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ミャンマー人女性の化粧・メイク事情調査【ミャンマー市場調査】

こんにちは、Healthy Humanity Myanmar co.,Ltdです。

弊社はミャンマーにて現地人向けのモバイルコンテンツ(アプリ、ウェブ)を提供しています。
現地に進出している数少ないIT企業として、ミャンマーにおけるデータ関連の情報を主に発信していきます。


今回はミャンマー人女性の化粧品・コスメ事情について書いていきたいと思います。

ご存知の方が多いと思いますが、ミャンマーにはタナカと呼ばれる伝統的な化粧品があり、多くのミャンマー人がこれを使用しています。


しかし最近では多くの海外化粧品ブランドがミャンマーに展開し、若い女性を中心に普通の化粧をする人も増えてきました。
少し古いデータとなりますが、2016年度のミャンマー化粧品市場の伸長率は前年比109%というデータもあり、ミャンマー化粧品市場は大きく成長していて、今後もさらに大きくなっていく見込みがあります。
https://www.zaikei.co.jp/article/20180325/433632.html


そんな可能性のあるミャンマー化粧品市場について、過去に弊社で「化粧品についてのオンライン調査」を実施したので、今回その回答の一部をご紹介していければと思います。(2018年3月実施)
(依頼のあった調査ではなく、自社として調査したものです)

具体的には、

・どのように化粧のやり方や化粧品の情報をとっているか
・よく使用する化粧品は何か

・よく使用する化粧品ブランド

の3つの調査データをご紹介します。


ユーザー属性

今回の調査のユーザー属性としては、女性のみの回答で20代・30代が8割を占めているということが前提となっています。



質問1:どのように化粧のやり方や化粧品の情報をとっているか(n=313)

質問項目(複数回答可)

□ 親、友人
□ Facebook
□ 雑誌
□ 化粧品店
□ 情報は取らない
□ その他


こちらの質問は、「Facebook」と「親や友人から」という回答が多いという結果になりました。

やはりミャンマーではFacebookは強いということがわかるデータです。
Facebookにはビューティーブロガーと言われる、インフルエンサーのような存在の方々がいて、その人たちが自分のFacebookページ上で化粧品の紹介やメイクの仕方を動画やテキストで紹介していたり、

beautybynaychi(フォロワー53万人)
phyodaybyday(フォロワー27万人)

各化粧品ブランドも自社のページで商品説明や、使い方などを紹介しています。

Bella(フォロワー194万人)
Maybelline New York Myanmar(フォロワー64万人)

その他にもコスメメディアとして企業が運営しているページ等もあり、Facebookではこれらのページから化粧品の情報を取っているのではないかと考えられます。


そしてそれと同じくらい情報を集める手段として使われているのが親や友人からの「口コミ」のようです。
実際ミャンマーにおいては、インターネット=Facebookと認識している人が多く、日本のように様々なメディアや媒体があるわけでもないので、
化粧品以外のカテゴリにおいても「Facebook」と「口コミ」の2軸が消費者向けのサービスでは大きな存在となっています。(もちろん、他の手段の場合もあります)



質問2:よく使用する化粧品は何か(n=313)

質問項目(複数回答可)

□ 化粧下地
□ アイライナー
□ アイブロウ
□ アイシャドウ
□ マスカラ
□ チーク
□ 口紅
□ 使わない
□ その他

こちらの質問では、「化粧下地」と「口紅」の回答が多いという結果となりました。


興味深いこととして、「アイライナー」「マスカラ」「アイシャドウ」など目元の化粧品の使用がワーストの3つに入っており、
このことからミャンマー人女性の中ではどちらかといえばナチュラル系のメイクを好んでいる人が多いのではないか、ということも考えることができると思います。

ちなみに「化粧下地のみを使用する」と回答した人は282人中の44人(約15%)おり、比率としてはそこまで大きくないものの、一定数はすっぴんに近いメイクを好む女性がいるようです。


質問3:よく使用する化粧品ブランド(n=313)

