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参加サークル:ペントパン

文学イベント東京 参加サークル 「ペントパン」の紹介ページです。


幸せな景色

リビングの四角い窓の外からは、 きっとそんな景色が見える。
私はいつも、それを見ている。

望みをポスターに託して壁に貼る。
理想通りにはならないけれど、
これでたいていの望みは叶えてきた。
完璧じゃない現実と理想の間で、
私は不足を積み上げていく。


■ 「綿毛の家族」


家族って、他人です。

郊外の一軒家で暮らす幸せな家族は、それぞれの思いを抱えている。

ママはいつも、自分の望みをポスターに託して壁に貼る。完璧じゃないけど叶っていく望みと、リビングの片隅に溜められていくポスターたち。不満だなんて言ったら、きっと何かが壊れてしまう。でもーーー。

ママの不足とパパの不安、劣等感と羨望。
真っ白な子犬の「わたげ」と暮らす家族が織りなす連作集。



収録話

『ママのポスター』
 望みをポスターに託して壁に貼る。理想通りにはならないけれど、これでたいていの望みは叶えてきた。
 完璧じゃない現実と理想の間で、私は不足を積み上げていく。

『パパの山芋入りお好み焼き』
 週末はワンオペ育児。男一人でもなんとかなるもんだ、と胸を張る。
 完成形の家庭はあっという間に形を変えた。俺は、妻の空白を埋める存在なのか。

『長女のセーター』
 大人が選んだセーターは、おしゃれだけど毛糸がちくちくする。
 いい子だねって言われると誇らしい。安心する。その言葉がないと、私は息ができない。

『次女とシラサギ』
 シラサギには種類がある。私はそれを、簡単に見分けることができる。見ていればわかる。その場の正しい振る舞いだって同じだ。
 だけどお姉ちゃんはいつだって変わらない。特別なお姉ちゃんと私が似ているなんて、もう誰も言わない。

『チップとデール』
 囲もう。
 家族の平和で幸せな食卓を。

【こんな人に】
・いい子になろうとした、いい親になろうとした経験がある
・円満でも家って時々しんどいな。と思う
・しっかり話がつながる連作短編集が読みたい
・犬が好き、犬を飼っている


■ 「犬はかわいい」



『みんな、あたしの犬を愛してる。
 あたしの、架空の犬を。』

まじめで、見えないところでも手を抜かない主人公。
バイト仲間たちとは頭空っぽ状態で話ができる。
家はなんだか居心地が悪い。
平坦な生活。なのに、空気が薄い生活。

ちいさくてわがままな架空の犬をみんなでかわいがる。
平坦な絶望を息継ぎで泳ぎ続ける、がんばる女の子の日々。

【こんな人に】
・手を抜くのが苦手な性格だ
・小型犬が好き
・人の中にいることが、たまにしんどい
・胸が痛くなる短編? どんと来い!


「綿毛の家族」600円
「犬はかわいい」400円は、文学イベント東京で販売。


参加希望者(WEB作家さん・イラスト描きさん・漫画家さん)は以下でチケットを購入ください。


遊びに来たい方、作家の作品を買いたい方はこちら。


よろしければ、作品の自費出版の費用にさせていただきます。