椙本孝思

小説家。色んなお話を書きながら、半信半疑で人生を送っています。よろしくね。 https…

椙本孝思

小説家。色んなお話を書きながら、半信半疑で人生を送っています。よろしくね。 https://www.amazon.co.jp/stores/author/B004LTXGKM

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【著者紹介】はじめましてのみなさまへ

初見の方ははじめまして。 馴染みの方はいつもありがとう。 椙本孝思(すぎもとたかし)と申します。 小説を書いたり読んだりしながら、今日もどうにか生きています。 ミステリーやホラーを中心に20冊くらい作品を出しています。 amazonでは下記の作品をご購読できます。 どうぞよろしくお願いします。 https://www.amazon.co.jp/stores/author/B004LTXGKM インターネットの庭では四半世紀ほど個人ホームページを運営していました。 でも近

    • トイレにスマホを落とした週末

      弊著の『時間島』は、主人公が湖に携帯電話を落としたことから物語が始まる。 落とした携帯電話から電話が届く、しかも内容は……。 現代人なら誰の身にも起こり得るアクシデントから、有り得ない状況へと飛躍すると面白いな、というのが発想の根幹だった。 今ならスマホを使えばもっとスリリングな展開にできるだろう。 そんな、誰の身にも起こりうるアクシデントに、私は先週末に見舞われた。 スマホをトイレに水没させてしまったのだ。 用を足して便座から立ち上がり、振り返った瞬間にポケットからスマホ

      • ラッコ水族館の決断

        先月3月12日に三重県鳥羽水族館の設立者、中村幸昭(なかむらはるあき)氏が96歳で亡くなった。 1955年(昭和30年)に設立した同館は年間入館者数80万人、累計6000万人を超える国内屈指の水族館にまで成長した。 中村氏はいわゆる名物館長という人で、講演会や広報活動も積極的に行い、水族館や海洋生物にまつわる著作も多い。 プロフィールによると前職は朝日新聞社の社員ということで、いわゆるメディア畑の人間だったようだ。 そんな鳥羽水族館のホームページでは先日よりラッコ水槽のライ

        • もふもふプッシュで上げてオン

          「もふもふプッシュ」とは独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が先日提唱した「ペットによる火災事故」について注意喚起だ。 “もふもふプッシュ”にご用心~「ペットによる火災事故」を防ぐポイント~ 飼い主が外出している中、留守番をしている犬猫が「もふもふ」した手足でガスコンロのスイッチを「プッシュ」したことで火災が起きてしまうケースがよく起きているそうだ。 発表資料ではガスコンロのスイッチだけでなく、配線器具やバッテリーを噛んでショートを起こしたことによる出火、暖房

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        【著者紹介】はじめましてのみなさまへ

          サブスクの難点と電子図書館の方針

          昨年の11月にSpotifyやApple Musicなど大手の音楽配信サービスから安室奈美恵の楽曲が視聴停止となる出来事があった。 お陰でファンの間では騒ぎとなり「CDを持っていて良かった」「でもCDデッキなんて持っていない」「これだからサブスクは信用できない」といったコメントが流れていた。 私自身は特にファンではないので気にならないが、これは誰のどの楽曲に対しても起こり得ることだろう。 なお視聴停止となった事情はよく分からなかった。 ご存じの通り、サブスクリプションとは現

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          ネコの会議、カラスの交渉

          土の中から虫が這い出る啓蟄(けいちつ)を過ぎて、昼と夜の時間が大体同じになる春分も過ぎて、いよいよ春がやってきた。 春になると色々な生き物が姿を現す、虫も花も動物も、ややこしい人たちも浮かれて外へ飛び出してくる。 どこに隠れていたのか、街では野良ネコもよく見かけるようになってきた。 野良ネコはよく集まって会議をしている。 大抵は車の通らない空き地や路地裏の、特に日差しが暖かい所で。 2匹か3匹、時には4、5匹も集まって、何やら話したり転がったりしている。 何をやっているのか

          ネコの会議、カラスの交渉

          YouTuber、オレのそばに近寄るな

          ちょっと前にYouTuberになろうと思ったことがある。 読んだ本や観た映画のことを話すとか、ショートムービーを作るとか、世間ニュースを批判するとか、趣味のあれこれを見せるとか。 そういう動画を作って上げて、みんなに観てもらうのはどうだろうかと考えた。 でも結局やらなかった。 なぜなら人前に顔を晒したくないし、口下手で喋りには向いていないし、世間に文句ばっかり言っている奴にはなりたくないし、そんな暇があったら何か物語でも書いたほうが良いと思ったからだ。 そして何より、私はあま

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          元祖・始祖・本家・本元・オリジナル

          『元祖天才バカボン』は何が『元祖』なのだろう。 そんなことを言う奴はバカなのだと笑われるかもしれない。 調べてみると『元祖天才バカボン』は赤塚不二夫原作の漫画『天才バカボン』のアニメ化作品として1975年10月6日~1977年9月26日に放映された。 私が生まれる前の作品だったので、きっと私は再放送を観ていたのだろう。 そして『元祖天才バカボン』は、実はアニメとしては2作目で、初代『天才バカボン』の出来が悪いと感じた赤塚不二夫が、こちらが本家本元なのだという意味を込めて『元

          元祖・始祖・本家・本元・オリジナル

          Appleメガネは見通しは?

