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映画

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2020年4月の記事一覧

まほろ駅前多田便利軒

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2011年の日本映画。東京郊外の「まほろ市」で、駅前の便利屋を営む男・多田。中学の同級生でつかみどころのない男・行天。共にバツイチの二人が、ワケありの依頼をこなしてゆく1年を描いたヒューマン・コメディ作品です。 直木賞を受賞した三浦しをんの同名小説を映画化。主演は、瑛太、松田龍平。 続編小説として『まほろ駅前番外地』、『まほろ駅前狂騒曲』が出版されており、『~番外地』はテレビドラマ化、『~狂騒曲』は映画化されています。 「まほろ市」のモ

【偽りの神め】映画「X-MEN: アポカリプス」は、数千年もの深い眠りから蘇ってきたアポカリプスが全世界を破滅に導く黙示録的抒情詩?!

#映画 #XMEN #アポカリプス #プロフェッサーX #スキンヘッド 1.映画「X-MEN: アポカリプス」は、数千年もの深い眠りから蘇ってきたアポカリプスが全世界を破滅に導く黙示録的抒情詩?!映画「X-MEN: アポカリプス」は2016年に公開されたX-MENシリーズ第6作目です。 リブートされてからは3作目で、一応これが3部作の完結編となります。 「X-MEN:フューチャー&パスト」でミュータントの忌まわしき過去が改変された後の世界。 そんな彼らに襲いかかる今回

徒然日記~映画『燃えよ剣』について

 色々なイベントや映画が中止になるか、あるいは延期になるかしている。  私の場合、5月前後に楽しみにしていたものの中でも、ダントツで思い入れが強いのは映画。  司馬遼太郎原作・岡田准一主演の『燃えよ剣』。  原作を読んだのはつい最近だったが、函館での最後の突撃をかけるシーンの鮮やかさが、今でも記憶にくっきりと残っている。あれを、岡田准一が再現するのが見たい…!  その思いは、『キネマ旬報』の最新号を手にした時により強くなった。  トップ記事が、『燃えよ剣』の特集だっ

弱さを免罪符にする前に

人は誰でも弱さや脆さを抱えているというのは当然の話である。 一見強そうに見える人も、いつも気丈に振る舞う人も、毎日快晴のもとで陽の光を浴びて前だけ向いて歩いてきたなんてことはないだろう。 その「脆弱性」を逆手にとって、周りに振りかざす人がいるのも真実である。 つまり、弱いふりをして周りを支配するということだ。 「弱者マウンティング」と言うらしい。 ここでは、「自分の方がつらい」と周りに押し付けることと、「弱いのだから守られるべき」と唱えることの両方について考えてみること

天使のくれた時間

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 2000年のアメリカ映画。クリスマスを舞台に「もしもあの時、違う道を選んでいたら?」という世界を描いた、心あたたまるファンタジー作品です。 主演は、ニコラス・ケイジ、ティア・レオーニ。原題は "The Family Man"。 わたし、この映画がとっても好きなんです♩ たまに観たくなる時があって、何度も観ています。 こちらのツイートは、再鑑賞した時のもの。 主なあらすじ(ネタバレなし)  主人公ジャック(ニコラス・ケイジ)は、ニュー

【苦渋の選択だ】映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」はプロフェッサーXとマグニートーのチェスの終焉を描く偉大な初期3部作のフィナーレ?!

#映画 #XMEN #プロフェッサーX #マグニートー  #ウルヴァリン 1.映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」はプロフェッサーXとマグニートーのチェスの終焉を描く偉大な初期3部作のフィナーレ?!映画「X-MEN: ファイナル ディシジョン」は2006年のX-MENシリーズ3作目です。 予告編はこちら。 X-MEN:ファイナル ディシジョン - 予告編 「X-MEN: ファイナル ディシジョン」で繰り広げられるのは、ミュータントを撲滅するためのミュータント

この時を生きる私たちがアフリカの人々から学ぶこと

一時帰国から一か月以上が経った。 自己隔離の14日間が終わって以降、ほぼ毎日おばあちゃんと一緒に過ごしている。 おばあちゃんは今年で79歳になる。生まれてからずっとこの土地で暮らしてきた。私の地元はいまは”市”の一部だが、かつては”村”だった。おばあちゃんはこの村で生まれ、この村に嫁ぎ、この村で暮らしてきた。 おばあちゃんはよく昔話をしてくれる。おばあちゃんが語る60~70年前の日本の風景は、不思議なことに1か月前に私がザンビアで見ていた風景と重なることがある。 家で

