもブーリアンを多用する場面が出てくるので、メッシュモードしかないBlenderよりもブーリアンでモデルが破損するリスクが低く、本当に便利です。
Steamだとセールで買い切り版が1万円ぐらいで買えたのですが、今は公式サイトでしか売ってないようです。
Blender
おすすめ度: ★★★★★(5)
コスパ: ★★★★★(5)
なんでもできる定番3Dソフトです。メッシュモデリングとかリギングとかマテリアル設定とか変換作業とかその他もろもろ全部これでやってます。
できないことも、メッシュとモディファイアが増えると重いこと以外はアドオン入れればだいたいどうにかなります。
2.9ぐらいからかなりマトモになったスカルプトモードもありますが、やや重いので、他のソフトよりも頂点少なめで使うことをおすすめします。
このソフトはショートカット覚えゲーなので、最初の一週間はひたすらショートカット覚えることに集中してください。でないと一生覚えられません。
まとめ
3Dは上達にそこそこ時間が掛かるので、イラストと平行して勉強すると良いです。
キャラクターモデリングのはじめ方について過去に解説した記事がありますので、そちらも見てみるといいかと思います。
何か良い資料や方法、セミナーなどがあったらコメント欄で教えてください。
日陰工房の響音カゲでした。