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祝・3周年❣推しで振り返るnote【2】作庭家・重森三玲

今年の2月で、note3周年を迎えました。
記事を見て、スキやコメントを下さるみなさんのおかげで今まで続ける事が出来ました。
本当にありがとうございます。

テーブルリフレクションで有名な瑠璃光院で
苔庭の美しさに魅了され、お庭の沼にハマります。いろんな庭園を見ていくうちに、枯山水の砂紋が好きなことに気付きます。

※作庭家・重森三玲

桂離宮にある松琴亭の『市松模様』の襖絵から
直感的なひらめきを感じ、形を変えながら様々な作品に登場させています。

今回のトップ写真は、重森三玲がデザインした襖絵。市松模様は『永遠のモダン』を象徴するモチーフとなっています。

【東福寺】(東山区)

『東庭(北斗の庭)』

日本庭園で初めて『星座』を表現したお庭で、
円柱の石で『北斗七星』、生け垣で『天の川』を表しています。

『南庭』

幾何学模様の砂紋で『波』を、力強い石組みで『不老不死の仙人が住む島』を表現。

『西庭(井田の庭)』

サツキを大きく市松模様に図案化したもので、『井田市松(せいでんいちまつ)』と呼ばれています。

『北庭(小市松の庭園)』

鮮やかな『市松模様』のウズマキゴケと敷石。
このお庭が見たくて東福寺に行きました。
理由は『鬼滅の刃』の炭治郎の羽織の柄と一緒だから(笑)
これが、重森三玲のお庭との出会いです。
サツキが『ハート型』に刈られている所にも
注目して下さい❣

【東福寺塔頭・光明院】(東山区)

『波心庭』

中央の3つの石は、仏様に見立てた三尊石。
そこから放射状に大小75個の石が据えられています。方丈や書院、茶室のいずれからも美しく見える絶妙な配置。

 白砂は『大海原』を表し、サツキやツツジで 『ダイナミックな雲』を表現。苔の洲浜に散らばる小さな石は『波しぶき』を表しています。

『龍の畳』
※イベント時に撮影したものです

光明院はアート作品とのコラボが多く、何度も訪れました。今年は辰年なので、デザイン性の高い『すごい畳』を研究されている山田憲司氏の作品も、しれっと載せておきます。

『鶴の畳(鶴休飲水図)』
※イベント時に撮影したものです

『波心庭』を作庭した重森 三玲(みれい)の名前にちなんで『鶴休飲水図』は301枚の畳で構成されています。こういう裏話も大好き♡♡♡

光明院は竹筒に『志納金』を入れるシステム。料金は300円ですがお釣りが出ないので、必ず小銭をご用意してお出かけ下さい。

【東福寺塔頭・龍吟庵】(東山区)

『無の庭』

禅寺らしい白砂を敷きつめただけのシンプルなお庭ですが、奥に見える『竹垣』にも注目!
竹垣には『稲光の模様』があり、 これは次に
見る『龍の庭』への伏線となっています。

『龍の庭』

寺名の『龍吟庵』にちなんで、龍が海中から
黒雲を巻き起こして昇天する姿を、抽象的な
石組みで表現。白砂は『波』を、黒砂は『雷の雲』を表しています。

龍吟庵は、3年ぶりの公開。
ずっと気になっていたお庭なので、初日に張り切って行きました。
『龍の庭』は、私の好みのドストライク❤

『不離の庭』

大明国師幼少の頃の故事に基づいて作庭されたお庭で、天然痘にかかった国師が山中に捨てられ、狼からの襲撃を二頭の犬が守る場面を表現しています。

情景を表現するために、わざと赤い砂を使っています。赤い砂は鞍馬石を砕いたもので、雨に濡れると小豆色になるそうです。
※『龍吟庵』は、通常非公開の寺院です。

【東福寺塔頭・芬陀院】(東山区)

