バッカス・ファックオフ
※1杯目※
なんでも神様にはソックスだかバッカスだかの酒の神がいるそうだが、
だとすりゃそいつはどうしようもないクソで、クソみたいに
俺を呪ってるんだろう。
じゃなきゃ人が禁酒しようと決めた時に限っていい酒に
巡り合わせる道理がねぇ。
そして俺みてぇに弱い人間は、いい酒に出会っちまうと一瞬前までの
反省なんて忘れてすぐそれに飛びついちまう。
で、滅茶苦茶に酔ってトラブルに巻き込まれるってわけだ。
「スー……スー……」
例えば今は、だ。朝起きたらベッドの右隣に俺にはもったいないくらいの
カワイコちゃんが半裸で寝てて、それはいい。
問題は左隣で、男としては絶対にこうなりたくねえなーって
キモデブのおっさんが、男としてはこんな死に方ごめんだって感じに、
アソコから胸までかけてを綺麗に裂かれて血まみれで死んでやがる。
というか周りを見ればここ、豪華なホテルの一室っぽい訳で。
……金も持ってねぇのにマジでなにが起きたんだ今回は!?
【2杯目に続く】
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