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夢を語る

去年の12月3日に、これまでの自分なら絶対にあり得ないような決断をした。

(この記事に決断を書いたので、時間がある方は覗いてみてください。)

あれから1年が経ち、2018年の12月2日。
サンボマスターの輝き出して走ってくツアーに行ってきた。
ここ1年ぐらいの大阪であるライブは、専門学生時代に仲が良かった2人と行っている。
あの時は、専門学生なのに学校をサボって、北海道のツアー初日に参加したり、沖縄のファイナル2公演(台風間近)に行って、3日目の朝イチの飛行機で帰阪し、キャリーバッグを引きながら学校で行われていた救命救急講習に参加をしたものだ。

当時から2人は良い意味で私に干渉してこなかった。
だから、沖縄から帰ってきて、新大阪駅でキャリーバッグを持って合流しても、さっきまで一緒に授業を受けていたような雰囲気でむかえいれてくれる。
だから、とっても楽だった。

そんな2人と仲良くなった時に、発売された曲が
「愛してる愛してほしい」という曲。
発表されたばかりの謎すぎるMVをツイッターに載せたら、2人はこのMVを見てくれて、そして良い歌だと言ってくれた。


(今見返しても、理解不能(笑))

なんとも嬉しいことに、2人は私と一緒に、私がすきなサンボマスターを見に来てくれるようになった。
去年ぐらいから3人でライブに行くようになり、2人にとっては、一昨日は初めてのワンマンライブだった。
私も武道館ぶりのワンマライブに胸が踊っていた。

18時ちょっとすぎに暗転し、SEのモンキーマジックが流れて、下手から3人が出てきたのを見ただけで、号泣してしまった。
最近私はライブの内容より、三人が袖から出てくることに対して涙をながしているのかもしれない。
まあ、それは嘘だけど、、、なんだか本当に嬉しかった。
1年頑張ったね。と、言ってあげたくなった。
むしろ、言っていた。

正直言って、この日のライブは今までにみたライブの中で1番良かった。
だって、7年もの時間、そして全財産ほぼ全てを、サンボマスターのライブに費やしてきた私が、あれだけ行ったライブで聴けなかった曲が3曲も聴けたからだ...(笑)

久しぶりすぎる曲もたくさんあったしね。

それに、あの三人は本当にキザで(笑)
聴いたことない曲(2005年~2008年に発売した曲)を連続で3曲やるんだもん。

(ここからネタバレがあります…サンボのライブにこれから行かれるかたは15日のファイナル後に是非またいらしてください…)


私の心が荒ぶったのは、ライブが始まり盛り上がる曲を何曲かやった後に必ずくる、メロウな曲を演るコーナーだ。

唄とギターの山口隆が、「俺たちは、朝を望むんだ。」と、言葉を放った。
その時に私は、「お!やばい!朝だ!朝がくる!」と、テンションが上がりまくっていた。
「朝」という曲は、とっても好きな歌だし、聴くのも久しぶりだなあって思っていたから…。

でも、その期待は本の数秒で裏切られた。

山口隆はその後すぐに、「誰よりも朝を望む歌 、新しい朝」と言ったのだ。
この曲は、2005年発売の「音楽の子供はみな歌う」というアルバムに入っている曲で、ライブでやるのはかなり久しぶりだ。

三人が顔を見合わせて、曲を始める合図をする。

ギターとベースの音が共鳴し、曲が始まった瞬間、何故だか手にすごく力が入った。
だって、私はこの曲を聴きながら明日がくるのを待っていたから。

歌詞に

「あぁ、世の中は つらく悲しいところさ

でも時は来てるよ あわてるなあわてるなよ 僕たちよ」
というフレーズがある。

このフレーズは、本当に、笑っちゃうぐらいストレートで、でもストレートだからこそ私の人生を支えてくれていた。


この曲を生で聴いたとき、悔し涙が流れるときに似ている、体中が熱くなる感覚に見舞われた。
私は自分に甘いから、本当にここまでよく生きたね。と、自分のことを褒めてあげたくなった。

2番あたりから正気を取り戻して、新しい朝を歌う三人をちゃんと見ることができた。

曲が終わり、「お前らの絶望そんなもんか?お前らの欲望そんなもんか??」
と、煽るMCがきた。
こういうMCなんだか新鮮で久しぶりだ。

欲望ロックか?ん?いや、、もしかして、まさかー!え?!やらないよね…え!?まじ!?