『雪舟の庭』

雪舟が作庭した『鶴亀の庭』は、一面の苔と
流れるような白砂が美しい枯山水庭園。
二度の火災で荒廃していたお庭を、重森三玲が一石の補足もなく『復元』しています。

復元された『亀島』

左側が亀の頭で、右側が尻尾。
よ〜く見ると、手足もあります。
一番上の石は、亀が自由に動きまわらないようにと置かれました。

『鶴亀の庭』

こちらは、重森三玲が作庭した『鶴亀の庭』。

『亀石』の部分

亀石を『船』に見立て、松の木が『船の帆』になっています。 その船に乗っているのは雪舟。 松の木の横の石が『雪舟』なんだそうです。

私が訪れた時は、二度とも受付の方は不在でした。 受付横に『誰もいませんでしたらチャイムを押して下さい』というメモが貼られているので、迷わず押して下さい。すぐにご住職が出て来てくれます。

【東福寺塔頭・霊雲院】(東山区)

『無無無』

重森三玲の書がお出迎え♡♡♡
反対側にも遊び心のある書が飾られています。

『千山』

『九山ハ海の庭』

『九山八海』とは『須弥山(しゅみざん)』を中心に、九つの山と八つの海がとりまくという仏教の世界観です。

細川家から贈られた『遺愛石(いあいせき)』と、それを乗せる四角い石船。
『遺愛石』を『須弥山』に見立てています。
遺愛石から広がる美しい波紋が見どころで、
白砂の波紋で山や海を表現しています。

『臥雲の庭』

昭和46年に作庭

『臥雲の庭(がうんのにわ)』は、寺号である『霊雲』をテーマにした枯山水庭園です。

鞍馬砂で描く『雲』の美しさ、白砂や枯滝組で無心に動く『水』の美しさを表現しています。
砂の色使いも、美しい砂紋も全部好き❤

赤いベンガラのコンクリートも『雲』を表現。
重森三玲らしさが全面に出た斬新なお庭です。
※『霊雲院』は、通常非公開の寺院です。

【正伝寺】(北区)

『獅子の子渡し庭園』

白砂を敷詰め、サツキの刈込みだけで構成された枯山水庭園で、比叡山を借景にしています。
サツキは右から七つ・五つ・三つの順に並び、『七五三式の庭』、別名『獅子の子渡し庭園』とも呼ばれています。

※『獅子の子渡し庭園』とは、中国の古事曰く 『獅子は三頭の子を産むと、そのうちの一頭は豹であり、他の子を食おうとする。獅子が川を渡ろうとする時、親がいなくなると豹は他の子を食ってしまう。獅子は三頭の子を向こう岸に無事渡らせる事が出来るのか』という話をお庭で表現しています。

小堀遠州の作庭と伝わりますが、昭和になって重森三玲により整備されました。
デヴィッド・ボウイが愛した枯山水庭園としても有名です。

【大徳寺塔頭・瑞峯院】(北区)

『独坐庭』

寺号である『瑞峯』をテーマにした『独坐庭』は、荒波に打ち寄せられても雄々と独坐している蓬莱山の風景を表現しています。
絶妙に配置された青石と苔を使った石組みに、重森三玲らしさを感じる事が出来ます。

『閑眠庭』(十字架の庭)

『閑眠庭(かんみんてい)』はキリシタン大名であった大友宗麟にちなみ、縦に4個、横に3個の石が配され、石組みが十字になっている事から『十字架の庭』とも呼ばれています。

【貴船神社】(左京区)

『天津磐境』

昭和40年に作庭

石組みすべてに貴船石を使用。
お庭全体が船の形になっていて、真ん中にある椿の木でマストを表現。 貴船川から産出された貴船石は、緑色や紫色をした美しい水成岩で、その数も少なく珍重されています。

古代の人々が神祭りをおこなった神聖な祭場『天津磐境』をイメージして造った石庭です。

【重森三玲庭園美術館】(左京区)

