『セミの抜け殻を見て……』
毎年決まった場所にセミの抜け殻がある……。
そのことがとてもすごいことだなと感じた。
同じ血筋のセミが代々同じ場所から、夏の空へ旅立っているのかと考えるととても壮大なことのように感じてしまうのだ。ま、同じ血筋とは限らないだろうけど……。それでも、なんだか素敵だなと感じてしまう。
僕だけだろうか?
「セミの一生は短い」といわれる。
しかし、実は僕たちが思っている以上に長生きであるという研究結果が出たというネットのニュースを目にした。
それでも、人間に比べたら間違いなく「セミの一生は短い」と言えるだろう。
なんたって、僕たち人間はついに100年いきる生物になったのだから……。
鶴や亀も驚くレベルだろう。
そんな短いセミの一生にどこか憧れを抱いてしまう自分がいたりする。
一夏に全てを掛けて生を満喫する彼らに憧れるのだ……。
きっと、一瞬々が魂を燃やすように生きているんだろう。だから、セミの鳴き声はあんなにも大きいのだと僕は思う。一鳴き一鳴きに全力なのだ。
今この瞬間を全力で生きているんだろう。
「今あなたは全力で生きていますか?」
この質問に『はい』と答えられる人はどれだけいるだろう。
また、瞬間だけでなく全力で生き続けていると答えられる人はどれだけいるだろう。
全力で生き続けることはきっと難しいと思う。
なら、せめて……。
一分一秒でいいから全力の瞬間を増やしていきたいと僕は思う。
セミの鳴き声が聞こえる日が増えてきた。これから日に日に増えていくだろう。
夏の暑さにも、セミの鳴き声にも負けないような熱い夏にしていこう。
『毎年決まった場所にセミの抜け殻がある』……未完。
読んでいただいてありがとうございます。面白い作品を作ってお返ししていきたいと考えています。それまで応援していただけると嬉しいです。