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トピックス(旅行記)

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2022年8月の記事一覧

箱根の休日 1〜【ポーラ美術館】珠玉の作品と出逢いました〜

箱根にあります ポーラ美術館へ行ってまいりました。 現在開催中の 『ポーラ美術館開館20周年記念展  モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に』 とっても素晴らしかったのです! まず出迎えてくれるのは ポーラ美術館の顔ともいえる ピエール・オーギュスト・ルノワール 《レースの帽子の少女》。 ルノワール作品で 一際美しい「青」が 少女の瞳の色となっております。 クロード・モネの 睡蓮がモチーフとなった作品は二つも。 水面の麗しい 《睡蓮》も 橋の美しい

隕石により倒れた教皇:Maurizio Cattelan

隕石により倒れた教皇:Maurizio Cattelan La Nona Ora(ラ・ノナ・オラ/1999):その作品は、流星によって押しつぶされた、儀式用の衣装を着た教皇ヨハネ・パウロ2世の彫像。 カテランのジョークにしては不謹慎、極まりないとして著名な作品だ。 それは、多くの批判も殺到したが、その解釈の方がむしろ自然かも知れない。 聖なるものと俗なるものとの間の緊張の演出・・ マウリツィオ・カテラン(Maurizio Cattelan) マウリツィオ・カテラン(M

箱根の休日 2 〜【岡田美術館】日本画の殿堂で秋のお花見を〜

2013年秋、 温泉地として有名な 小涌谷にオープンしたのが 「岡田美術館」です。 殿堂と呼ぶにふさわしい 450点が展示された美術館。 現在開催中なのが 『花鳥風月 名画で見る日本の四季 琳派・浮世絵から御舟・一村まで』 2022年3月6日(日)~2022年12月18日(日) でした。 これが麗しくて! 5階建ての3階に その企画展が。 円山応挙の 初秋のモチーフ、綿の弾けた実と 愛らしい子犬の描かれた 《子犬に綿図》 酒井抱一 《月に秋草図屏風》や 鈴木其

カテランはインフルエンサーなのか..

カテランはインフルエンサーなのか。 マウリツィオ・カテラン(Maurizio Cattelan,1960- /イタリアのコンセプチュアル・アーティスト・キュレーション・出版/ニューヨーク拠点) その作品には、ユーモアと強烈な風刺が貫かれている。 その作品は、コンセプチュアル・アートであり、彫刻、インスタレーションアート、そして、剥製を扱った作品も90年代以降多い。 それは、社会的に染み込んだ規範と階層に関する、奥深い問いかけとも取れる。そして、キュレーション(curati

自由になりたい時、ひとりで新しい町へ行く。〜はじまりの場所、馬喰横山citan〜

たった数時間でも、ひとりで新しい町を訪れると、それだけで心が自由になれるんだなあ。 *** この前の週末のこと。はじめて訪れた馬喰横山で、「ひとり時間」を過ごした。といっても、彼と待ち合わせをするまで、ほんの数時間だけれど。 彼とは、馬喰横山のホステルcitanに宿泊して馬喰町〜日本橋エリアを散策する予定だった。 お互い関東に住んでいるから、東京のホステルに泊まるのは今回がはじめて。ずっと行ってみたかった場所ということもあって、数日前から心待ちにしていた。 けれど彼

カメラ・オブスクラとイラストレータの仕事

カメラ・オブスクラとイラストレータの仕事  カメラ・オブスクラとは カメラ・オブスクラとは、針穴写真機(ピンホールカメラ)の原理で、上下左右反転した画像が、暗箱の中に現れる。なぜ暗箱なのか、それは、その画像が、とても暗いので、ヒトの目で認識しやすくするためである。この頃のカメラは、数時間もの露光を必要とした。 例えば、針穴をたくさん開けると、たくさんの画像できてしまうので、プリズムをたくさん使うとこで、明るい1つの画像にすることができる、そのたくさんのプリズムの形状が、

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クマとハム(番外編3)3周年

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天地始粛・てんちはじめてさむし「8月28日~9月1日頃」

【スロヴァキア版アリス?】映画『不思議の世界絵図』感想

先日『EUフィルムデーズ2022』のオンライン配信で『神に仕える者たち』というスロヴァキア製作の映画を観た。その時に「スロヴァキア映画ってどんな作品を観た事あったっけ?」と思い出した時に浮かんだのがこの作品。 『不思議の世界絵図』は今から25年前の1997年に製作された映画になる。監督はスロヴァキアのマルティン・シュリーク。スロヴァキアを代表する巨匠とのことだが、後述する理由で筆者が観ているのは本作のみ。 『不思議の世界絵図』を初めて観たのはもう何年も前のことになる。当時

(今日のART)NOON-NOM:Pinaree Sanpitak

NOON-NOM:Pinaree Sanpitak インスタレーション、Noon-nom 2016 では、ピナリー・サンピタクは、人の身体の形と精神的な形を結び付けている。 ピナリー・サンピタクは、常に人体を想起させてきたが、子供が生まれてからは、「神聖な育む形としての胸」に焦点を合わせた。 Noon-nom 2016 (寄り添う感覚) 80 コンポーネント: ファブリックと合成ワディング Gallery of Modern Art, Brisbane (オーストラリ

ミニミニ紀行 スペインの朝ごはんを吉祥寺で

旅先で食べる朝ごはんが好き…以前、そんな記事を書いた。 記事を書いたときからずっと行きたかった朝食専門店にようやく行くことができた。 東京・吉祥寺の「WORLD BREAKFAST ALLDAY」。 ネット等で見る看板が、この角度のものばかりなので、不思議に思っていたが行ってみて謎がとけた。看板がとても高い位置にある! 店内は、ヨーロッパにある「地元の人から愛される食堂」のような雰囲気。明るくてこざっぱりしている。旅先で朝ごはん食べるならこんな店がいい、そう思える内装だ

スマホを置いてフィールドに出た先に

ペルー399日目(/26日目)、任地365日目(/18日目)。金曜日。 今日はワークショップの準備と同僚のワークショップの手伝いな1日。ワークショップは家計簿ワークショップをしようと思っています。せっせと家計簿の台紙を作っていました。同僚の手伝いはカクテルのワークショップ。今回と合わせて全2回の通しです。 あまり手伝いのいらないワークショップなので、私必要かな…と思いつつ、信頼関係作りは一朝一夕にはできないから少しずつつながりづくりをしていこうと手伝いに向かいました。でも結

東京の休日141 〜【東京国立博物館】晩夏のトーハクで涼し麗しいひと時を〜

残暑厳しいこの頃。 作品保護のために 涼やかさがたもたれている 美術館・博物館に一歩足を踏み入れると ほっとした気分がいたします。 さて、今回ご紹介するのは トーハクの名で親しまれている 「東京国立博物館」。 そのおすすめな点はこちらです。 ・館内の麗しさ ・ゆったり名作を愉しめること ・レストラン「ゆりの木」 ・館内の麗しさ 本館を手がけたのは 建築家・渡辺 仁(わたなべ じん)氏。 銀座・和光、ホテルニューグランドなどの他の 渡辺氏の昭和の名建築同様、

ヴァルター・ベンヤミン著作集 II「複製技術時代の芸術」解釈

ヴァルター・ベンヤミン著作集 II「複製技術時代の芸術」解釈Interpretation of Benjamin's book II "The art of the era of replication technology" With the development of replication technology, the aura which was in the art work has been rapidly lost. The historical testi