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Charge mentale:家事の負担

女性が日常的にこなす(不公平なほど)多くの家事は、生活を成り立たせるのに必須であるにも関わらず、それが夫婦間・家族内で当たり前となってしまい、実際は目に見えない精神的負荷を多く抱えていることが見過ごされています。

・いつ、なにを買ってなにを料理するか
・いつ、なにを洗濯するか
・月々の支出、予算管理をどうするか
・いつ、どこを掃除するか

などは事前に計画が必要であり、常時頭の片隅を占める問題です。

このような目に見えない精神的負荷をフランス語でCharge Mentaleといい、この概念を知って夫婦での家事の分担を考え直したという、noteを以前書きました。

今日、妻がcharge mentaleに関する新しい記事(実際にはマンガ形式)が出たというのでシェアしてもらったのですが、それが以下です:

テーマは、そもそも職業でみても女性はコロナ感染の危険が高い業務に携わっている(医療・介護従事者の70%、整備員の67%、食料品店のレジ係の90%)のに、自宅謹慎中の家事分担の不公平さにも拍車がかかっているというもの。

要点をまとめると(◼️は記事内で引用されている関連統計データ)

・学校閉鎖によって子供の面倒もみる必要が出てきて、家事が激増、負担がさらに増した
◼️在宅勤務する女性のほぼ半数が(男性25%に対し)、子供の世話にさらに4時間費やしている

・在宅勤務に割く時間がなく、多くの女性が仕事を断念せざるおえなかった
◼️女性21%に対し男性12%

・在宅勤務に使う場所が、家庭の共用スペースであった
◼️女性42%に対し男性26%

・女性が望まない性行為が増加した
◼️12%。2014年に比べ7%増加

・以上のような負担は女性の先天的能力によるものではなく、社会的文脈のなかで形成されてきたものである

・油断せず女性の社会的立場を主張し、監視し続けなければならない

最後に記事の著者(Emma)はフェミニストのSimone de Beauvoir

の言葉を引用しています:

N'oubliez jamais qu'il suffira d'une crise politique, économique ou religieuse pour que les droits des femmes soient remis en question. Ces droits ne sont jamais acquis. Vous devrez rester vigilantes votre vie durant.
(拙訳: 女性の権利は、政治的/経済的/宗教的危機が訪れれば、その土台が簡単に揺らいでしまうことを常に念頭に置いてください。この権利が永久に続く保証などどこにもないのですから、貴女方は生涯にわたってこれを見張り続けなければなりません。)

Emmaはこのpolitique, économique ou religieuseの部分にsanitaire(医療危機)を付け加えて、いまのコロナ禍がまさにそのような状況であることを強調します。

私も含め、男性はこれを前にしてどう行動するべきでしょうか。


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