となったのもつかの間、山口隆はこう言ったのだ。

絶望と欲望と!!!男の子と女の子!!!」

サンボマスターの名曲中の名曲ともいえるこの曲が、今こうして、2018年の12/2、なんばHatchで演奏され始めたのだ。

これは奇跡だ。キセキ以外のなにものでもない。

今のサンボマスターは、暑苦しくて強くて、でも、人間らしい弱さや儚さを兼ね備えた音楽を作っている、みんなの心に寄り添ってくれる偉大なバンドだ。

音楽がとっても好きな3人がつくる最近の曲には、ヒップホップを取り入れた曲もあるし、フェスで盛り上がれるような曲もあれば、途中でコントをしてライブで演奏をはじめれば、10分以上演奏してしまう曲だってある。

でもこの曲は違う。

青春パンクという言葉が爆発的に流行った、2000年代初期のロックンロールの衝動。

強さしかない曲は、聞くだけで身体に電気がビリビリと流れだす。

それに加えて、あまりにも爆音すぎるギターの音、そして鋭利すぎるフレーズの数々。
それが重なってできている曲は、あり得ない速さで脳内を駆け抜けていく。

人生で初めて借りたサンボマスターのアルバムがこの曲が入っている

僕と君の全てをロックンロールと呼べ」というアルバムだった。

世界はそれを愛と呼ぶんだぜだけを聴きたいがためにこのアルバムを借りた中学1年生の私からすると、この曲はあまりにも「刺激的」すぎた。

でも、なんとなく、なんとなく毎日このアルバムを聴いていたのは、

当時私はこのアルバムと、オレンジレンジの「musicQ」というアルバムでしか音楽を聴いていなかったからだ…。

中学2年生になり、学校にも行かない日々が始まったときに、驚いたことがあった。

私はこの曲の歌詞が、とんでもなく好きになっていた。

あんな奴等のためなんかに死ぬんじゃねぇぞ アンタ達!!

今この世界で僕も生きれるなら
世界よどうか僕から逃げないで 逃げないで
今夜この街から何か変わるハズさ
例えば全ての夜が明けるよな そんな素敵な日々を」

こんな歌詞が入っている曲、なんとまあ、攻撃的なのに優しいんだ。

ライブでやっとこれが言える!と思った私は、

「あんな奴等のためなんかに死ぬんじゃねぇぞ アンタ達!!」と、思いっきり声を高らかに叫びながら、拳を突き上げた。

長年の夢がかなった瞬間だった。

夢がかなった余韻に浸りながらも、次の曲は始まる。三人は止まることはなかった。

曲と曲の間に話す彼のMCは、本当にグッとくる言葉が多く。

私が「言葉」を使う仕事がしたい…と思ったのには、もちろん、この人の影響もある。

2時間30分のライブは、あまりにもあっという間だった。

本当に行ってよかったと、心の底から感じた。


やりたいことを仕事にする。私は私のために生きる…と決めて1年。

私はありがたい事に「言葉」を紡ぐ仕事をしている。

でも、まだまだ始まったばかりで、もっともっと書きたいことも、やってみたいこともある。


こうやって音楽に触れると、やっぱり私は「好きなもの」をたくさんの人に知ってほしい。

野球にも音楽にも好きになる「理由」や「キッカケ」がある。

そのキッカケを繋ぎ合わせて、いつか誰かの「好きになるキッカケ」を作ってあげたい。

人生が退屈でつまらないと思っている人がいれば、強制的に「好き」になってもらうんじゃなくて、その人らしく「楽しめる」方法を見つけてあげたい。

もちろん、それは、音楽と野球以外でもいい。


あと、球場に来ている人の「趣味」の傾向を調べてみたい。

このユニフォームの着方をしている人は、この選手が好きで、この音楽が好きで…とか。



やりたいことは本当に、たくさんある。エッセイだって仕事で書きたいし、音楽に関する記事も、書きたい。

カルチャーに関する記事だって書いていきたい。


私にしか紡げない言葉を紡いでいきたい。


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