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選ばれし若者の共通点~最終面接の裏側~

こんばんは。Her Pivot プロジェクトディレクター/ Next Big Pivot 代表理事の梶川です。日本人女性初のNBAビジネスインターンとして、日本において「スポーツビジネスx女性活躍支援」ムーブメントを推進すべくこれまで7年間ほど活動を実施してきました。
今日は、2016年と2018年にNYとLAで実施した女子学生スポーツビジネス海外研修 FutureFrontwomen (FF)の参加者選考基準について書きたいと思います。

FF2016選考の裏側

FF2016については、実はスポーツビジネス界のおじさんたちからも「俺が行きたい!」と多々懇願されましたが(笑)、「女子大学生・大学院生」に限定し公募、最終選考15名程度から参加者5名を選出する流れでした。応募者は優秀な学生が多く、審査員の方が圧倒されるくらい、やる気と希望に満ち溢れていて、それだけで感動でした。
ご応募頂いた皆さんには、この場を借りて改めて御礼をお伝えしたいです。

審査員は、私の他にBリーグ事務局長(当時)の葦原一正さんとニールセンスポーツ社長(当時)の秦英之さんにもお願いし、3名体制でした。
基本的には採点方式をベースとして参考にしつつ、最終決定権は主催団体の代表でプロジェクト責任者(&スポンサー)である私が持っていました。

審査員は、ぞれぞれ自由に質問をしてよいことになっていて、全員に同じ質問をする方もいれば、自己紹介に対応して個別質問を投げかける場合もありました。私は、同じ質問を繰り返していたわけではないのですが、それぞれの学生の発言に呼応する形で全員に必ず確認していたことがあります。

それは、「バスケ界発展のためにこれまでにどんな行動を起こしていたか」ということです。

行動を起こす力があるかを重視

「将来はこうなりたい」「私はこういった形でスポーツビジネス界に貢献する」と未来に対する情熱を持った応募者も多数いらっしゃいました。その中でも、私はとくに”過去”にこだわりがありました。このプロジェクトがなくても、バスケ界に貢献するための何らかの行動を起こしていた学生に、この貴重な機会を提供したいと考えていたからです。

未来のビジョンについて語ることは大変素晴らしいことだと思います。でも、私がより期待していたのは、どんなに小さな行動でも、自ら行動を起こすことができる子かどうか、という点でした。なぜなら、このプロジェクトが提供する貴重な機会での経験や学びを、参加者本人だけではなく、参加できなかった若者やできるだけ多くの人々に伝え、未来につなげることが、本当の目的だったからです。

そのために、「自ら考え行動できる若者」が必要で、私が注力して聞きたかったのは、面接の場だけで取り繕うことはできない「過去」の行動についてでした。通訳を付ける予定だったので、英語力は全く関係なく、留学経験もほとんど考慮せず、ただその一点を重視していました。

そして、実際に選んだのは、他の審査員の採点が著しく悪くないという条件下で、自分自身で小さなアクションを起こしていた学生でした。大学でスポーツ新聞の発行に関わっていたり、Bリーグのクラブですでにインターンをしていたり、FIBAの大会に実際に赴いたことがあったり。中には、沖縄からこの面接のためだけに上京してきた学生もいました。過去に行動を起こせていれば、面接で素晴らしいプレゼンテーションができていたわけではなかった子も選びました。

憧れのNYで、普段は行くことができない、NBA本部や選手会、NBAストアやコロンビア大学スポーツビジネス学部等も訪問できる。そんなハイプロファイルなイベントが目白押しで、しかも無料で参加できる研修ですから、とりあえず応募してこれをきっかけに未来を拓く、という考え方もあると思います。でも、その特別な経験を自分だけのものとするのではなく、他の人や未来につなげるための具体的行動を起こすことができる若者にこそ、この機会を提供したい。私がそんな想いを持って臨んだ面接で、「世界最高峰プロリーグでの経験を未来に伝える」という私のミッションの一部を託すために必死で探したのは、過去の行動実績のある学生でした。

行動力の強さ

「未来につながる行動」を起こして頂けるかどうか、については「この機会を得たらその経験をどう社会に還元するか」と聞いて確認することもできます。でもその質問に具体的にどんな形で実現するのか答えられたのは、未来形の回答が多かった学生より、やはり過去に自ら行動を起こせていた学生だったように思います。

企業面接等ではまた違った視点になるのかもしれませんが、何か特定分野の新しいチャンスを得るためには、「過去の行動や経験」は夢を語るより説得力があり、非常に重要な要素になると思います。夢や目標を持つことはもちろん大切ですが、その夢や目標に近づくために、常日頃から、自ら考え行動することが最も大切だと思います。チャンスはその先にしかなく、勇気をもってまず小さな行動を起こしてみることをお勧めします。

2年後に実施したFF2018の選考については、公募や面接はなしで私から個人的に連絡をするという、かなり特殊な方法で参加者を選びましたが、その背景や詳細については先回のコラムにありますので、こちらをお読み頂けたらと思います。

少し補足しておくと、FF2018の参加者は、2名とも、自ら行動を起こしたことで私に出会い、私がそのチャンスを得た時にすぐ連絡してみようと思い出せた存在になっていた(行動によって本気度を伝えられていた)点がポイントだと思います。

私のこれまでの経験からも確実に言えることですが、チャンスは突然やってきます未来は「今」の積み重ねでしかなく、今行動しなければ失う機会もあるということを念頭におきつつ、小さな失敗を糧にしながら、挑戦し続けて頂けたらと思います。

より多くの若者が自分のやりたいことや夢に近づけるよう、応援しています。

次回はいよいよ私のメンティーしほさんからのレポートです!お楽しみに☆

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