面白おかしく生きるまで~part1~

「これから一緒に面白おかしく生きていこうぜ」

これはプロポーズではない。私と元カレを別れさせ、自分と付き合って欲しいと思う彼の口説き文句だった。

その時わたしはこう思った。「面白おかしい人生なんてまっぴらごめんだ」
何を考えて彼がそう言ったのかは分からない。ただ、私の知る”夢物語り”の中にそのセリフは存在しなかった。

彼は、事ある毎に「面白おかしく」口説いてきた。(しかも真面目な顔で・・・)私はそれを聞く度にこの人で良いのか?と疑問を持たずにいられなかった。せっかく好きになりかけても、このセリフで一気に冷めてしまうのだ。

だが、私達は付き合うことになった。元彼と別れたからだ。決して、「面白おかしく」の口説き文句にGOを出した訳ではない。

付き合ってからも私達は楽しく暮らしていた。お互いの友人を交えて遊んだり、お出掛けしたりと楽しかった。が、彼の「面白おかしく」口説きも終わらなかった。そしてついに私の恐れていた事態へと事が進むのである。次はいよいよ結婚を見据えたkey wordに変わっていったのだ。

「俺と居たら絶対楽しいよ、二人で面白おかしく生きていこう」

イヤなんだってば・・・・・!!!

これを聞いて、理想なプロポーズじゃないかと咎められるかもしれない。やはり旦那さん、良い人じゃないと羨ましがられるかもしれない。
しかし、当時の私はそう思えなかったのだ。「面白おかしく」が私の”結婚”におけるコンセプトじゃない気がした。

では、私の結婚におけるコンセプトとは何だったのか?

職業柄すぐコンセプトを立てたがる自分がいる。コンセプト無しでは怖くて進めないのだ。
その前に、まず私は若くして結婚したくなかった。もっと遊びたかったのだ。だから実はそこまで結婚について深く考えたことはなかった。
しいて言うならば、「金銭的・身体的・心身の安心のもとチャレンジし成長を支え合える関係性」だろうか。やはりかなりざっくりしている。

今考えると、夫のコンセプトは明確だった。それは何度も言う通り「二人で面白おかしく生きていく」だった。最初はこの言葉に嫌悪感さえ抱いた。というのも、二人の中で言葉に対するイメージが統一されていなかったのだ。
私は、行き当たりばったりの・テキトウな・ばからしいといったイメージを抱いていた。『まだ若いのに、そんなあやふやでふわっとしたコンセプトを掲げる人イヤだ・・・!』そう思っていた。

実際に私達がどのような出来事で意思疎通できたのか。続きはpart2で記録したいと思う。