4月25日のこと「ピーターラビット」day18

4月25日(土)晴れ、外の木々が揺れていたので風は強そうRIZAPの着圧レギンスが届いてもう一週間は経っただろうか。 なんとなく太ももが履いているとキュッとしている。気がする。 プラセボかな。まぁ気持ちの問題は案外大事なので。キュッとしていると思っておくことにする。 昨日RADWIMPSの来月の東京ドームでのライブが延期になったとメールがきた。 なんとなく、なくなりそうな予感がしていたのでライブ延期のメールを見てもあまりショックではなかった。 どこかで延期の公演はきっと行わ

さよなら、大林宣彦監督

 先日、TBSラジオ『アフター6ジャンクション』で放送された、「さよなら大林監督。追悼特別企画<第1回 大林宣彦映画 総選挙>」にて、ありがたいことに僕の『転校生』への1票を読んで頂きました。なんか知らないけどめちゃくちゃ緊張して、手汗が滴るほど出てました。妻とのクリスマス花筐事件も宇多丸さんに笑って頂いて嬉しかったです。  ただ、僕なりの『転校生』論をメールに書いたのですが、大幅に端折られてしまったので(当たり前)、ここに書き残して置こうと思います。あと、デビュー作『

夜空の星が、遠い昔の瞬きで在る様に / 村口知巳監督作品"音の3部作"シリーズ

村口知巳監督が手がけた短編映画"音の3部作"シリーズを鑑賞して、その世界観をすこしだけ覗いた気持ちになったので備忘録を残しておきます。これからも追いかけていきたい監督です。 ⚠️ネタバレあり。1・2作目の詳細の感想はFilmarksリンクから。 <10/1追記:3作目「美しいロジック」もFilmarksに登場!> 聞こえない/聞こうとしないサイレン 『あるいは、とても小さな戦争の音』 "日常に潜む戦争の足音、その予兆に気づけるか否かを問いかけられた気分になった。自分はどん

初めて、おめでとう

今日は何の日かご存じですか?今日は… なんと… 給料日!! そう、初任給です。 昨日の夜からソワソワしていた。 朝起きて、通帳アプリを開いて何とも言いがたい気持ちになった。 「これが初任給か…」 人生で最も税金が少ない給料だ。 まだ勉強をさせてもらっている状況で、お金をもらっていいのだろうか。 会社が自分に投資をしてくれていることを実感した。 ――― 嬉しいことに使おう何に使おうかな~ 貯金かな、母に何か買おうか、勉強のために使おうか 色んなことを考えな

おすすめの映画100(part2)

おすすめ映画の第二回は、岩井俊二監督の 「花とアリス」です。 好きすぎて何回も観てる大好きな映画です。 岩井俊二監督なので物語と映像のキレイさは もちろんですが、とにかく蒼井優が天使すぎるということに注目していただきたいです。。 (ただの蒼井優好きというのもあります。) ざっくりあらすじは、ハナ(鈴木杏)とアリス(蒼井優)は中学生の頃から一緒にバレエを習っている親友。2人が好きな男の子を巡っての恋愛と友情に揺れる青春映画です。 青春映画といっても、設定が結構むちゃくち

4月24日のこと「マリッジ・ストーリー」day17

4月24日(金)突然ものすごい音がして雹が降ってきてびっくりするベランピングの件を母に相談したら、(ベランピングとはなんじゃらの人はday16のnoteを読んでくれたらとても嬉しい)「先に部屋を片付けたら」と冷ややかに言われてしまった。 たしかにその通りなので何も言えない。 私は部屋の片付けが苦手。 365日中、350日くらいは常に部屋のエントロピーが増大し続けている。 父からは「使ったものは、使い終わったらすぐ元の場所に戻せばこんなに散らからないのに」とよく呆れられる。

シャイン

鑑賞時の感想ツイートはこちら。 1996年のオーストラリア映画。少年期から天才と言われ将来を期待されながらも、父親からの過干渉や抑圧などの影響により精神を病んでしまったピアニスト。精神病院での十数年を経て、彼が音楽の世界に復活する姿を描いた人間ドラマ作品です。 主人公のモデルは、実在するピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴット。作中のピアノ・シーンは、ヘルフゴット本人が演奏しています。 中年期以降のヘルフゴットを演じたのは、『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュ。(少