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甘えではない。

働いている療育施設で、先日子どもが退園した。
入所施設が決まったからだ。

そのお母さんが言ったお別れの言葉が忘れられず、頭の中をぐるぐるしている。

たくさんの葛藤があったと思う。たくさんたくさんママもその子も家族みんなで、私たち支援者が想像する以上にたくさんの苦労をしてきたと思う。

ママが言った、
"私の甘えでこうなってしまった(入所することになった)"と言う言葉の中につまったいろんな思い。
ズキっと心がえぐられる音がした。

そして、甘えなんかじゃないよってすごく抱きしめたくなったし、ママの泣いた顔を見たら心が張り裂けそうだった。そして、入所が決まったことに安心を感じた。少し空いたスペース、心の余裕が生まれたことで、ママ自身のことも子どものことももっとこれまでより大事にできるんじゃないかって。


いろいろと思考を巡らせるうちに、昔働いていた障がい者施設のことを思い出した。

多くの親御さんが嘆いていた。困っていた。そして子どものために一生懸命だった。


その中であるお母さんが言っていた。

"小さな頃に入所施設の空きが出て入れますと言われたけど、断った。あの時断っていなければと後悔している。毎日辛くて苦しかったから、入所したいと手を上げたはずなのに、いざとなったときに、覚悟ができなくて、子どもを施設に入れることは、刑務所に入れるような酷いことをする気持ちになってしまった"


当時の私は若かったし子どももいなかったから、その時にお母さんが迫られていた選択の重さもよくわかっていなかった。サービスは使っていこうよってシンプルに思ってた。

でも今は思う。
相当な覚悟と勇気が必要だったよねと。
この子の母親であることへの責任、人生に対する責任。我が子から離れるという胸が張り裂けそうになる感覚。自分の選択が子どものこれからを決めることになると言うこと。


想像するだけで胸が裂けそうだ。

施設へ入所させることがどうしてもマイナスイメージに捉えられてしまうことが多いし、母親としての責任という面でも自分で抱え込んでしまう方が本当に多いんだろうなと思うし、私もそうなるなと思う。


だけど、やっぱり言い切れるのは、施設入所の選択自体甘えではない。そもそも選択をし行動をしていくことがどれだけ強く逞しいことなのかとおもうくらいだ。

全部を自分でしなきゃいけないってことはない。辛い時に辛いって言えたことも、助けてほしいと声を出せたことも、そしてその道を選択できたことも、そこに行くまでに一生懸命に愛情かけながら試行錯誤しながら向き合ってきた毎日があることも、いろんなこと全て含めて、とてもとても力強さを感じるし、甘えなんて微塵も感じ取ることが私にはできなかった。

支援者として相談を受ける立場としても、これからも当事者目線を大事に愛のあるサポートをしていきたいと強く思った日になった。

chari




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