見出し画像

呼吸によってパラレルワールドに連れてゆかれた夜。

仕事帰りに乗った電車で席が空いていたので

珍しく座ることにしてみた。

ところがめちゃくちゃ不快な感覚に襲われた。

なぜこんなにも気持ち悪い感覚になっちゃったのかはすぐに分かった。


原因は右側に座っている人だった。

ちょうど右肩から腕にかけてが隣の人に密着する。

その密着することになってしまった人は

仕事帰りと思われる30代後半の男性で

ゲームに夢中になっていた。

その彼の呼吸がめちゃくちゃ浅くて早い呼吸だった。


カラダが心地いいって感じられるかどうか

カラダで「快」を体感できるかどうかは

呼吸の深さで決まってくる。


隣の男性は

吸って、吐いての呼吸1サイクルが2秒ほどだった。

しかも呼吸の深さが浅いので

ぼくが彼の呼吸を真似たら一瞬で苦しくなる。

息が浅くて吐くことができない過呼吸症候群の予備軍。


そんな呼吸の在り方が常態化してしまっているのは

カラダを感じることができなくなっているから。

不感症のカラダができあがっている。


急激に呼吸が浅くなったわけじゃなくって

水にいれられたカエルが

じょじょに水を沸かしてお湯にすると

温度が上がったことに気づかずに

茹でカエルになって死んでしまうという。

定着している呼吸の浅さは

彼が茹でカエルであることを物語っていた。


呼吸の深さによって

生きている世界はまったく異なってしまう。

人に触れて愉気をする資格があるとするならば

呼吸が深いかどうかがポイントになる。

自分より呼吸が深い人に触れられると

人間は「快」を感じる。

逆に自分より呼吸が浅い人に触れられると「不快」を感じる。


久々に人に触れられたことによって強烈に「不快」を感じさせられた。

ふだんの整体指導の場においては

呼吸が浅い人に触れる機会は多いのに。

なぜなんだろう?

ふと疑問が湧いた。


外からの影響を大きく受けてしまっている原因は

自分の在り方が「虚」になっていたからだった。

「虚」というのは気が充ちていない状態。

息がお腹に入っていない状態。


人に触れる際の鉄則は

術者は常に「実」であること。

「実」とは気が充ちていて

息がお腹に入っている状態。


電車のシートに座っている時には

腰を入れずに、丸めて座っていた。

だから自然と呼吸はお腹には入りづらくなる。

すなわち「虚」になっちゃっていた。


整体指導で人に愉気をするときは

正座や型をとって

腰を入れて、お腹に息が入る「実」の状態で触れていく。


たいていは「虚」である目の前の人に

自分が感応して近づいていくのではなくて

目の前の人を自分の「実」に感応させていく。

だから結果として相手からの影響を最小限にできる。


奇しくも電車内で相手の人に感応させられてしまって

呼吸が浅い人のパラレルワールドに入り込んでしまった。

その浅い呼吸に感応した段階で

すでにもう濃厚に居心地の悪い世界の住人になってしまう。


緊張と弛緩を自然のリズムで行っている整体であれば

息はお腹に入っていく。

不整体になればなるほど息は上までしか入っていかない。

理想は臍下丹田に息が入ってくること。


実際に息が入って来なくなれば死。

身内を看取った整体指導者が

息がどんどん、どんどん入って来なくなる。

胸まで入ってきていた息が喉までしか入って来なくなって

最期は息が入って来なくなったって。

ふれて手応えとして感じ取った彼は

「息をひきとる」って本当なんだねっとしみじみ語ってくれた。


息がどこまで入っているかは

生命エネルギーの在り方まで教えてくれる。

住んでいる世界が息の深さで変わってしまう。


居心地の悪い、不快なカラダ、在り方がデフォルトであれば

その在り方から発せられる周波数は低いものになる。

同じ周波数のものが引き合うという物理原則に基づいて

自分がどんな現実創造していくのか

そのためには自然と深い呼吸が湧きおこる

心地いい在り方で創造していくパラレルワールドに行きたいよね。



※あわせて読むといい記事








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?