見出し画像

14. 聞き取りするならスパイになろう

日本で数年間生活していたというだけで、日本語学校へ通ったことも無いというのに、ある程度の日本語による日常会話になら困らないという、日本語を母国語としない人たちに出会ったことはありませんか?

現在はニュージーランドで生活しているけれど、過去に日本で数年間生活したことがあるというニュージーランド人の知り合いに、どうやって日本語を勉強したのかを聞いてみたことがあります。

答えは、ずばり「喫茶店でスパイになる学習法」でした。

つまり、暇をみつけては、喫茶店へ行き、周囲の人たちの会話に聞き耳を立てながら、のんびりと過ごす方法だったそうです。
教科書日本語ではない、実践的な日本語を学ぶ為には、一番効果があったのだとか。
しかも、常に、今現在使われている最新の日本語を学ぶことが出来ますので。

時々、「外国人だぁ~」と彼女自身のことを話している人たちの会話を耳にすることもあったそうです。
「自分達の話している言葉は理解出来ないはず」と思う人たちが周囲にいると、その人たちのことを何となく話題にしてしまうこともあるようです。

私にも経験があります。日本発着便の国際線のフライトアテンダント二人が、周囲は英語の分からない日本人乗客とだと思い込んでしていた会話の中に、突然英語で参加して、驚かせたことがあります。
また、ある国でタクシーを利用した時、「この運転手さん、行き先がちゃんと分かっているのかしら」などと日本語で話をしていて、降りる際に、運転手さんは日本語の分かる人だったことが分かり、私も上記フライトアテンダントさんと同じ様に、気まずい思いをしたことがあります。
日本語で話題にするのではなく、不安があるのなら、「ちゃんと分かってますか」と、運転手さんに直接確かめるべきでした。反省しました。

さてさて、話を元に戻します。
至る所で聞き取り練習をすることはおすすめなのですが、ヒソヒソ話をしている人達の会話や、聞かれたくないと思って話をしている人達の会話を、無理やり聞き取ろうとするのはやめましょう。
あくまでも、周囲の人たちに聞こえても平気という声で話をしている人達の会話に、ちょっと意識を集中してみる
これが、「聞き取りするならスパイになろう」作戦です。

「わっ、英語っ」というだけで、意味の無い雑音として、聞こえてくる英会話の言葉(音)を意識の中から排除してしまう人もいるようですが、単語一つでもいいですし、地名の英語的発音を聞き取るだけでもいいですし、数字だけを聞き取るという練習をしてみるだけでもいいんです。英語の聞き取り練習効果は必ずあります

日本国内でも、駅や電車の中、カフェやレストラン、観光地など、英会話に触れるチャンスは増えていると思います。
実際に会話に加わることが難しくても、とりあえず、英語の音に触れる機会があれば、チャンスは逃がさず、聞き取り練習に利用してみて下さい。

新幹線の中の英語のアナウンスなど、自分には関係ないと、聞き流していませんか?
英語が聞こえてきたら、「聞き耳を立てる」癖をつけて、リスニングの練習をしてみて下さい。

ニュージーランドの生活の中でも、私も同じような方法でリスニングの練習をしていたことがあります。
こちらに来た当初、車を持っていなくて、移動には路線バスを利用していました。
このバスの中で、後ろに座った人が大きな声で会話をしている場合、普通なら雑音になってしまうところを、ちょっと意識を集中させるだけで、聞き取り練習に早変わり
また、ニュージーランドのスーパーマーケットでは、レジで店員さんと挨拶を交わしたり、短い会話をすることは普通なのですが、これも、聞き取り練習に利用していました。レジで並んで待っている間、他の人たちの店員さんとの会話、「How are you today?」や「How was your day?」と聞かれた場合の、他の人たちの答え方など、実践英語を学ぶにはとても役立ちました。

実際に、英会話を耳にする場面に遭遇するチャンスが無いという人も、例えば、テレビ(やYouTube)のニュースで、英語圏の映像が出てきて、日本語の解説が加えられているものの、英語による音声が残っている場合には、英語の音声に意識を集中させて、単語一つでも良いので、聞き取る練習をしてみて下さいね。

今回の技は:

「チャンスは逃がさず聞き耳立てて、リスニングの練習をしましょう!」



※この記事は、2003年に発行していた「下手英メールマガジン」で紹介していた「下手な英語を使うための技」に加筆修正を加えて、現在無料再掲載中のものです。令和版は、近日有料公開予定!

下手英メールマガジン発行から20年後、「2023年の後書き」:
最近では、YouTube動画はもちろん、各種ストリーミング放送などで、英語圏のニュースやドラマやバラエティ番組等を気軽に観ることが出来るようになりました。
英語に触れるチャンスが増えた今、ニュースでも、料理番組でも、リアリティーショーでも、ドラマでも、スポーツでも、映画でも、何でも構わないので、自分が一番興味のある分野の英語に、毎日楽しく聞き耳を立ててみて下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?