『無字庵庭園』

『蓬莱神仙』の世界を表したこちらのお庭は、
吉永小百合さん主演のシャープの液晶テレビ、アクオスのCM『モダン山水の庭』のロケ地にもなっています。

中心にある三尊石組みの前にある平らな石は、 元々ここにあった『礼拝石』をそのまま使用。 元は、吉田神社の神官の邸宅でした。

三玲氏が徳島・阿波産の青石を好んで使用する理由は、水に濡れると青い光をまとい、極楽浄土を思わせる様な色合いに変化するからです。

茶席前からの眺め

丹波鞍馬石の敷石を『州浜模様』にあしらい、砂紋で波を表現しています。
縁側は1枚板のケヤキの木を使用。

こちらは、茶室へ向かう際に身を清める為に
作られた蹲踞(つくばい)です。
※『重森三玲庭園美術館』は事前予約制です。

【泉涌寺塔頭・善能寺】(東山区)

『仙遊苑』

 重森三玲のお庭といえば枯山水のイメージですが、こちらは珍しく池泉式庭園です。
常駐される住職がいないので、池の水は抜いた状態になっています。

『雲紋築山』

航空機の事故で犠牲になった多くの人々の霊を慰めるために建立された寺院なので、苔の築山は雲と飛行機をかたどっています。

【泉涌寺本坊】(東山区)

『仙山庭』

※苔の上の白い細かい物体は、アート作品。

白砂の上にある苔で覆われた『霞型の野筋』が主役のお庭。『現在展』というアートイベントのおかげで見る事が出来ました。
※通常非公開のため、滅多に見れない幻のお庭です。(特別拝観の時でも見れません)

【光清寺】(上京区)

『心和の庭』

山号『心和山』にちなんで『心』の字を四島に見立て、徳島・阿波産の青石を使用し、白砂と苔地のみで構成しています。

『心月庭』

高さ30cmのモルタルで固められた『白砂台』
を『金閣寺垣』で囲んでいます。
※『光清寺』は、通常非公開の寺院です。

【真如院】(下京区)

重森三玲が『復元』した枯山水庭園です。
鱗形の石をとても丁寧に並べて『水の流れ』を表現しています。
※『真如院』は、通常非公開の寺院です。

【松尾大社】(西京区)

『曲水の庭』

結婚式場『葵殿』の前にあるお庭は、平安貴族が慣れ親しんだ歌遊びの場である『曲水の宴』を表現しています。
七曲がりしていて、四方どちらから見ても美しいのが特徴です。

『上古の庭』

山中の巨岩など神霊の宿る聖地を『磐座(いわくら)』と言い、今から1300年前は磐座で祭祀が営まれていました。それを模して造られたのが上古の庭です。

一番奥の中央にある巨石二つは、御祭神の男女ニ神で、それを取り巻く多数の岩は、随従する諸神の姿を表現しています。

『蓬莱の庭』

蓬莱の庭は、三玲氏が池の形を指示し、その後長男である完途氏がその意志を継いで完成させた親子合作の庭園です。

蓬莱とは不老不死の仙境の意味で、その憧れの世界を池中の神仙島で表現しています。
お庭全体は羽を広げた鶴の形をしていて、池のまわりを一周できます。

【岸和田城庭園】(大阪府)

『八陣の庭』

三国志の英雄である諸葛孔明の『八陣法』を
イメージして設計。この石組みは、360度どの
角度からでも鑑賞することが出来ます。

『八陣法』は本来敵を攻める陣形ではなく、
平和確立のために外敵から守る陣形であるとして、『平和への願い』も込められています。

今回は、推しの作庭家・重森三玲の庭園を地区別にまとめてみました。通常非公開の寺院も、秋に特別公開される可能性が高いので、こまめにチェックしてみて下さい。

私がお寺に行く理由は、心が浄化されるから。
歴史ある建物やお庭に、何か感じるものがあるのです。お寺ならではの空気感というのでしょうか。私にとって、お寺は心地良い空間。
推しの作庭家がどんどん増えていきます(笑)

もっと知りたい方は過去記事をどうぞ♡↓

東福寺【17】【104】【120】
光明院【18】【59】【189】
龍吟庵【209】
芬陀院【195】
霊雲院【102】
正伝寺【125】
瑞峯院【110】
貴船神社【71】【194】
重森三玲庭園美術館【46】
善能寺【216】
泉涌寺本坊【224】
光清寺【226】
真如院【203】
松尾大社【38】