越前漆器の新たな可能性に挑む若き代表の挑戦【後編】
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越前漆器の新たな可能性に挑む若き代表の挑戦【後編】

大正時代から続く越前漆器工房「高橋工芸」4代目の高橋亮成(あきのり)さんは、2018年に大阪から地元・鯖江市に戻り、20代にして代表に就任しました。県外に出たからこそわかる、福井のものづくりの良さや可能性について伺っていきます。

前編はこちら

地元に戻って感じた、伝統工芸の盛り上がり

家業を継ぐため鯖江市に戻ることになった高橋さん。
久々に地元で暮らし、家業のものづくりと向き合ってみると
高校まで住んでいた時とは違う新しい動きを感じたといいます。

高橋さん(以下、高橋):高校まで実家に暮らしていた時は、「家業が漆器をつくっている」というだけで、伝統工芸に携わっていることへの特別な感情はなかったのですが、大阪と福井を行き来するなかで、このまちのものづくりがかつてないほど盛り上がっていることを感じました。県外からの移住者が中心となって、ものづくりのイベント『RENEW』が開催されるなど、この地域のものづくりがいろんな方面から注目を集めているなと思いましたね。

家業を継いで不安もありましたが、このタイミングで地元に戻ってきたのは運が良かったのかもしれない。自分のできる形で挑戦するのは逆に面白いなと思えるようになりました。

越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥・越前焼など近隣の産地をめぐりものづくりを体感できるイベント『RENEW』 Photo by Tomart(Tsutomu Ogino)


使う人の声が聞けるものづくりがしたい

高橋工芸の新たな代表として奮闘していた高橋さんは
家業について深く知っていくうちに
これまでのスタイルとは違う新たな事業の方向を模索することになります。

高橋:これまで自社で手がけた漆器は問屋を通して販売するBtoBがメインでした。しかし、つくったものがどのように使われているか、使っている方の声をもっと聞きたくなったし、使っている方と直接やりとりできるような商品をつくりたいと考えるようになったんです。最初は雑貨などいろいろ考えていたものの、まとまらなくて…。そんな時に、これまでうちでつくり続けてきた伝統的な茶道具からヒントを得て、気軽にお茶を楽しめるお点前セットをつくってみてはどうかと思いました。

「これまでの伝統的な漆器に加え、現代のライフスタイルに合ったものも作っていきたいと思ったんです」と高橋さん


3つの伝統工芸がコラボしたお点前セット

茶道は本格的すぎて敷居が高いと感じる人も
お点前セットなら気軽に楽しめるはず。
そこから高橋さんが企画、奥様がデザインを担当し、
試行錯誤の末、誕生したのが「Ippukubox」です。

革、金具、真田紐など、木箱と異素材の持ち手の組み合わせがかわいいIppukubox

高橋:Ippukuboxには茶碗・茶筅・茶杓と、抹茶を保管する棗(なつめ)が木製ボックスに全て収納されていて、抹茶さえあればいつでもお茶がたてられるようになっています。茶碗は越前焼、道具をキズから守るためにIppukuboxの内側には越前和紙を貼るなど、このエリアの伝統工芸を取り入れた商品になりました。

15センチ四方のIppuboxは暮らしのシーンに馴染むかわいらしいデザイン。2019年には鯖江の展示会に、2020年にはギフトショーに出品するなど
着実にファンを増やしています。


高橋:当初は出店も考えていたのですが、コロナ禍もあって現在はネット販売が中心です。気軽に抹茶を味わいたい人や昔茶道をやっていた人をはじめ、ここ最近は家で過ごす時間が増えたことから、今までお茶に馴染みがなかった人にも興味をもっていただけるようになりました。

これまではBtoBでのビジネスでしたが、Ippukuboxを通して作るところから売るところまで自社で手がけるようになると、つくる人と売る人、使う人がそれぞれ求めていることに少なからずギャップがあるんだなとわかるようになりました。そこを埋められるようになると、より使う人に寄り添ったものづくりができるんじゃないかなと思っています。

一つひとつ職人による手仕事でつくられるIppukubox


産地全体が一つの共同体

販路開拓のほか、最近ではSNSでの発信にも力を入れ
伝統工芸の新たな魅力を伝えている高橋さん。
福井のものづくりについてどんな可能性を感じているのでしょうか。

高橋:鯖江周辺エリアには越前漆器だけでなく越前和紙や越前焼、越前打刃物、越前箪笥などの産地が半径10キロ圏内にあります。みなさんオープンなので、気になったらすぐに職人さんに話を聞きに行ける環境もいいところだなと感じています。つくっているものを超えて、新しいコラボレーションも続々と生まれていて、まるで産地全体が一つの共同体のようです。

全国各地にはいろんな漆器の産地がありますが、Uターンするまではこのエリアの恵まれた環境に気づいていませんでした。今だからこそ、この産地の素晴らしさがわかりますね。伝統工芸の世界は時代とともに生活様式が変わり、後継者や販路開拓などさまざまな問題も生まれていますが、このエリアでは新しいことを始める人を応援する風土も根付いています。ぜひものづくりに携わる若い世代が増えてほしいですね。私も高橋工芸が100年以上にわたり守ってきたことを大切に受け継ぎつつ、新しいことにもチャレンジしていきたいなと思います。

※記事の内容は取材当時のものです。

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高橋工芸
住所:福井県鯖江市落井町50-5-1
https://o-takahashikogei.com
https://www.instagram.com/takahashi_kougei_sabae/


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