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まつもと城下町湧水群をざっくり紹介!

はじめに

 長野県松本市と聞いて思い浮かぶものは何がありますか?
 国宝の松本城や開智学校、上高地、民芸家具、などなど....挙げればキリがありません。例えば食べ物であればどうですか? そば(蕎麦)やワインは有名ですが、「水」も強く推したいものの1つです。

 「水と空気はタダ」というのは日本でよく聞くフレーズです。それだけありふれているわけですが、松本市街地の水、特に湧水に関しては特筆するところがあります。
 長野県だから水は綺麗だろう、だけではない松本市街地の湧水の魅力、そのサワリをざっくり紹介します。

平成の名水百選

 松本市街地の湧水は、平成20年に環境省による平成の名水百選に選定されています。水質や水量、保全活動、親水性などを基準に選ばれたもので、実に市街地の20箇所余りの湧水がまとめて対象となっています。
 それだけとどまらず、松本市街地のあちこちでは個人による井戸や自噴井戸が見られ、松本市街地は実は水の街と言っても過言ではありません。

 松本市街地は、北は大町市~南は塩尻市にかけて、南北約50kmに渡る松本盆地の南寄りに位置しており、複数河川による複合扇状地になっています。
 中心市街地には北東から時計回りに女鳥羽川(めとばがわ)、薄川(すすきがわ)、田川(たがわ),奈良井川(ならいがわ)といった河川が流れており、これらの河川及びその支流の伏流水が豊富な湧水を支えていると思われます。
 この豊富な湧水は生活や商業など様々に利用されており、平成の名水百選選定によって、観光資源としてもさらに重要なものになっています。

 最近、この湧水を使ってクラフトビールを作る試みもされ、人気のようです。やはり、使用する水によって味わいに差が出るそうです。面白い!

名水紹介

 市街地を散歩していると、水の流れる音があちらこちらから聞こえてきます。名水百選以外の場所でも、いたるところから水が湧いているんです。

 つまり、まつもと城下町湧水群として登録された湧水は、市街地の湧水の選りすぐりともいえます。

 そんな選りすぐりの湧水の中から、素敵な井戸や湧水をご紹介していこうと思います。今回は次の2ヶ所をご紹介します。

1. 源智の井戸

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源智の井戸 2019年7月撮影

 人形店が軒を並べる高砂通りを東に行った先、瑞松寺の少し手前に湧いています。おそらく松本市内で最も有名で、歴史ある井戸です。小笠原氏が城主の頃、家臣の河辺与三郎佐衛門源智(かわべよざえもんげんち)の持ち井戸であったことからこの名前が付きました。
 天保14年(1843年)に発行された『善光寺道名所図会』には、当国第一の名水と書かれています。当時、この水を使ってお酒も作られていたそうです。

2. 女鳥羽の泉

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女鳥羽の泉 2019年6月撮影

 女鳥羽川のすぐ北側にある善哉酒造の敷地に湧く水で、誰でも利用できるようにしてもらっています。地下30m程から自噴しているとのこと。
 この水で仕込んだ日本酒はその名も「女鳥羽の泉」です。長野県で生まれた美山錦と湧水で作られた日本酒を楽しんでみて欲しいです。

まとめ

 松本市街地には20箇所余りの湧水がまとめて「平成の名水百選」に選定されています。数だけでなく、水質も良く、古くから飲用や酒造りなどに用いられてきました。

 他にも市街地のいたる所から湧き水があり、松本はまさに「水の街」といっても過言ではありません。

 水に注目して歩いてみるのも楽しいと思いますので、今後は各所の湧水や井戸を紹介していきます。

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