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弱く、そして強い。

本当の強さとはなんだろうか、弱さとはなんだろうか。

人は強さと弱さの両軸に振れながら、「わたしらしさ」という真ん中の軸がスクっと立ちあがり、
燦々とした太陽の光を受け取りに空を仰ぎ見て、
天へ天へとその手を、その身を伸ばしてゆけるのかもしれない。

社会の中で我が身を置く場所。
家庭の中や交友関係、はたまた別の人格という要素でも自分の身を置く場所は同時多発的に存在しているのだろう。

それはホーム感とか居場所感とか、帰属感に似たようなものかもしれない。

たくさんの場所に所属しながら、それぞれに別の顔を持っている。
ある時は、悟りを開いたマスターのような顔であり、ある時は言われたことをまともに達成できず指導を受ける立場かもしれない。

場所。スペース。コミュニティ。
一つの場に人が集まる。

集まる人々から分かち合う集合意識の中に、ある一定の方向性が生まれていく。
そのカラーに沿って、価値観や概念やルールが生まれていく。
メンバーを変えながら、その場も、時と共に変容していく。

ということは、「場」が人に与える影響より、「人」が場に与える影響の方が強いのかもしれない。
人、つまりその内部にある様々な想いが場所に働き、動かしている。
場にコントロールされているのではなく、人がその場を動かしている。
一人一人がその場に働きかける影響に目を開いて、備わっている力に許しを与えてみたら
心をどこかに置き去りにして生産性ばかりを追い求めて突き進む、乾いた大地が潤うのではないかと本気で考える。

私は今、自分自身に課していることがある。

昭和の男尊社会の価値観のまま、ひたすら歩もうとさん社会構造の中に身を置く女性だけの会社があり、先週から我が身を置いた。

片や、女性性解放へと信念を明らかにしている私にとって、全く真逆の信念体系の場所に身を置くことは、まるで生首をそのまま差し出すような、生きたまま半殺しされているような毎日だ。
もはや修行でしかない。
今更何が楽しくて好き好んで昔の社会構造に戻っているのか、
一瞬自分を見失いそうになった。

40代に入り、30代までに多少なりとも築き上げてきた体験の厚みが
迷宮入りする一歩手前で待ったを掛けてくれた。
自分へ感謝したい。
ありがとう。私の20年間よ。

これが社会経験一年生に始まって、ずっとそれらの構造の中に身を置いている人は一体どんな心身状態や観念を築いてきたのだろう、とゾッとする。
自分の望みを知るよりも先に、待ったなしの社会に食らいつくため自分の時間をなくし、社会へ貢献し続けているのだろうと思う。

この1週間がまさにそんな毎日だった。
まるで地獄絵図。
ご飯もトイレも家族との会話も、ろくに出来ず、
自分のための読書や学びや、祈りをする時間を作る余裕なんて!!全くない。

これが当たり前になっている方達は、この日本中でどれ位居るんだろう。

戦争のような一日が終わるたび、明日はもう無い、と絶望だった。
明日になって無理だったら、辞めてやろう、そんな一日の終わりで締め括られた。

もう無理だ、もう無理。
呪文のように自分へ投げかける。問い続ける。
40年間の自分を失いそうになったが、なんとか持ち堪えている今。

私を存えさせたのは、この先にある一つのビジョンと問いだった。

ビジョンは、もちろん女性性解放。
今までおざなりにしてきた心や能力に目覚め、許し、受容し、分かち合う社会を実現させていきたい。
これは2022年中に種を蒔き、芽を出すところまで持っていくと決めた。
心にチャックをして、口を結んで歩んできた女性たちに、穏やかで優しく、まあるい場所をひとつ、作りたい。その場を分かち合っていきたい。

だが、それを実現させていくには男性性の力が必要なのだ。
過去の自分を振り返って見た時、諦めない忍耐強さと、永続的に維持していくパワーが持てなかった。
男性性は感覚や気分よりも、どれだけその場に影響を与え続けていけるか、長期目線で思考し、論理的に整理し、実行していく部隊である。
これが私には欠けていた。

だから、今、まるで地獄絵図のような毎日でも
さっぱり相容れないと思っていても
この場所で得られるものがある、と女性性の一部をなだめ、この身を置く。

身が持ち堪えてくれるギリギリまで、信じて預けてみようと思う。

ギャップは気づきでしか無かった。
私は何を大切にしたいのか、私だから気づけるもの、を痛いほど教えられるし、
またその逆、今まで採用してこなかったやり方でも生み出せるものがあると知ることは、
今までの小さな概念の中でしか理解できなかったことを教えてくれる。

可能性でしかない。

弱さを知り、その中にある強さを見出す。
今までは世界知らずの未熟者だった。
無知とはまさにこのこと。

ようやく人として熟成し始めたようだ。

自分へ乞うご期待。

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