          先日メガネを新調した。 大人になってからメガネを掛けるようになった人には、これが初代、これが二代目と愛着を持って語る人もいる。 しかし子供の頃から掛け続けている私にとっては、二代目も三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEもなく、ただ数年毎の定期購入に過ぎない。 数えたこともないが十五代目くらいにもなるだろう。 世が世なら幕末だ。 ちなみにメガネの単位は「○本」だ。 今回のメガネは右目の乱視矯正を少し強化した。 前々から特に夜間の視界が悪く、

          Appleメガネは見通しは?

          AIの真骨頂は接客だ

          20代の頃、パソコンメーカーのコールセンターに勤務していたことがある。 パソコンの使い方やトラブルに関して電話で対応する仕事だ。 職場は大阪の日本橋にあったが、詳しい場所や会社名は明かせない。 Googleマップにも掲載されておらず、入口に看板も掛かっていない。 対応のトラブルから殴り込みに来る人がいるからだ。 仕事内容については、まあ「コールセンターあるある」といった感じだった。 「言葉で人を殺す気か」を如実に体験できる現場だった。 気の弱い私など続けていれば間違いなく胃

          AIの真骨頂は接客だ

          人間は硬貨を投げる動物

          アメリカの動物園でワニが飲み込んだ硬貨を胃から取り出す処置が行われた。 ワニはミシシッピワニのティボドー君36歳、白い体に青い目を持つ白変種で動物園の人気者だ。 そのティボドー君の胃から取り出された硬貨は70個にもなる。 それだけ飲み込んでいた理由は、園内の池に硬貨を投げ込む客が後を絶たないからだ。 人は水辺を見ると釣り糸を垂らすか硬貨を投げ込む性質がある。 寺社仏閣の池や水溜まりにも5円10円などの硬貨が大抵投げ込まれている。 水質の悪化に繋がるので止めてほしいと訴えても

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          インドネシアのおもしろ選挙

          インドネシアの大統領選挙が色々と面白いことをしている。 2月の14日に投票が行われた大統領選挙では、候補者のプラボウォ氏が初期集計で過半数の票を獲得し、次期大統領に選ばれる見通しとなった。 最終的な公式結果は3月20日までに発表されるそうだが、おそらくは覆らないという見方が強いようだ。 プラボウォ氏は軍人出身の72歳、国防大臣を務める強面のおじさんだ。 三度目の出馬で勝利を掴んだ要因は、若者に向けて徹底したアピール戦略にあったそうだ。 自身のマスコットキャラを前面に押し出し

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          「マルハラ」に見る読書ばなれ

          「マルハラ」という言葉がある。 いや、ない。 ちょっと面白いから流行らないかなと、たぶん中年メディアが新たに作った言葉だ。 「マル」とは句読点の「。」のことで、文章末に付けるものだが、若者たちの目にはそれが「怒っている」「打ち切りたがっている」ように見えて使いたがらないという話だ。 広告会社の鉄則でもあるが、流行というのは共感よりも対立の方がよく受ける。 「そうそう、そうだよね」と思うと皆が納得して済ませるが、「それは違う、それはおかしい!」と思うと目くじらを立てて意見した

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          タイムカプセルは埋めるまでが楽しい

          先日、オランダのハーグでは99年前にオランダ王ウィレム2世の像の下に隠されたタイムカプセルの中身が公開された。 アタッシュケースのような金属の箱の中には、1815年のワーテルローの戦いなどナポレオン戦争に関する本や古い文書が入っていたという。 タイムカプセルは改修工事をしていた作業員が偶然見つけ、歴史学者たちも非常に驚いたそうだ。 当時の文書や品物を箱に収めて地中などに埋めておく習慣は「タイムカプセル」という言葉が生まれる以前から人類は行ってきた。 古くは5000年前のメソ

          タイムカプセルは埋めるまでが楽しい

          スターダスト・レビュー3.8の信憑性

          「ネットで話題!」と言われても、どこのネットか分からない。 「YouTubeで1000万回再生!」と言われても、見たことも聞いたこともないものも少なくはない。 趣味嗜好が細分化されすぎたせいで「人気」に対する絶対感が薄れたようにも感じている。 お陰で「知らないの? おっくれってるー(死語)」的な偏見も少なくなったのは良いことかもしれない。 今の十代が、そういう風潮とどう付き合っているのか気になっている。 たとえばネットで星3.8の高級レストランと、星4.2のお手軽居酒屋とで

          スターダスト・レビュー3.8の信憑性

          インテリアとしての本棚

          書斎の本棚が崩壊に近づいている。 壁の一辺に天井まで届く高さの本棚を建てているのだが、いよいよ本が入ら なくなってきた。 いや、以前から収納容量は100%だったのだが、本を縦や横にしてわずかな隙間に詰め込み誤魔化してきた。 その結果、容量は120%を超え、棚板にヒビが入り、全体的にも歪んだり傾いたりしている。 今は、むしろ本棚をなくして、本をテトリスのように組み合わせた方がもっ と置けるなと、私の精神もおかしな角度に歪み初めてきた。 近頃は電子書籍で事足りることも多くなり

          インテリアとしての本棚