(上位6位を表示)
(MaybellineとNYXは現在L'Oréal傘下)

質問(複数回答)

□ Bella
□ maybelline
□ Revlon
□ KATE
□ Kylie
□ MAC
□ Arty
□ bsc
□ Estée
□ Lauder
□ Holika Holika
□ canmake
□ Follow Me
□ L'Oréal
□ KOSÉ
□ KMA
□ Shiseido
□ Now How
□ Catrice
□ NYX
□ NARS
□ Tonymoly
□ makeup factory
□ Lancome
□ その他

こちらの質問では、ミャンマー企業で価格が海外のブランドと比べて安い「Bella」が人気で、そのあとに海外のブランド(特にアメリカ)が続くような結果になりました。

Bellaはミャンマー人にとってなじみのある「タナカ」を使用した化粧品を扱っていたり、商品全体的に海外ブランドの約半分の価格帯となっているので国内企業ならではの強みを生かし、このような結果になったのだと考えられます。

日系のブランドとしては、「資生堂」「KOSÉ」「Canmake」などがありますが、回答数としてはどれも十数人だったのでまだあまり使われていないという印象でした。


また今回は単純に「よく使用している化粧品ブランドは何か」という質問だったのですが、化粧品の場合アイテム別で使用するブランドは大きく分かれてくると考えるので、(例:化粧下地→Bellaを頻繁に使用、口紅→Maybellineを頻繁に使用)
そのように使用するアイテム別で質問をしてもまた違ったおもしろいデータがとれるなと感じました。



まとめ

どのように化粧のやり方や化粧品の情報をとっているか
→Facebookや口コミがメイン

よく使用する化粧品は何か
→化粧下地と口紅をよく使用し、目元の化粧品を使わない傾向がある

よく使用する化粧品ブランド
→国産のBellaに続き、アメリカのブランドの使用が多い


今回の3つの調査からだけでもざっくりですが、現状の傾向として「Facebookや口コミが広告としては効果があり、商材はナチュラルメイク寄りのもので、価格帯がいくらくらい」という仮説を立てることができ、
事業を進める上では非常に興味深いデータになっていると思います。

もちろん逆説的に、

「目元の化粧品を使わない傾向がある」

なぜ使わないのか

好みじゃない可能性もあるが、そもそも使い方が難しいor可愛く見えるやり方がわからないので使わないだけという可能性もある

再度調査、新しい市場の開拓

というような仮説も調査データを活用することで可能になると思います。



今回の調査について

まず1つ目に、今回行なった調査はオンライン調査なので定量的な結果が得られる調査となります。(割合や傾向を掴むためのもの)

そのため、「なぜFacebookで化粧品の情報を探すのか」「なぜ化粧下地を使うことが多いのか」などユーザーのインサイトとしてさらに気になる部分はありますが、そちらはオフラインでのインタビュー調査などでさらに深堀りすることができます(経緯や理由を知ることができる)。

2つ目に、その他の質問として

「化粧について何か問題を感じていること」→ユーザーの不満
「ビューティーブロガーの認知度」→実際にどれくらいの人が見ている(認知している)のか

といった内容も今回質問しているのですが、今回ブログでは省略させていただいています。
(もしご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡をください)


ミャンマーの化粧品市場は弊社としても少し興味のある分野だったので今回調査の実施に至りましたが、
調査後の感想としては今後も成長の見込みがあり、日本の化粧品市場とは少し違いますが非常におもしろい市場だという印象です。



さいごに

長くなりましたがHealthy Humanity Myanmar co.,Ltdではミャンマー人向けのモバイルコンテンツを現地で展開しています。(現在約20万人ユーザー)
同時にそのユーザーを活用したミャンマーの市場調査サービス(オンライン・オフライン)も日系企業様向けに提供していますので、ミャンマー人の生活・興味関心や市場動向に興味のある方はぜひお気軽にご連絡ください。

担当:村上雄太郎
yutaromurakami@hhmyanmar.com



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